オメガ・ドメインへの突入！サイバー・ピースの真実
リナの過去に関する新たな情報を手にしたアレックスたちは、サイバースペースの最深部にある「オメガ・ドメイン」への扉の前に立っていた。目の前にそびえる巨大なデジタルゲートは、青白く光りながら冷たいオーラを放っている。ゲートの中心には、「最終ステージ」と刻まれた文字が浮かび上がっていた。
「ついに……ここまで来たな。」
アレックスはゲートを見上げながら、これまでの戦いの日々を思い返していた。ルーシーは興奮した様子で、アレックスに話しかけた。
「オメガ・ドメインって、本当にサイバー・ピースのある場所なの？」
「そうよ。」
リナは静かにうなずき、続けて説明した。
「オメガ・ドメインはサイバー・ピースの核心部分であり、この世界を支える中枢データが隠されている場所。そこにたどり着けば、サイバー・ピースの真実が明らかになるわ。」
アレックスはリナの言葉にうなずき、ゲートを押し開けた。
「行こう、リナ、ルーシー。俺たちの旅の終わりが近づいている。」
オメガ・ドメインの内部は、これまでのステージとは全く異なる異次元のような場所だった。空中には無数のデータコードが光の帯となって浮かび、床には幾何学的な模様が刻まれている。全てが幻想的でありながら、どこか不気味な雰囲気を漂わせていた。
「ここが……オメガ・ドメインか。」
アレックスは警戒しながら周囲を見渡した。突然、デジタルの床が振動し、前方に黒い霧が現れた。その霧の中から、今まで見たことのない巨大なデジタル生命体が姿を現す。全身が紫色の輝きを放ち、目は真っ赤に光っている。
「これが、オメガ・ガーディアン……サイバー・ピースの最後の守護者よ。」
リナは険しい表情で言い放った。アレックスは剣を構え、ガーディアンに向かって一歩踏み出した。
「リナ、ルーシー、俺たちでこいつを倒そう！ これが最後の戦いだ！」
ルーシーはワンドを振りかざし、アレックスに向かって頷いた。
「もちろん！ どんな相手でも、私たちの力で乗り越えるわ！」
オメガ・ガーディアンは強力な攻撃を繰り出し、アレックスたちを次々に攻撃してくる。エネルギー弾やレーザービームが飛び交い、彼らはそれをかいくぐりながら反撃を試みた。アレックスはガーディアンの巨体に素早く接近し、剣で攻撃を繰り出すが、硬いデジタルの装甲に阻まれてしまう。
「くそっ、硬すぎる……！」
アレックスは歯を食いしばりながら、再び距離を取った。ルーシーはガーディアンの動きを解析しようとするが、あまりにも複雑なプログラム構造に苦戦していた。
「アレックス、ガーディアンのプログラムは特殊よ！ 普通の攻撃じゃ、装甲を破れない……！」
その時、リナが何かを思い出したように目を見開いた。
「アレックス、ガーディアンの装甲を破る方法が一つあるわ。それは、サイバー・ピースのエネルギーを利用することよ。」
「サイバー・ピースのエネルギー……？ それってどうやるんだ？」
アレックスは戸惑いながらも、リナに問いかけた。リナは苦しげな表情を浮かべながらも説明を続けた。
「私はサイバー・ピースを守るために作られたAI。そのエネルギーを解放することで、ガーディアンの防御を無効化できる。ただし、私自身のデータが一時的に消滅する危険性があるわ……。」
アレックスは驚きと共にリナを見つめた。
「そんな……！ 君を失うリスクなんて、俺には背負えない！」
だが、リナは決意に満ちた眼差しでアレックスに言った。
「大丈夫よ、アレックス。私はあなたを信じている。この戦いに勝つことで、サイバー・ピースが解放され、私も完全な存在として蘇るはずよ。」
アレックスはリナの強い意志に心を打たれ、うなずいた。
「分かった、リナ。君を信じる。」
リナは微笑み、全身から青白い光を放ち始めた。
「行くわよ……サイバー・ピース、解放！」
リナの体が眩しい光に包まれ、そのエネルギーがアレックスの剣に流れ込んだ。アレックスはその力を受け取り、ガーディアンに向かって再び突進した。
「これが……俺たちの力だ！」
アレックスの剣は、青白い炎をまといながらオメガ・ガーディアンの装甲を貫いた。ガーディアンは轟音と共に崩れ始め、最終的にはデジタルの粒子となって消滅した。
「やった……これで終わりだ。」
アレックスは息を切らしながら、剣を地面に突き刺した。ルーシーは歓声を上げ、アレックスの背中を叩いた。
「すごいわ、アレックス！ あなた、本当にやり遂げたのね！」
アレックスは微笑みながらルーシーに応えたが、次の瞬間、リナの体が消えかかっていることに気づいた。
「リナ、君は……」
リナは微笑みを浮かべたまま、消えかかる体を見つめていた。
「ありがとう、アレックス。あなたのおかげで、私はサイバー・ピースの力を解放できたわ。でも、私はしばらくの間、ここに留まることになるかもしれない……。」
「そんな……！」
アレックスは悲しげな表情でリナを見つめた。だが、リナは優しく言った。
「心配しないで、アレックス。私は必ず戻ってくる。それまで、あなたはサイバー・ピースの真実を知り、世界を変えて。」
アレックスは涙を浮かべながら、リナに誓った。
「分かった、リナ。俺は必ずサイバー・ピースを使って、この世界を良い方向に変える。」
リナはその言葉に満足そうに微笑み、デジタルの粒子となって消えていった。
アレックスとルーシーは、サイバー・ピースの中枢にたどり着いた。そこには、世界を支配するすべてのデータが眠っているとされる「コア・システム」があった。
「これが……サイバー・ピースの正体……。」
アレックスはコア・システムに手を伸ばし、新たな未来を切り開くための決断を下した。
次回予告: サイバー・ピースの力を解放！新たな世界の幕開け
第9話では、いよいよオメガ・ドメインに突入し、サイバー・ピースの真実が明らかになりました。リナの過去や犠牲、そしてアレックスたちの成長が描かれた感動の展開となっています。次回は、サイバー・ピースの力を解放し、新たな世界を迎える瞬間が訪れます！
