表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4P 戦いの果てに 

 楽しく書けました~。

 

 戦いはクライマックスを迎えようとしていた。

 

「店長、山本さんは・・・」

 舞は気になる事の成り行きを尋ねる。

「ヤツの名は言うな」

 岸は首を振る。

「それじゃあ・・・」

「明日から、従業員皆のシフトを増やす」

「あっちょんぶりけっ!」

 舞と島は件のポーズをとる。


 島は溜息をつき、

「第4戦はスロットの金字塔っ。東斗の剣バトルボーナス連チャン対決っ!東斗BARが揃った高継続状態からのスタートなります。では、はじめっ!」


「こい」

 岸はクイックイッと右手を動かし、モロを煽る。

「ぶははははっ。俺様は無敵だ」

 モロは完全に世界に浸っている。


 岸は慣れた手つきで、バトルボーナスを消化していった。

「よっしゃ、7連確定「金を取り戻せ!」が流れたぞ」

 順調に継続させる岸を見て、モロは焦燥する。

そして・・・。

ふっ!

必殺の吹き矢を放つ。

「ふん」

 岸はその矢を右の人差し指と中指で止めた。

「なにぃ!」

 モロは驚愕する。

「二指真空ハッ!」

 岸は、返す刀で矢を放り返し、モロの額に的中させる。

「ぐぎゃああああっ!」

 のたうち回るモロに、

「勝負あったな」

 と、岸の勝利宣言。


 ジグマ加藤はぼそりと言う。

「こういう時ってフラグが立つんだよな」

 舞も大いに頷いた。

「そうそう」

 


「馬鹿めっ!」

 モロは叫ぶ。

「なん・・・だと」

 岸が気づけば、右腕に3本の矢が刺さっていた。

「い・・・つの・・・まに」

 店長は筐体に頭をぶつけ気を失った。

モロは意識朦朧ながら、ゲームを消化し続ける。

「へ・・・へっ・・・へ」

 そして偶然にも連チャンが互いに8回のところで、エルフの副官もついにダウンしてしまった。

「両者引き分けっ!」

 そしてついに店の存続をかけバトルは大将戦へと突入した。



 島は最後の戦いを告げる。

「パチ屋の女神、風霧舞選手。そしてエルフ族の姫エメロード選手・・・対決は・・・」

 エメロードは岸の言葉も終わらぬうちに、すらりと腰のレイピアを抜いた。

「まどろっこしい」

 舞は素っ頓狂な声をあげる。

「へ?」

 エルフの姫は不敵に笑う。

「真剣勝負といこうじゃないか」

 舞は、両手をぶるぶるさせて言った。

「無理無理無理」


「伝説の黒髪の女神ならば、いくつでも奇跡を起せようぞ」

 じりじりっとエメロードは舞へにじり寄る。

「だから、私は女神じゃありませんって」

 舞は後退りをして、カウンター裏へと隠れる。

「逃げるのか」

 姫は詰め寄る。

「だから・・・戦えません」

 舞はカウンターから頭をのぞかし、憤って伝える。

「ならば・・・ここで奇跡を見せてみよ」

 エメロードは一旦、レイピアを収め、腕を組み難題を突きつける。


「・・・奇跡って」

 そう呟く舞に、

「・・・いつもの・・・いつもの通りに・・・やるんだ」

 岸は目も虚ろにふらふらで立ち上がりながら言った。

(いつもの通りに・・・はっ!)

 その言葉に、舞は立ち上がり、機械を動かし景品をだす。

「はい」

 それをエメロードへ手渡す。

「これは・・・黄金」

 驚く姫。

「景品はうっすい金のプレートです」

 舞は言った。

「なんと、女神は錬金術師じゃったのか・・・おそるべし・・・ふう」

 エルフィンの目が泳ぎ、嘆息した。

「それから、これっ」

 舞は薬箱から絆創膏を取り出し、エメロードに渡した。

「なんだ?」

 姫は訝しがる。

「エメロードさん、さっき剣を抜いた時、右手怪我しているでしょ。それ貼って」

 舞は微笑んだ。

「な・・・んという・・・労り」

 モロは朦朧たる意識の中で呟く。

「なんとっ!医療の心得・・・白き魔法までっ!」

 エルフィンは涙を流す。

「それとぉ、双子ちゃんにお菓子をあげようか」

 舞は景品棚からカントリィダディのクッキーをニカとニーナに渡す。

「わーい」

 喜ぶ双子。

「な・・・なんという・・・慈悲の心っ!まさに女神っ!」

 エルフィンはその場に崩れ落ち呆然とした。

 

 エメロードはふっと肩の力を抜いて笑った。

「私の負けだ。黒き髪の女神、舞よ」

 舞も微笑み返す。

「エメロードさん」

 2人はがっちりと握手を交わした。


 その刹那。

 パチ屋のガラス戸が何者かによって割られる。

「キキキキキキーッ!!」

 パチ屋の周りから雄叫びが聞こえる。

「なんだ。なんだ。一件落着じゃないのかよ」

 驚く岸。

「この匂い。嫌な奇声・・・」

 モロは呟く。

「ああ、ゴブリンだ」

 ニカとニーナは同時に言った。

「ふむ。では、伝説の英雄たちと共に」

 エルフィンは高らかに言う。

「いこう!新たな戦いへ!」

 エメロードはレイピアを再び抜いた。

「はいっ!」

 舞は頷く。


 異世界パチ屋の戦いはここからだっ!



 一旦の完結まで読んでいただき、ありがとうございました(笑)。


 ゴブリン編・・・あるかも~(笑)。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ