召喚されたのは勇者1
ピンク色の髪に犬耳と尻尾がついた少女に声を掛けられ呆然としていたが声を掛けられはっとする
「えっと…あなたは?」
少女が手を前に添え軽く頭を下げる
「申し遅れました、私の名前はミルフィオーレ・セプテンス」
「セプテンス共和国の王女です」
「セプテンス共和国…?」
聞いたことのない国の名前に頭を傾げる
「急な事だらけで混乱されてると思いますが少し話を聞いていただけないでしょうか?」
情報量に戸惑っていたが何もわからない現状素直に受け取るのがいいだろう
「わかりました。僕も急なことだらけなので色々聞かせてください」
曇り気味だったミルフィオーレの顔が明るくなる
「ありがとうございます!ここでお話するのもあれなのでお城までご案内させてください」
「わかりました」
敵意もなさそうなので少し安心し、歩き出したミルフィオーレの後を追う
「そういえばまだ僕名乗ってなったですよね?」
「そうですね、お名前お聞かせください」
歩きながら自己紹介をする
「赤羽・シンク13歳です」
「シンク様とても素敵なお名前ですね」
かわいらしい笑顔と声に照れる
「それに年も同じですね」
「そうなんですか?ミルフィオーレさんも?」
「はい」
遺跡から続く畦道を歩きながら雑談を続ける
「このまま歩いてお城まで行くんでしょうか?」
そこそこ距離がありそうなところに城壁がみえその上に白のとがった屋根がみえている
「街道にでたところに馬車が待機してありますので大丈夫です」
後ろを振り返り返答するミルフィオーレだったが前を向きなおすときに足がもつれる
「きゃっ!」
「っ!」
とっさに体が動き倒れる前にミルフィオーレの体を支える
「間に合ってよかった…大丈夫ですか?」
声をかけるがふと顔がちかいことに気付く
とても甘いいい匂いとかわいらしい顔に自分の顔が赤くなる
「ごめんなさいありがとうございます!」
「い、いえ」
少し名残惜しさが残るがスッと体を離す
「召喚された方が良い人で良かったです」
「そ、そうですか?」
きょどってしまう自分が少し情けない
「はい、それと私のことはどうぞミルフィと呼んでください」
だいぶ警戒心もとけていたので心を許す
「じゃあ僕のこともシンクで」
「わかりましたシンク」
二人で少し笑いあう
「もうすぐ街道ですので行きましょう」
「うんわかった」
少し歩いた先高級そうな馬車が見えるがその先につながれていたのは見たこのない鳥のような生き物
そして馬車の扉の前に一人の少女が立っていた。
「お待たせしましたエクレ」
ミルフィが声をかけたのは背丈は自分より少し低い緑色のボブカットのような髪型にやはり見慣れない垂れた犬耳と尻尾少しキツイ力強い目、そして白を基調とした兵が着るような服目がつくのは大きく露出したミニスカートから下のきれいな足だった
エクレは頭を下げこちらを一瞥すると馬車の扉を開ける。
開けられた馬車にミルフィが乗りこむ
「シンクもどうぞ」
ミルフィから差し出された手を握り馬車に入り込む
見た目のわりに広い、自然とミルフィの隣に座る形になった。
「では行きます。」
エクレの掛け声とともに馬車が動き出す。
「半刻ほどで到着すると思います」
どうやら時計の概念があるらしくミルフィが取り出した丸い金色の時計を指す
暫くの間馬車に揺られていた…。