転生した先は未来だったようです。
紐手 慎也28歳。
俺はこれまでの人生で女性経験が一切ない。というより、もはや仕事で他社様の方との挨拶をしたこと以外話したことすらないだろう。
中学受験で男子校に入りそこから高専に編入。1留をを経て就職したが、パソコンをカタカタするだけのブラック企業での仕事場で女性がいる訳もなく、もちろん男オンリーだ。
だから、男だけの世界でこれまでも過ごしてきたし、これからも過ごすだろう。
しかし、なぜこんなにも女性と関わった事がないのか。いくつか理由を考えてみた。
①ファッション性が皆無。
俺はチェックシャツをインしてチノパンを履きキリトみたいな服を着るのが1番のオシャレだと思っている。が、大人になって周りの反応を見るに、どうやら違うようだ。今となってはスーツしか来てないが。
②友人以外と話す時絶対最初に「あ……」とか、「え……」とかの1文字の母音が出てしまう。
これは、本当に許して欲しい。なぜなら無意識に発しているからだ。
③無駄に早口。
話すスピードに関しては、高専時代の仲間となら普通のスピードだった。
④見た目がキモイ。
これに関しても仕方がない。先天的なものだし、陰キャのキモイ世界に生まれてきたのだから仕方がない。でもだからと言って陰キャをバカにしていい理由にもならない。
などと、考えている間に、終電の電車に着き家に帰ろうと思ったその時っ……
「キィィィイイイイ!!!」
なにが起きたか、分からない。電車が出発して、なにが起きたんだ。ただ俺には謎の頭痛とクラクラする感覚、あと手がなぜか生温い。そして、全身が痛すぎて、声を発する事ができない。
「ッッッッッッッッッッ!!!」
俺の口から無言の悲鳴が叫ばれる。だがしかし、人々の耳に届くわけもない。
……あ、分かった。これ……俺、、死ぬわ。なんなんだろうな。死ぬ時ってのは分かるんだ。へぇ〜。1つ死ぬ前に勉強になったな。
……あ、最後に母ちゃんと父ちゃんにお礼言いたかったなぁ。
【紐手 慎也さん。貴方の死亡が確定しました。どうやら貴方はやり残した事が多数あるようです。】
【異世界に転生しますか? 】
【YES or No】
…………は? どういう事? 異世界? 転生? どっかのス〇イムか! まるでどっかのライトノベルみたいな展開だな。…………やり残した事ぉ? そりゃ……あるよ。俺だって、女の子とイチャイチャしたかったし、最後に風俗でも行っときゃ良かったなぁとか思ってるし、最後に親にお礼も言いたかったし!
「………………yes.」
……どうせここで嘘ついてもしゃあないしな。最後ぐらい正直にいこう。そういや、父ちゃんが言ってたなぁ。「男は正直に生きろ!!」って。あれが俺のモットーなんだけどn………
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«紐手 慎也さん。異世界への転生が完了しました»
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「…………ん、眩し。」
どうやら、異世界への転生とやらが成功したようだ。俺が今目を覚ました場所は、学校(?)だろうか。屋上に繋がってる扉の前で睡眠を取っていたようだ。
「シュイン!!!」
ん、なんだ? これ?
«スキル:Advice»
→一定の確率で起こった»
出来事に対して助言が»
下されます。 »
スキル? アドバイス? どういう事? てか、俺誰? ここどこ? どういう状況?
突然の出来事に様々な疑問が浮かび上がるがその悩 みをかき消すように懐かしのチャイムが学校(?)中に響き渡る。
『新入生の方は体育館にお集まり下さい。』
女性だろうか? あまりこの声の性別の人から声を聞いたことないが分かる。体育館? あれ、ここって異世界だよね? 体育館なんか異世界にあったっけ? ないよな? 待って。マジでわかんねぇ。
「シュイン!!!」
またスキルとかなんとか表示された時の音が流れる。
«貴方は今2×××年に居ます。異世界という名の未来に»
存在しています。ここを降りて左に曲がt…………»
(なんか、こいつよく喋るな)
そう思いながら、俺は指定の体育館に向かっていった。
……という俺であったが、このスキルのおかげで人生イージーモードに、なっていくという未来を生涯童貞だった俺が想像出来る訳もなかった……
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