ドラゴンと戯れる
どうも。更新遅くてごめんなさいね
「ほいほいほいほい!!」
ドラゴンが俺に向けてブレスを放つ。身体の色に負けず劣らずの真っ赤な真紅のブレスだ。
だが、当たらない。オレには当たらない。ブレスの余波すら届かぬ位置まで一瞬で移動する。
レベルが上がったからもしかしたら直撃しても大したことは無いかもしれない。
だが……怖いよな?自分の視界が真っ赤に染まったらノーダメージでもお漏らししちゃうかもしれない、というかしそう。
……ドラゴンは俺を見失ったようだ。ドラゴンは大きくて俺は小さいのだから見失うのは仕方ないと思うが、俺がそれだけ高速で動けている証拠でもある。
そして見失うというのは戦闘において大変な隙を晒していることと同義だ。足に力を籠め、力強く大地を蹴る!!
空を飛ぶ。いや、空を跳ぶ。俺は勢いよく空へと舞い上がり、宙に浮かぶドラゴンすら下にいる所まで昇った。
「ははは!!」
思わず笑ってしまう。俺が元の世界にいた時にこんな映像を見せられたら、まず間違いなく動画の加工を疑うだろう。
だが、今の俺にはそれを可能にする力があるのだということを実感する。
もっとも、この世界には今の俺なんかよりももっと強い奴がいるかもしれないので、調子に乗ることはできない。そう俺はこれから先、今よりもっと強くなるのだ。
これから繰り出す一撃は、俺がここより高みへ向かうための一撃。つまり今の俺に出せる最高打点!!さぁドラゴンよ受けてみろ!
「グギャオ!?」
どうやら今更俺が自分の遥か上に存在していることに気が付いたらしい。慌てて制空権を取り返すため、そして俺から放たれるであろう攻撃を避けるために移動し始めた。
……だが、遅い。遅すぎる。もう少し早く気づいていれば、もっと速く移動できれば。そんなイフに意味はない。
あるのは俺の一撃をその身体に受けたという結果のみ!!くらえ!!
「破天の踵落とし」
圧倒的なレベルによる暴力的なまでのステータス。そこに凄まじい回転と落下の勢いを合わせることで火力を高め、そのすべてを己が踵に集中させる。
俺の踵は見事にドラゴンの背中を捉え……そして爆散した。勿論俺の身体が……ではない、ドラゴンの身体が……だ。
ドラゴンは悲鳴を上げることすらできず、この世から血のいっぺんに限るまで消失してしまった。
……俺はどうやらヒト型破壊兵器になってしまったようだ。
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