プロローグ的な感じ〜何やら凄いやつが居るらしい〜
前回からなんですが、章設定してみました。まぁ、特に何も変わらないんですけどね。
たんこぶを頭に作ってから数日。俺は何とか元の生活に戻ることに成功していた。
それもこれも姐さんの上手い口回しのお蔭である。俺なんかなんど口が滑りそうになったか。
俺が隠して欲しいとお願いしたのになんだか申し訳なかった。
まぁ、そんなこんなで俺は銅級冒険者としてやっている訳だが、今日も今日とてなんだか冒険者ギルドがざわざわとしていた。
これは俺のイベントレーダーが唸りを上げている。確実に何か起こったに違いない。
前と同じく先輩に尋ねる。……ところで俺は情報が遅れているんだろうか。何かいっつもみんながざわざわしてる所から気付くんだよな。
「先輩。何かあったんですか?」
「おお、新人か。今日は別に悪い事じゃないぞ。そこは安心していい」
まず一安心。平和が一番、ピースフルだ。では一体何があったんだろうか。
「それがよ、なんでかは知らないが今日この街に勇者がやってくるらしいんだ。ホントなんでだろうな?別にこの街に珍しいものなんてなにも無いのにな」
ゆ、勇者ああぁぁぁぁぁァぁぁ!!!???
勇者ってあの勇者!?優しくて強くてイケメンでハーレムを持ってるってあの!?……いやほとんど偏見だけどね。
「あぁ、その勇者だ。世界を滅ぼそうとしている魔族とその王、魔王を倒すために着実に実力を上げてるって噂だが、今どんだけ強いんだろうな?」
魔王もいるんだ……。世界滅ぼそうとしてるんだ……。というか勇者君ハーレムでウハハなんだ……。やっぱりこの世界恐ろしいな!
もしかしてこの前の巨大スライムも魔族とかの仕業だったりして!!……ありえそう、超ありえそう。というかガチでその通りな気がしてきた。
「魔王と勇者ってそんなにいるモノなんですか?」
俺が読んだ小説では二種類ある。勇者はその世界に一人しかいなくて、人類みんながその人に協力するタイプ。
そしてもう一つは、勇者は複数人いて真の勇者になるために切磋琢磨してるタイプ。こっちだったら弱小勇者とかが居たりすると思うんだが……?
「そりゃお前、勇者も魔王も一人に決まってるだろうが。そんなに何人もいたら俺もなっとるわ!!がっはっはっは!!」
そりゃまぁ、確かに。ともかく勇者は一人しかいないのか。なら尚更どんな顔してるのか一目見てみたいな……ん?なんかさっきよりざわざわしてきたな。
「お、どうやら勇者が来たみたいだぞ、新人。勇者は鍛錬と資金稼ぎのために冒険者ギルドに来るらしいからな」
そ、それを早く言ってよ!?勇者君、RPG系の例に漏れず資金繰りが厳しいのか。という事は合法的に、しかも自然に勇者君の顔を拝むことが出来るな。
さぁ、勇者君。イケメン具合には厳しい俺のチェックを潜り抜けられるかな?
「冒険者の皆様、失礼します」
金髪で目立つ格好をした男と三人の女が冒険者ギルドの中に入ってきた。
……あ、ああぁ……。
「お、おい、大丈夫か新人?」
………………………………………い、イケメンだ。イケメンだぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!!
あと少しで百ポイント行きそう……凄いぞ……大台が目の前に……。