表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/21

異世界は怖い

作品のタイトルが安っぽい気がしてならないこの頃。

「異世界怖いよドラゴン怖いよどうしよう」


 ドラゴンが外に居る→外に出たくなくなる→引き篭るといった感じで生きてますササキです。


 ドラゴンを見た瞬間、勝てるビジョンどころか見つかった際に逃げ切れるビジョンが見えなかった。


 だから、外に出るのは食べ物を探す最低限にして、このまま一生この洞窟に引き篭って居たいのだが……それはいけない。


 こんなに怖い異世界とは言え、異世界は異世界だ。ロマンの塊なのだ。この機会を洞窟に引き篭ることで逃したら、全世界の異世界転移ファンにお叱りを受けてしまうだろうし、何よりその一員として俺が許せない。


 なので……。


「俺!復活!!」


 ぶるぶる震えているのはここまでにして、今は出来ること、即ち洞窟の奥を探索してみることにしよう。立ち直りは早めに。これが俺のモットーなり。


 と言ってもそんなにこの洞窟は奥が深そうではないんだよな。だってほら、もう一番奥の壁に到着ぅぅぅぅぅ!?


「危な!?」


 良く見たら、壁のすぐ前にめちゃくちゃでかい穴が空いていた。少し覗いてみるが、全く奥が見えない。


 コレ、あれだ。落ちたら何故か生き残って、その先で死ぬほど苦しい思いをした後にめちゃくちゃ強くなる穴だ。俺の勘がそう囁いてる。


 まぁ、落ちるつもりないけど。フラグでもないけど。俺に死ぬほどつらいことが耐えられるとは到底思えないからな。


 ……何もないな。この洞窟、穴以外何もない。じゃあ、あれだな。もう後はスキルを試してみるぐらいしかないな。というわけで……。


「分裂!!」


 どうやって使うか分からないので取り敢えず叫んでみおろろろろ???


 視界が二つになった。少し離れたところにもう一人の俺が居るのが見える。……あれ?


「「どっちの俺が本物なんだ???」」


 俺が二人いる。見えてる景色も二つだしもう一人の俺が同じことを考えているのも分かる。だったら本物は二人いてだけど本物は一人しかいないはずで俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が?????


「「解除!!」」


 なんだかものすごく怖くなってしまって思わず解除と叫んだ。するともう一人の俺は消え、俺はたった一人となった。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


 これは……あれだな。無理だ。きつすぎる。自己同一性って言うのか?自分が個人として、俺として生きている的な実感が薄れて良く分からなくなって死ぬかと思った。


 これを活かすのはかなり難しいと言わざるを得ないな。レベルが上がれば何とかなるか?あくまでも希望的観測だが。


 つまり今は無理だということなので、お腹もすいてきたし、ドラゴンにバレないように外に出食べ物でも探しに……ん?


『プルプル!!』


 その時、突然地面からぶよぶよしたゼリーの塊みたいなものが出現した。……まさにちょうど俺が踏み出そうとした足の下に。


 グチャッ!


 何とも世界というのは儚きもので、ゼリー体はつぶれて消えた。


 踏みつぶしてから思いつくのは何とも言えないことだが、今の絶対スライムだよな。異世界でいないとおかしいテンプレモンスターランキングに常に上位に君臨している圧倒的弱者ことスライム君。


「あ!」


 ということは偶然ながら俺はモンスターを倒したと言えるんじゃないか?……ステータス!!


 名前:ササキ


 レベル2


 スキル『分裂』


 うおおおおぉ!!レベルが!レベルが上がってるぜ親分!!もうこれ最強って言っても過言じゃないよね?……はい、過言ですよね。


 とにかく!!これで証明がなされた。レベルを上げる条件はモンスターを倒せば良いということだ。


 ……という事は?ふふふ、ちょーっと思いついちゃったねぇ。

主人公は少し残念キャラです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ