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ごぶごぶ!!ごぶごぶごぶごぶ!!!

ごぶごぶ

「ごぶごぶ!!!ごぶごぶごぶ!!!!!」

「ごぶー!!ごぶごぶごぶ!!!」

「ごぶごぶごぶ!!ごぶー!!!」

「ごっぶごっぶごぶー!!」

「「ごぶごぶごぶ!!!!」」


 ごぶごぶごぶ……じゃなかった。俺は依頼を受けて森に一人でやってきたわけだが、受けた依頼とはズバリゴブリン退治だ。


 ここにきて分かったことは、ズバリ!ゴブリンは『ごぶごぶ』と喋る!ということだ。

 ドラゴンは別に『ドラドラ!』と言わないし、俺が前に戦ったリスも『リスリス!』とは言わない。


 なのにゴブリンは『ごぶごぶ』と喋る。……何か面白いな。神様が面白がってそうした説を唱えよう。



 閑話休題、最初、取り敢えずコミュニケーションを取ってみようと俺も『ごぶごぶ』言ってみたが、なんか良く分からないままに戦闘モードになってしまった。


 ……なぜそんなことをしたのかって?それは小説によってはゴブリンが見た目が悪いだけの善良な妖精だったりするからだ。まぁ、今回に関しては完全にワルゴブリンだったわけだが。


 見た目も、凶悪そうな面構えに人より少し小さいくらいの緑の身体。見た目もやってることも悪いのなら全く遠慮する必要はないな。心の中のリトルササキもそう言ってる。


「ごぶごぶ!!」


 ゴブリンは一匹。事前の情報収集では複数で居る事が多いとされていたが、俺の目の前に居るゴブリンは一匹だけだ。


 はぐれてしまったのか、はたまた孤高の一匹狼(ゴブリン)なのかは分からないが、これはチャンスである。


 ゴブリンはその手に持つ、その辺の木から強引にちぎり取ったとしか思えないような棍棒……とも言えない様な枝を振りまわし、俺に近付いてくる。


 仮にその攻撃が頭にクリーンヒットしたら一般市民は下手すると死んでしまうかもしれない……が、その攻撃はお世辞にも強いとは言えない。


 まぁ、こうして油断した新人が、調子に乗ってゴブリンの群れにでも挑んでしまい死んでしまうのだろう。

 数は力で、下手な攻撃も数ありゃ当たってしまうのだから。


「よいしょ」

「ごぶ!?」


 だが、レベルはその全てを否定する。ゴブリンの攻撃をしっかりと己の手のひらで掴んでみる。


 まったく痛みも無く、腕が痺れることも無く、余裕で掴むことが出来た。

 やはり力も上がっているし、耐久力も上がっている。


「それ!」


 そして、ゴブリンの命を奪う一撃……前のドラゴンのように粉々になって消滅することがない程度の力で殴る。


「うーん、ちょっと強すぎたか」


 しかし力加減が上手くいかず、ゴブリンの肉体がちょっと全年齢対象の小説では書けません!みたいな状態になってしまった。


 が、ゴブリンは素材となる部分が無く、数だけが多くて村などを滅ぼしかねないというその特徴のみで討伐対象となっているモンスターだ。


 要は倒したゴブリンを持ち帰る必要はなく、討伐を証明する為の右耳さえ持ち帰ればいいらしい。

 なのでこのミスによって俺の安宿生活が保てなくなるということは無い。安心だ。



 ……さて、右耳は取った。もう数匹はぐれゴブリン居ないかな。群れは新人の俺が倒せるわけが無い(という事になっているので出来れば挑みたくない)からな。


 はぐれゴブリンは俺の夜ご飯と朝ごはんを豪華にするために犠牲になってもらうぜ!!

ごぶごぶごぶ(ササキは力を見せ付けすぎて周りの人に怖がられてしまうことを恐れています)

ごぶごぶ(力を持つものが迫害されるのを、ササキは小説の中ではありますが、沢山見てきました)

ごぶごぶ(なので当事者になった場合それを恐れるのは仕方の無いことです)


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