異世界に来て付きたい職業ナンバーワン
どもども。某マスターとサーヴァントが協力して世界を救うゲームが大好きな公爵蜘蛛です。私の読者様にも好きな人がいらっしゃるといいですね。
「すごい!すごいぞ!」
門番さんのお情けで門を潜り、街を見渡す。……素晴らしい。俺が想像する異世界の街そのままの形で存在している。ファンタジー!!
しかも!文明はある程度発達しているのか、糞尿が地面や路地裏に落ちているということもなさそうだ。良い街だ!!
……門番にそれを話すと、大変変な顔で見られることになった。
「……お前、本当にとんでもない田舎から出てきたんだな。今時そんな街聞いたことねぇよ」
なんかますます勘違いというか、不憫な目で見られる頻度が増えてる気がする。まぁ、そう思われた方が俺にとって有利になるので、特に弁明はしないが。
「お、見えたぞ。あれがお前の労働場所、冒険者ギルドだ」
剣や槍、そして弓に杖といったTHE!ファンタジーと言いたくなる装備をした男女がたくさんごった返している建物がある。これが冒険者ギルド。……。(感動で言葉が出ない)
「先ずはこの中に入って説明を聞いてこい。困ったら俺の名前、ルイスを出せばいい。じゃあな。俺は家に帰る」
そう言い放って門番さん……いや、ルイスさんは帰っていった。カッコイイ。これが出来る漢の背中か。気遣いまでできるとか天才すぎる。
「そうだ、お金を稼いだらちゃんと銅貨十枚払えよ!!」
……しっかりしてるなぁ。
☆☆☆☆☆
「ようこそ、冒険者ギルドマール支部へ。本日はどのような御用でしょうか」
受付嬢さんに話しかけると、こう返された。ここの街、マールって名前だったんだ。今更知ったわ。平和そうでいい名前だな。
そして俺が冒険者志望であることを伝えると、説明を受けることになった。
「冒険者には活躍に応じて位が設けられており、ダメダメ、まぁまぁ、凄い、チョー凄いがあります」
ほぇ!?そんな階級!?今から俺、『俺はダメダメ級冒険者だ』とか名乗っちゃうわけ!?そんなかっこ悪いことある!?
「というのは冗談で、本当は下から順に銅、銀、金、白金となっています。ササキ様はそれに従って銅級から始まるわけです。よろしいでしょうか」
焦った~。お茶目な受付嬢さんだが、本当に冗談で良かった良かった。安心したわ。
「そして銅級では主に下級モンスターの盗伐や、役に立つものを採取、もしくは街の中で受ける雑用といったものが主となっています」
やっぱり何でも屋って感じか。戦えなくても一応稼げはするんだな。
「説明は以上です。細かい疑問点などは気づいた時点でどんどん質問してくださって構いません。後々になってから『知らなかった』と言って揉め事になるのは御免ですからね」
なるほど。それは道理だな。俺も疑問に思ったことはジャンジャン質問するとしよう。聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥だからな。
「という訳でようこそ、冒険者の世界へ!我々は貴方を悪事を働かぬ限り歓迎します」
ここから俺の!!冒険者人生が始まる!!……勿論悪いことはやらない方針で!!
異世界に来て冒険者にならないなんてありえないですからね。ササキ君が冒険者になるのも当然なのです




