表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/12

7.悪役令嬢とデートをすることになった。

 土曜日の都内はあいも変わらず人だらけだ。そのなかの何人がオタクなんだろうなぁと思いながら駅を歩く。今日俺はとある用事で池袋に来ている。



「あらあら、あなたは初対面の女性をお茶に誘えるほどの魅力があるとおもっているのかしら? もう一度義務教育を受けたほうがいいんじゃない?」

「なんだと、てめえ!!」



 うわぁ……まじであそこにつっこむのかよ、嫌だなぁ。俺は待ち合わせのいけふくろうの前でガラの悪い男と揉めている黒薔薇をみつけ、すっごいテンションが下がった。でもまあ、ほうっておくわけないはいかないよなぁ。



「黒薔薇ー待った? 早く行かないと映画がはじまっちゃうぜ」

「おはよう、大地。何を言ってるの? 今日は映画じゃなくてショッピングでしょう? 頭大丈夫?」

「色々察してぇぇぇぇーー!! そんなんだから友達いねーんだよ」

「おい、ちょっと!!」

「うっさいわね、私はいないんじゃなくて作らないの!!」



 男が呼び止めてきたが俺は無理やり黒薔薇の手をとってを連れて歩く。何で待ち合わせと同時に面倒な事に巻き込まれなければ行けないんだよ……俺は少し息を切らしながら黒薔薇に文句を言った。



「お前はなんなの? 罵倒を吐かないと生きていけない悲しい生き物なの?」

「ごめんなさい……いきなり声をかけられて失礼な事をいわれたから……」



 そう言って黒薔薇は申し訳なさそうに謝った。あれ、素直に謝った!? ちょっと意外だなぁと思ったが今までも口は悪いけど理不尽な事は言ってないんだよなぁ。基本的には買い言葉に売り言葉に買い言葉を返しているだけだし……理不尽なのは姉と言う暴君の方がよっぽどだ。



「何か今日おしゃれじゃない?」

「だって……その……久々に誰かと出かけるから色々頑張ってみたのよ……どうかしら?」



 心なしか、うきうきした表情で聞いてくる黒薔薇はとても可愛らしい。これがラブコメだったら主人公落ちるんじゃない? 俺も黒薔薇が二次元のキャラだったら惚れてたかもしれないね。

 学校の私服とは違い、レースあのるワンピースに派手になりすぎないアクセサリー、口さえ開かなければ清純正統派ヒロインになれそうである。



「似合ってるよ、やっぱり顔だけはいいよな、黒薔薇って」

「あんたはさえない恰好ね。私の横を歩けるのを光栄に思いなさい、ゴミが!!」



 あれぇぇぇーー? 一気に清純正統派ヒロインから悪役令嬢になっちゃった。黒薔薇はそういうと冷たい目で睨んだ後に先に歩いて行ってしまった。選択肢間違えたかな。

 俺はそうして黒薔薇と一緒に池袋の街へでかけるようになったのだった。そして俺はなぜ黒薔薇とショッピングをすることになったかを思い出すのであった。






                 ---------------





「大地ー、今度の日曜に黒薔薇ちゃんと池袋に行きなさい。話は通しておいたから」

「え、待って聞いてないんだけど?」



 初耳だよ? 俺は思わず聞き返す。なんで勝手に俺の休日の予定がきまってしまうんだ? 今日は一日中ソシャゲをする予定だったのに……



「せっかく女の子とデートする機会を作ってあげたんだからそのチャンスを活かしなさいよ」

「いや、別に頼んでないんだけど……それに俺にはメルトちゃんが……」



 俺の言葉に姉さんは特大の溜息をついていった。



「あのね、大地……二次元嫁とは結婚できなのよ」



 姉さんが真面目な顔で真面目なトーンでそんなことを言いやがった。わかってるわ、そんなことは!! てか、大学生にもなって彼氏も作らないでコスプレやっているやつに言われたくねーよ。このままでは結婚もせず一生コスプレしてそうで怖い。春兄がもらってくれないかなぁ……



「あんた今失礼なこと思ったでしょ」

「ナンノコトデスカ」



 さすが姉さん俺の考えていることがわかるようだ。あきらかに不機嫌になった姉さんに新たな無理難題を押し付けられないうちに話を進めることにした。



「それで、黒薔薇と何をしに行けって言うのさ、まさか本当にデートじゃないよな?」

「まさか、黒薔薇ちゃんにコス用品のおススメの店を案内してあげて欲しいのよ。あんたくわしいでしょ」

「はーい、わかりました。本格的にはじめるんだなぁ。黒薔薇」



 詳しくなったのは姉さんが俺をパシリにしてるからだけどね。まあ、おつりとかをおこづかいでもらえるからいいんだけどさ。

 俺は入部したときに無理やり全員と交換させられた連絡先から黒薔薇を見つけ出し待ち合わせの詳細を決めることにした。





                    --------------




「とりあえず買うものはウィッグとカラコンでいいのか?」

「ええ、衣装は美琴さんが作ってくれるらしいから……あ、あとはコスプレ用の化粧用品もみたいわ。お願いできるかしら」

「おっけー。了解、大体ルート決まったぞ」



 待ち合わせをすませた俺達はサンシャイン通りのロッテリアで軽食に手を付けながら今日の予定を決める。



「今日はありがとう、せっかくの休日なのに……お礼とはいってはなんだけどここは私がおごるわ」

「いや、いいよ。俺も買いたいものあったしな」

「そう……じゃあ、代わりに同人誌でもおごりましょうか?」

「いらねえよ!? お礼ならもっと違うもんにしてくれない?」

「だってあんたが好きなものわからないんですもの。催眠術系でいいんでしょ? それとも令呪でなんたらってやつのがいいかしら?」

「俺の性癖がばれてるぅぅぅぅ!!」



 どこの世界に女子に同人誌をおごってもらうやつがいるんだよ。あほか。しかし目の前のお嬢様はお礼無しでは納得できないのか、不満そうな顔をしている。



「まあ、何か困った時助けてくれよ、お互い様って感じでさ」

「わかったわ。三千院の名にかけて誓いましょう。具体的言うとスポンサーになっている企業のグッズとかなら裏ルートで入手できるし、コンサートも特等席よ。あとはマジで気に喰わないやつがいたら転校させられるわ」

「お礼が重いぃぃぃぃ!! この程度の事で名前に誓わないでくれる!?」



 そうして俺達は池袋の街を歩く、池袋で有名なのは乙女ロードだろう、BL系の漫画や同人誌などが売っているイメージが強いと思うが、そこの一角にコスプレ用品も売っているのである。しかも池袋の街自体で一か月に何回かコスプレイベントをやっているのでコスプレをしていない人もコスプレイヤーをみたことがあるのではないかと思う。池袋の街を歩いていた俺はやがて5階建ての建物の前についた。



「ここがそうなのね……」


 黒薔薇がゴクリと生唾を飲んでドアノブに手をかける。その顔はまるで婚約破棄をされそうな悪役令嬢のように緊張している。




「行くぞー」

「え、ちょっと待ちなさいよ、まだこころの準備が……」

「そんなんいらねーよ、単なる店だ、店!!」



 もちろん俺はそんな葛藤に付き合う気はないのでさっさと押し込んだ。不満そうな顔をしている黒薔薇だったが、店内に入ると途端に目を輝かせた。



「大地、あれをみて鬼〇の刃の衣装があるわ!! あっちにはコード〇アスよ!!」

「あー、そうだね。よかったね」



 黒薔薇は普段のクールな表情を崩し、まるで子供の様にはしゃいでいる。初めて見る光景で興奮しているんだろう。意外な一面をみた俺は動画を撮ろうと思い、スマホを構え……がしっと掴まれた。顔を真っ赤にしてこちらを睨みつけている。



「その……今のは忘れなさい」

「あんな顔もするんだな。まるで子供のようで可愛かったぞ」

「くっ、うるさいわね、私は冷酷非道な悪役令嬢よ。口には気をつけなさい」



 自分で悪役令嬢って言っちゃった。結構面白いな、こいつ。



「なあ、お前実は悪役令嬢ってあだ名案外気に入ってるの?」

「う……その……他人にいわれるのはむかつくけど、自分で言うのは物語の悪役みたいでちょっとテンションあがるのよね」

「はあ、そっすか」



 俺は微笑ましいものをみるような目で黒薔薇をみる。まあ、そうだよな。コスプレなんぞする時点で大なり小なり厨二病だよな。



「うっさいわね 『鈍感クソ野郎』」

「まて、俺はそのあだ名嫌ってるんだけど!! てか誰だよ、それ言いだしたやつ!! じっくり話をききたいんだけど!!」

「すいません、店内では静かにしていただきますか?」

『すいませんでした』



 あきれた顔の店員さんに俺達は誤る羽目になるのであった。


デート回です。池袋ってオタク系の店多くて好きなんですよね。

あとはコス用品とかも無茶苦茶売ってます。



おもしろいなって思ったらブクマや評価、感想いただけると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ