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1.学校で有名な毒舌『悪役令嬢』と呼ばれる美少女のコスプレ姿を目撃してしまったんだけど!!

 まずい……忘れ物をした。帰宅途中に姉さんから借りていた漫画を部室に置きっぱなしにしていたことに気づいてあわてて学校に戻っていた。あの人の事だ、今日返すという約束を破ったら代わりにどんな無理難題を押し付けられるかわからない……

 俺は悲しい未来を想像して少し陰鬱な気分になる。弟たるもの姉という暴君の圧政には耐えなければいけないのだ

 黒薔薇のやつには今日は部活には顔出さないって言っちゃったから、誰もいないかもしれない。鍵は彼女が持っているからなぁ……万が一彼女が帰っていたら職員室に行かなければならない。めんどくさ。

 放課後ということもあり、静かな学校の廊下を駆け足で進み、部室に到着した俺はノックもせずに扉を開いた。

 俺はこの時の判断を後悔することになる。もしも俺がラインで黒薔薇に部室に行くことを伝えていれば未来は変わっただろう。もしも俺が扉を開く前にノックをしていれば未来は変わったのだろう。でも俺には過去を変える力もなければ死に戻りもないだから考えても無駄な事である。



 扉を開けると窓から差す夕焼けにの中部室には一人の銀髪の少女がいた。現代では考えられない白いドレスのような不思議な服に、エルフ耳、普通の人間ではありえない瞳の色。俺は一瞬彼女に見惚れたのだ。その姿はまるで神話やおとぎ話に出てくる妖精のようだった。その姿は本当に神秘的でまるでファンタジー小説に出てきそうなシーンである。

 その少女は神秘的な空気を纏いながらこちらを振り向いた。そして俺に気づくと、端正な顔を歪ませ俺の顔を、まるで信じられないものをみるかのように目を見開いた。



「なっ、なんであんたがここにいるのよ、大地!!」

「え……もしかして黒薔薇か!?」



 俺は神秘的な少女が同じ部活の生徒だという事にてんぱってしまった。いや、そりゃそうだよな。妖精なんて令和になった現代にいるはずねーよ。でもさ、部室をあけたらいきなり銀髪のエルフの恰好をした同級生がいるんだぜ、どう反応すればいいかわからねーよ。なんでこいつ部室でコスプレしてんだよ、頭おかしーんじゃねーか?

 少女は……黒薔薇は露出の高い胸元を隠しながら恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。その姿は元から整った姿と相まって悔しいけど可愛いと思ってしまった。



「その……黙って見てないで、なんとかいいなさいよ……やっぱり変かしら」

「えっと、確かに似合っているけど、リゼ〇のエミ〇アはもっと胸でかいからパットいれようぜ」



 彼女の一言に俺は素直すぎる感想を述べる。確かに顔はいいから似合ってるけどさ。なんか惜しいんだよな。メイクもいつもとあまり変わらないしね……あと衣装のサイズ合ってないよね。多分中古品なのかな? 裾直しとかもした方がいいと思うんだよな。俺の言葉に彼女はなぜか顔をうつむき無言でプルプルと震えている。



「言い残すことはそれだけね……」

 


 俺の言葉に黙っていた彼女は顔をあげると、不気味なくらい優しい笑顔でそういった。あれ? こいつのこんな満面の笑み、出会って半年くらいだけど初めてみたんだけど……あれ、もしかして俺なんかやっちゃいました? ゾクっと俺は体全体に悪寒を感じた。



「しねぇぇぇぇ!!」

「にぎゃーーーー」



 一瞬間をおいて、憤怒の表情になった黒薔薇が回し蹴りを放つ。ああ、そんな恰好で足を広げたらまずいだろ、現にスカート? の奥から一瞬黒いものがみえ…俺は腹に入った蹴りと共に激痛を感じ吹っ飛ばされた。さすがに理不尽じゃない?

 こうして俺の『悪役令嬢と呼ばれる美少女がコスプレをしている姿をみたら道ずれに俺もコスプレをすることになった』物語が始まるのであった。俺と彼女の関係は少しさかのぼりながら説明することにしよう。あ、死に戻りではないからね。




もう一つの趣味のコスプレを題材に小説を書いてみました。

二話目は夕方に投稿します。三話で一区切りします。プロローグ追加いたしました。



面白いな、続きが気になるなって思ったらブクマや評価、感想いただけると嬉しいです。




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