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異世界に来てしまったようです。③



「最後まで残っちゃったね」



クラスの中心人物の一人の神崎裕人。こいつは他のグループの誘いも有ったはずなのに何故か最後まで残っていた。姫島が体育会系なら神崎は文科系の中心人物だ。



「クックックッ。とうとう僕の時代がやって来た」



一人の男子生徒が立ち上がっだ。



「さぁ、かかって来い異世界!僕の英雄伝説の始まりだ!」



みんなが呆気にとられポカンとその男子生徒のを見る。

オタク眼鏡。俺が勝手に思っているだけだが、間違っていないはずだ。



「さ…さて、俺たちはどうしようか?」


「やっぱり、ジャングルに入らないといけないの?」



ちょいデブ女子が不安げに言う。



「まぁ、そうだね。異世界だから助けが来る事はないし、待っても仕方ない。一番の問題は食料と水かな。海はあんな事が有ったからね。流石に近付けない。危ないとは思うけどジャングルを探せ食料は何かあるかもしれない。だけど、水が確保でいない。無茶してでもジャングルを抜けて、街に行けば食料や水も何とかなるかもしれない。」


「でも、ジャングル超えたら街があるかもわからないよね」


「そうだね。ないかも知れない。でも、ここに居ても野垂れ死ぬだけだと思う。だから姫島君も体力がまだあるうちに出発したんだと思う。」



丁寧な説明。流石に優等生だ。



「みんなそれで大丈夫かな?」



みんながコクリと頷いた。



「神屋君もそれで大丈夫?」


「ああ。だが、一つ聞いていいか?」


「何だい?」


「お前ら、名前なんだっけ」



全員が驚いた言葉を失い。

そう、俺こと神屋律はクラスメイトの名前を誰一人覚えていないのだ。


一瞬沈黙したが、一人ずつ自己紹介してくれた。


文科系優等生、神崎裕人。オタク眼鏡、藤田博史。ちょいデブ女子、林佳子。泣き虫ぶりっ子女子、早乙女美玲。本人はぶりっ子しているつもりは無いらしい。透かしぼっち女子、如月早月。

あだ名は全て俺が勝手につけたものだ。


早乙女がずっと泣いていたので、落ち着いたことを確認して、俺達は神崎を先頭にジャングルへと入って行った。


見通しのきかないジャングル。蒸し暑く、歩き難い道無き道を草木を掻き分け、進んで行く。空腹で足取りが重い。得体の知れない生き物の鳴き声なに怯えながら進む。



「…怖いよ……。」



早乙女は声を震わせ目に涙を貯める。身体に葉が当たるだけでも反応する。

みんなは空腹でお腹が痛い。喉も乾き、慰める余裕なかった。

そのな時、何かの音が聞こえてくる。



「なんだこの音?」



耳をすませると俺は水の流れる音だった。



「水の音?!」


「近くに川があるのかも」



俺たちは早足で音のする方へ向かった。

音はどんどん大きくなり。草木の隙間からキラキラと光が見えた。川から反射する光。みんなそれに飛びつこうとした。



「ちょっと待って!!」



神崎が慌てて引き止める。



「何?」



物陰から川の方を伺うと、何かいた。



「え?何あれ?」



背丈は一メートル程で、緑色の肌に長い耳。腰には剣を持ち軽い防具を着ている。



「あれはゴブリンだな」



藤田は眼鏡を指で上げ、自信満々に言う。



「あの腰の…本物だよね」



早乙女がゴブリンの剣を指差した。



「だろうね。仕方ないけど、ここは諦めるしかないね」


「そんな!」


「ゴブリンなんて弱いんだから何とかなるって」


「そうかも知れないけど、俺たちは武器を持って居ないし、相手は剣を持ってる。流石に危ないよ」



だが、みんなはすでに空腹で喉もカラカラ。これ以上飲まず食わずはマズイ。



「待ってろ」



俺は立ち上がり、物陰を飛び出した。



「神屋くん!!」



俺は低い姿勢で、鋭く、素早く、ゴブリン目掛けて走る。

ゴブリンが気づいた時には俺はゴブリンの背中を取っていた。

クビに腕を回し、締め上げ、もがく暇を与えず、首の骨をへし折った。

グキッと音を立て、ゴブリンは動かなくなった。



「…すごい」


「…死んだの?」


「首の骨を折った。もう動けないはずだ」


「何かやってたの?」


「格闘技少しかじってるだけだ」



俺達は川の占領に成功した。

皆んな、安全かも分からない川の水に顔を付け、ゴクゴクと飲み出した。



「生き返る!」



俺達は少しの休息を取った。

男女別で川で水浴びをし、纏わりつくベタつく汗を洗い流した。

汚れた服を洗い、火を起こし乾かす。その間、川で魚を捕まえだが、二匹がやっとだった。

日が暮れ、川で野宿。謎の生物の鳴き声で、深い眠りにつけやしない。

対して休めないまま夜が明ける。


俺は神崎にゴブリンが持っていた剣を渡した。



「僕が持つの?」


「ああ」


「神屋君の方が良くないかい?」


「俺は前を歩きたくない」


「ああ、そう言うこと」



神崎は俺の意図を理解した。

まぁ、遠回しに前を歩けと行っていんのだ。



「いや、俺が持とう」



藤田が少し偉ぶった口調で言う。このオタクは単純に剣を持ちたいのだろう。



「そうかい。じゃあ頼めるかなあ」



そうして藤田を先頭に俺たちは歩き出した。

だが、長くは持たなかった。筋力が足りず、すごい大振りで剣を振り回し、なかなか前に進まない。



「ねぇ、あんたじゃ無理。神崎君と変わって」


「だ、大丈夫。僕に任せて」



得意分野で普段大人しい奴かいきなり調子に乗る。

そんな奴がたまにいるが、今の藤田がまさにそれだ。



「別に心配してるんじゃ無くて変われって言ってるの」



如月が冷たく辛辣にいい、藤田渋々神崎と変わった。

神崎が前を歩くようになって、進むスピードが一気に上がった。


それから数時間、ようやくジャングルを抜け、俺達は街にたどり着いた。

中世くらいの時代感。アニメや漫画で見る雰囲気と一緒なのか藤田は目を輝かせて、街並みを眺める。

だが、俺たちは空腹でそれどころではない。



「何か食べ物…」



空腹の俺達は、食べ物屋らしき店で足が止まった。

見たことがない食べ物だが、いい匂いが立ち込める。自然と腹かなり、よだれが溢れる。



「ちょっと待ってろ」



俺は小物を売っている店へ向かい、ゴブリンから盗んだとある牙売ってきた。



「これでいくつ買える」



俺達売れた金で買えるだけと食料を買った。

何かわからない生き物の肉の串焼き。今の俺達は、どんなものかでも美味しいと感じるだろう。



「お金どうしたの?」


「ゴブリンから取った何かの牙を売ってきた」


「そんな事してたんだ」



みんなは串焼きを人目をはばかることなく貪り食った。

俺達は店の人に色々と話を聞いた。色々と遠回しに聞いたが、俺達が今知りたいのは、一文無しの人間が金を稼ぐ方法だ。

オタク眼鏡は、「元の世界の知識を使って金を稼げばいい」と言うが、そもそも商売するのにも頭金が必要だ。

そして、俺みたいなのが金を稼ぐには冒険者になるしか無いらしい。


俺達早速ギルドへ向かった。

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