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爆縮と体温の機知(6)

鬼人

要となる物を

抜き取られた人間は

形の無い物に縋り歩く

欲望を陰に流しながら

真っ赤な皮膚を曝け出す

鬼になる

舌の色が真っ黒になる

空気を溶かして

反転させている


片目に見るそれは

轟々と流れる風の音で

捕らえられない

風を見ている

黒い風を見ている

真ん中が分からず

空間が避けていく

木が避ける

獣が避ける

水が避ける

生きる刃物のように

裂いていく


静かな空き地も

賑やかな繁華街も

あれに揺れ動かされ

多数のレンズが向く

目と目に呼応し

喜ぶかのように

淡々と増える

言葉は効かない

心も効かない

散乱しながら

次を次と

絡めて行き

中心が増殖する


台風は過ぎ去るが

あれは変わらないものだ

一定の弱さから

下にはならない

練り歩くだけならいいが

練り感染るのだ

貼り付けては

身を焼き

涙を搾り尽くし

汗を強奪し

最後は

己の位置が消える

中心が空っぽの個体


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