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オープニングストーリー

中盤はものすごく見たことがある展開が……

 真っ白な、何も無い空間に。


「…………」


 そこに一人の、無骨な片手剣を持った少年が目を瞑っていた。


 皆纏う服はただの学生服であり、その無骨な剣が似合うような人物では無い。

 しかし、多くの人間がその様子を見れば不思議と様になっていると感じることだろう。


 そして、次の瞬間。


 その真っ白な空間に幾本もの閃光が走った。

 さらにそれは、全てが剣を持つ少年の元へと一直線に突き進んで行く。


 絶体絶命。


 もうほんの一秒も満たないうちにその光は少年を貫くだろうことが予想される中で、その渦中にある少年はスッと目を開けると──ニヤリと笑った。


 少年はその右手に持つ片手剣を閃かせると、真っ先に飛んできていた閃光を上段から斬り裂き、ついでやってきた背後にあるものもそのままの勢いで身体を捻り、下段から斬り上げて防ぐ。


 そしてさらにそこから驚くほどの勢いで、しかし滑らかに剣を操り、わずか一秒にも満たないうちにやってきた計58本の光を防いでいた。


 それはあまりにも驚異的なことのはずだが、しかし少年はなんてこと無いかのように、ただ淡々と、そして楽しそうに言った。


「──次」


 ◇◆◇◆◇


 時刻は午前六時ほど。


 ベッドの上で一人の少年が、フィインという音が鳴っているいかにも電子機器なヘッドギアを装着した状態で寝転んでいた。


 しかし、すぐにそのヘッドギアから音が遠のいていき、すぐに無音状態になると、少年は起き上がって、頭についていたヘッドギアを外す。


 その少年は黒髪黒目のちょっと前髪が長くて目が隠れることと、普通にしていれば十分モテそうな顔立ちをしていること以外は、一見なんてことのない少年だ。


 しかしその少年には秘密がある。


(あれからそれなりに時間がたったな……)


 少年はふとそんなことを考えながら自分の部屋を出る。


 少年の名前は真皇路(しんのうじ) 十理(とおり)と言い。今年の春に中学三年生となった。

 今は五月で、いわゆる受験生という時期であるが、十理は特にそのことを意識することもなく最初の一月を過ごしていたといった感じだ。


 もちろんこの時期の中学生が明確に受験を意識すること自体が残念なことにまれであるため、十理のこの反応はある意味で言えば普通なのかもしれないが、そうでは無い。


 十理は落ちると思っていないのだ。しかもそれは根拠のない自信などではなく、ただ厳然とした事実としてそう認識している。

 理由はこの十理がチートキャラであるから。別に中二病な発言をしているわけではない。断じてない。


 なぜなら十理はわずか3歳で高校での全教科の勉強を終えて、すでにセンター試験も余裕で毎年満点を取れるような力を持っている。

 さらにいえば中学に入ってからは全てのテストで満点を取り、授業態度も至って真面目、運動神経も良く人柄もよしというパーフェクトさを誇っており、本人は知らないが「学校で彼氏にしたい人ナンバーワン」を三年連続で取り続けているような人物だ。


 このことについては十理としては特に自慢するものでもないし、自分にはそれができる能力があるのだから当然であろうぐらいの感情だ。

 そして、それができるならそれに向かって邁進するという程度の認識でしかない。

 別に自分の「左腕がああぁぁ!!」的な発想は十理には無い。そもそも十理は右利きである。


 それに、スペックとしてはある理由から特別高い十理だが、本人が送っている生活などごく普通だ。

 その例として、部屋を出た十理はここ10年ほど趣味及びガチでやってきた料理なども楽しくてこなしているし、その後は日課のランニングをして、途中近所に住む犬を飼っている人物と談笑したりといった感じである。完全な爽やか中学生だ。


 そんな、ここ最近は全てが満ち足りてきているような気さえする十理が今ハマっているのはフルダイブVRゲームだ。


 このゲームは十理が12の時に出てきたものであり、すでに幾本ものタイトルがほぼ同時期に発売されるなどがあって、今やゲーム世界はフルダイブVR一色だ。

 最初は軍用、医療用としてゲームになる前から長い間仮想世界についての研究がなされていることも、現在のゲームのクオリティの高さに繋がっており、そういうことからも人気は未だ急上昇中なのである。


 そんなフルダイブVRゲームだが、現在人気のタイトルは王道ファンタジー型とFPS型のMMOである。

 最初の王道ファンタジー型は文字通り剣を操る爽快感と魔法を使うことができることから人気で、FPSの方はミリタリー好きや銃火器が大好きな人間が実物を仮想とはいえ実際に扱えるというのが人気の理由である。


 他にもサイバー系やグロテスクなもの、変わり種なども存在しているが、基本的には先にあげた二つが大人気なのは変わらない。


 事実、十理もどちらも大好きでありかなり暴れまわってそっちの世界では既に有名プレイヤーの1人だ。

それがまたこの仮想現実を日常としたこの時代では憧れや尊敬、そして好意を集める要因になっているのだが、本人はひたすら目の前のゲームを楽しんでいるために気がついていない。


 ちなみに、毎朝一番に十理がやるのが一人用の閃光を切り裂くゲームで、いつも自分の反応速度を確認するために行なっている。

 毎朝ゲームをやることから、どれくらい十理がハマっているのか理解できるだろう。


 そんな、物凄くリアルもヴァーチャルも充実している十理だが、そんな十理が今楽しみで仕方がないものがある。


 それは《エアライズ・オンライン》というタイトルのゲームで、《空を疾る》が売りのファンタジータイプのゲームだ。

 現在のゲームは手のひらを揃えた状態で腕を前に伸ばすというモーションと発声言語による認識によって魔法を発動することが出来るというのが主流であるのだが、無詠唱などの脳内だけでの命令機構を実現する技術が現在のフルダイブ技術には存在していない。


 そのため空を飛ぶ技術というものを未だ実現できておらず、飛行機や戦闘機型のゲームなどでは空を飛べることは出来たが、身ひとつで空を自由に動き回ることはできていなかった。


 そんな空を身ひとつで縦横無尽に動き回ることが出来るゲームが《エアライズ・オンライン》なのだ。


 今日はそのゲームの正式サービス開始の日であり、休日である今日、十理は12時からすぐにログインしてゲームを始める予定なのである。


 ランニングを終えた十理はすぐにシャワーを浴びるともう一度朝食を作る。

 もちろん自分のためではなく、この家に住むもう一人の住人のためだ。


 十理の両親はすでに交通事故で他界している。十理がわずか五歳の時だ。

 その時は十理が一緒にいたわけでは無かったので、何もできずにいたことを後悔してただただ泣いた。

 後にも先にも十理が泣いたのはその一回だけである。


 そんな十理を引き取ってくれたのが歳がわずか5歳しか違わない20歳の叔母である真皇路(しんのうじ) 愛璃(あいり)

 自称ヒキニートである彼女は実は、十理がこの世界に来るきっかけとなったライトノベルというジャンルの挿絵を主に担当しているイラストレーターだ。

 江口道臣(えぐちみちとみ)という名前らしいのだが、ネット内では別の読み方の方が主流らしい愛璃はしかし非常に人気らしく、それなりの収入が入ってきている。


 なぜ収入の話を知っているのかといえば十理が家計簿をつけているからだ。

 つまり十理は家事担当であり、家計もしっかり把握しているため、ヒキニートでは無いことはバレバレであり、何より毎度のごとく愛璃の部屋を掃除しているのは十理なのだから、本人は働いていないと豪語しているが、気づかないはずがない。


 愛璃自身にもなぜこの年齢で十理の叔母に当たるのかなどなど事情があるのだが、そんなことは関係なく十理にとって、祖父母も死んでしまった今となっては唯一無二の大切な家族である。


「おはよー」

「もう10時だけどね。朝食は出来てるから」

「ありがとー」


 そんな愛璃が眠そうに起きて来るタイミングで彼女の朝食を用意し終えて、シャワーを浴びた時に起動していた洗濯機から洗濯物を取り出してそれを干すと、すぐに愛璃の部屋の掃除に入る。


 その後は愛璃が食べ終えた食事の食器を洗って、また掃除に入り、これで大抵11時半くらいに粗方の家事を終えると自分の部屋へと戻って行く。


 中学三年生にしてすでに主夫の貫禄がある十理だが、本人としてはむしろこんな日常が、本当に素晴らしいものに感じていた。


(唯一心配なのは愛璃さんがいつ結婚するのだろうかということだけど……)


 愛璃はニートでは無いが引きこもりではある。

 もちろん引きこもりながら仕事をしているし、たまにサイン会などで家を開けることもあるから真性のヒッキーでは無いが、それでも基本的には家を出ない。


 本人いわく「この家で絵を描いているのが好きだから」ということなのであまり強く言えない十理は婚期が遅れないかちょっと心配しているのは本人には秘密だ。


「さて、やっとだな……」


 その後、一応といった感じで《エアライズ・オンライン》のゲーム説明書を読みながら時間を潰すと、12時ちょうどより5秒ほど前に、このゲーム専用の、感覚をよりリアルにするための補助器具がヘッドギアについているのを確認した後、それを装着して寝転がり、意識を仮想の現実へと埋没させるのだった。


 ◇◆◇◆◇


 意識が仮想世界の中で覚醒した十理は目の前にある自分のアカウント番号とパスワードを入力して、アカウント名《Tenri》──『テンリ』と書かれているのを確認するとゲームを開始した。


 景色が一瞬にして変わるとそこは、ファンタジー系の定番である噴水が中央にある大きな広場にやって来ていた。

 今もドンドンと多くの人間がログインしてきているようで、一秒ごとにとんでもない量でプレイヤーたちが増えていき、周りを覆い尽くしていく。


 そんな場所で空を眺めながら十理ならぬ、初期装備を纏った本人と顔立ちの全く違うテンリは呟いた。


「また、空を疾ることができるな」


 テンリは興奮を抑えきれずに思わずニヤリと笑ってしまう。


 テンリとしては本当はすぐにでも武器などを眺めて次の街に行きたいと思っていたのだが、今日はオープニングセレモニーがあるとかどうとかで、この始まりの街から出ることは出来ないように設定されている。

時間になれば強制的に今、テンリがいる噴水のある広間に強制転移がされるとのことだったので、その間までテンリは行動を開始する。


 このゲームはレベル制だが、実はかなりハードな内容になっている。


 というのも、このゲームではレベル上昇によってこのゲーム世界においての自分の命のポイントと言えるHPと魔法を使うために消費するMP、さらには物理攻撃力と物理防御力、魔法攻撃力に魔法防御力以外のパラーメタが存在しないのだ。


 つまり、レベルが上がっても死ににくくなるだけであって、プレイヤーのスピードやテクニックは一切システムによるアシストがなされないということである。


 一応、《アビリティ》なるシステムアシストがついた必殺技があるにはあるが、それは必殺技であるから隙も大きくなりがちであるため、実際の戦闘においてはむしろ《アビリティ》よりもその人物のプレイヤースキルが必須である。


 さらにはこの《エアライズ・オンライン》においてのオリジナルとなる『空を疾る』ための《エアステップ機能》などは完全にプレイヤー頼みのところがあり、頑張っても一生出来ない人もいるとの噂があるほどの高難度。


 むしろそれが人気を集めていたりもするが、のんびりやりたい人にはかなり厳しいゲームであるため、このゲームには他のゲームでそれなりに名の通った人間が多くいるとの噂がある。

 事実テンリが参加できたβテストではかなり有名なプレイヤーもいたのを確認している。


 そんな中で一定の強さを手に入れるためには先にこの街でやるべきことがあるのだ。


 テンリはプレイヤーとプレイヤーの間を縫うようにして移動。

 そのまま広場を出ると人通りの少ない道へと入っていく。


「どうやらここまではあまり人が来ていないみたいだな」


 まあ誰かとの待ち合わせなどもあるのだろうとテンリは納得して移動して行く。

 ちなみにテンリに待ち合わせをするような友人はいない。

 そもそもテンリのプレイヤースキルは他を圧倒するほどの規格外さを誇っており、テンリとやっても他のメンバーは楽しく無い場合が多いのだ。

 それゆえ、自然とソロでの活動が多くなっている。


 ……ちなみにリアルでも友人はいないが、これはかなりの部分で嫉妬ややっかみ、あるいは十理を別格と扱ってしまったりして気後れするなどの原因があるのだが、本人としてはここ最近は合っていないが暦とした親友がいるのでそこまで気にしていない。

 ……そういうのを人はぼっちというのだが、本人が気にしていないのでいいのだろう。


 そんなテンリがしばらくそれなりの速度で走って行くと、すぐに街の外周近くまでやってきた。


 その中の、一つのなんの変哲も無い家の中に入ると、そこには誰もおらず、代わりに地下へと繋がる階段がある。

 現実では完全に不法侵入であるが、そんなことを気にせずテンリは地下への階段を降りて行き、そのまま突き当たりまで長い通路を通って行くと、頭上から滝のようなものか降ってきていた。


「ふむ、《地下の滝》は普通に健在みたいだな」


 テンリはその様子がβテストの時と同様であることに安堵して、すぐに行動を開始した。


 まずこの《地下の滝》だが、実は《噴水広場》と呼ばれるログインした時に最初にいた場所の真下にある隠れスポットで、滝となっている水は噴水の水の一部が落ちてきているという設定になっている。


 そんな《地下の滝》には特殊なイベントが隠されている。

しかも、かなり度胸のいるイベントだ。


 テンリはそのイベントを早々に終えるために、まず滝の下にできている湖の縁まで全速力で走り、走り高跳びのように助走を全て上への推進力へと変えて跳躍した。


 さらに空中にてもう一度、最初のジャンプ程ではないが大きく跳躍、この世界の醍醐味である《エアステップ》を難なく行って滝の周りを上に上に跳躍して行く。


 《地下の滝》のイベントは度胸試しのようなものだ。


 テンリがものすごい高さへと跳んでいくこの《エアステップ》というのは実はレベルに合わせて回数制限があり、今回の滝の頂上はわずか三回しか《エアステップ》を行えないレベル1での回数にかなり厳しい高さにある。

 もし到着できなかった場合は高所からの落下でダメージを負ってしまい、簡単に死んでしまう恐ろしい面もあり、なおかつ1日1回しか出来なくて、さらにレベル1でしか参加できないというビックリするような縛りがあるのだ。


 そんな発見されながらもほとんどの人間がクリアできなかったこのイベントをあっさりとクリアしたテンリハ頂上に光を放つのを確認した。


 その光のある場所の足場に到達して見てみると、先ほどの光を放つ水色の水晶があった。


 テンリはそれに迷いなく触れると、瞬間大きく光り輝いて、気がつけばテンリの手には一本のバスターソードが装備されていた。


「よし、《始まりの剣》ゲット!」


 この剣は所持者のレベルやその他の要因によって、3回と回数制限はあるものの、鍛治を行えばそのレベルから5レベルほど上位の武器になるという優れものだ。

 そう、この場所は序盤をカバーしてくれる有能な武器を手に入れるためのものだったのだ。


 まあ、実際のところはそこまで長く使うことが出来るものでは無いため、ちょっと豪華な初期装備程度のものだが、テンリとしてはおそらくβテスターの中でも自分の能力に自信のある人たちなら大抵がここを訪れるだろうと推測している。


 ちなみにこの水晶だが、実はスキルと呼ばれる魔法や武器の扱いなどに関して決定する、技能とも呼べるものによって出現する武器が異なっている。


 例えば武器装備に関してだが、剣を装備したいなら《剣装備》は必要だし、槍を装備したいなら《槍装備》が必要だ。

 他にも防具として鎧を装備するためには《鎧装備》が必要など、レベルによって選べるスキルの数が制限されているこのゲームではこのスキルの選択は重要である。


 今テンリは武器に関して《剣装備》を選択しているためにバスターソードが出現したが、この《剣装備》を使い続けることによって上昇する熟練度と呼ばれる概念を上昇させていけば派生として《片手剣装備》や《両手剣装備》などに変化して行き、この時に《始まりの剣》を鍛えればそれぞれの剣に適した大きさ、種類になるのだ。


 そんな便利な剣を獲得した満足感に浸っていると、突然足元が輝き始めた。


「お? もしかしてオープニングセレモニーが始まるのかな?」


 さてさてどうなることやらと、テンリは楽しみにしながら光に包まれるのだった。


 ──この後まさかの展開が待っていることなど、露程も想像せずに。


 ◇◆◇◆◇


「戻ってきたか……」


 テンリは目を開けると、ログインしたときにいた《噴水広場》にやって来ていた。

 他にも多くのプレイヤーたちがやってきており、もうすぐオープニングセレモニーが始まろうとしているのがはっきりとわかる感じである。


 そんな風に周りを確認しながら様子を見守っていると、どうやら全プレイヤーがそろったようで、転送の光が収まった。


 そしてあたりが暗くなると、パンパカパーンッというふざけた音のあとに、プレイヤーそれぞれにメールが送られてきた。


 すべてのプレイヤーたちが、戸惑いながらもそのメールを読み始める。

 メールにはこう書かれてあった。


『《エアライズ・オンライン》のお楽しみ中の皆さま。おめでとうございます!


 ────あなた方はデスゲームに参加することが決定しました。』

「…………は?」


 誰かがそういうのが聞こえた。

 あとにはこうも続いている。


『皆様はこのゲームがクリアされるまでログアウトすることができません。

 また、強制的に誰かが頭から外すと死にます。

 さらに、このゲームで死んだらリアルでも死にます。

 理由はあなた方にこのゲームを始めていただくにあたって装着していただいたあの器具が、実は脳をチンするために必要な電力を持っており、尚且つ機器のリミッターを解除してしまうものもあるからです』


 テンリはここまで読んで理解した。

 これはデスゲームだと。

 すでに周りではホーム画面からログアウトボタンがなくなっているのを確認しているようで、そのことからもテンリはこれが冗談とか夢とかではなく現実であると理解した。


 そんな現実を理解したテンリの第一声は──



「──それじゃあ俺を殺せねえよ」



 である。


 別に頭が狂っておかしなことを言っているわけではない。


 事実として、たとえ脳をチンされたとしても、テンリにはまるで意味がないのだ。


 周りでは出れない事やこのゲームで死ねば本当に死んでしまうという事態に驚いているが、そんなもの十理には恐れるようなものではないのだ。

 個人的に困ることと言えば「愛璃さん大丈夫かな? ご飯とか洗濯物とか、ちゃんと家事をやってくれるだろうか?」と言った感じである。

 実に暢気なものだ。


 なぜこんなにも暢気なのか。


 それは、テンリこと真皇路 十理が、




 ────異世界で魔王をやっていたからである。


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