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84話

連続更新2日目!でも3日目は無いです。残念っ!

 「ふぅ、これで七つ目……あと少しッ!」


 こんにちは、アイリです。ジャンヌ・ダルクの皆さんと別れ、現在冬闇の雫を得るべく該当フィールドの林にやってきております。そこで採取や収集をしているのですが、該当アイテムを所持しているリバースツリークの数が少ないこと……。

 夜間のプレイはお肌に悪いので出来ないから、どうしても日中の敵の活動が激しい時に相手せざるを得ません。

 朝から昼までのプレイで四つは入手できたのですが、午後から再開したら対象モンスターを探す方に時間がかかり難航しているという訳。結局、集落での滞在二日目の今日は冬闇の雫を七つしか得ることはできませんでした。



 翌日、ログインして林へ。早朝はやはりリバースツリークが多く見受けられました。どうやら早朝の方が遭遇率が高いみたい。数を倒せたおかげでクエスト目標の十個収集を早期に達成できたのですが、終わったのはまだ日が昇って間もない時間。

 せめて昼過ぎまでは……と、林に出現する他のモンスターも交戦しつつ皆のレベル上げに精を出す。


 「あら?これは?」


 林に出現するレアモンスターの《ビッグフロストディアー》。

 ノーマルモンスターであるアイスディアーのボス的存在であるシカのモンスターから得られるレアドロップの《エゾシカの高級足肉》という物。なぜここでエゾシカなのかすごく疑問が湧き起こりますがまあ気にしないでください。あっ、一応言っておきますけど闇の領域でも肉系のドロップアイテムはレアなんですからね。

 光の領域では三十体も敵を倒せばレアアイテムが一つくらいは手に入りますが、こちらでは五十倒して一つ手に入ればいい方。しかも出現率の低いレアモンスターからのレアドロップなんて言ってみればすっごいレアだってこと。


 説明によると《珍しい鹿が落とす肉。タンパク質と脂身がバランスよく含まれた大型肉食獣たちの大好物》となっていました。

 お肉なんだから肉食獣の大好物であることなんて至極当然じゃないの?と思いつつ説明のウィンドウを閉じた。


 「ふーん、お肉ねぇ……エルドニアワームの肉もだけどせっかく手に入れても使い道がないよね。いくらレアでも今更コウガ達に食べさせてもなぁ……」


 ビッグフロストディアのモンスターランクは進化組と同じく3なのですがレベルが28程度しかなく、すでにほぼ同じレベルになって来ている皆に食べさせても多くの経験は得られそうにない。なお、アイスディアーはレベル43なのだけどランクの差の関係で強さは明らかにビッグフロストディアーの方が上。


 「それに調理加工もできないしね」


 コウガ達は加工した料理の方が好みになっている為、こちらの方が大きな理由となってるのだけど……。


 「まあ取っておくだけとっておこうかな」


 肉好きなイリス達も残念そうな顔をしているが、調理をしてほしいので仲間にした時ほどわがままを言わないのである。うちの子たちの舌が肥えちゃって御主人としてはすごく困るわ~。でも可愛いから許す!(これ大事)


 その後も狩りをつづけ、鹿肉をそれなりの数を入手できた。でもエゾシカの高級足肉はあれ1つだけだったりする。

 他の素材としては毛皮だったり、鹿の角だったり、氷老樹の枝とかいうリバースツリークのレアドロップだったりが手に入った。まあこの辺の素材はヘリオストスに戻った時に販売するなりしようと思う。


 とはいえ、さすがにアイテムボックスがいっぱいになってきました。


 なんだかんだで光の勢力で手に入れた素材がいくつか(オーガの角や皮とかそういったもの)残ってる上、闇の勢力に来てからも狩りの回数が多くドロップ品がたまる。それに加え採取した素材の品質が良い暗闇の山とか、常闇の高原で手に入れた素材もだいぶ残ってる。お金に余裕があるからってため込みすぎたかなぁ。


 うん、そろそろ後先考えずに素材の大放出をしないといけないかもしれない……。光の勢力にいるわけじゃないんだし、良い素材が流通して困るなんてことは無いはずだし!



 集落滞在三日目で一つ目のクエストをクリアできた私は翌日から集落の南西にある氷窟のダンジョンへ向かうことにしました。

 ここでの目的はもちろんクエスト対象である《冬血の純結晶》です。専用のピッケルは多めに買っておきましたから、あとはポイントを見つけてひたすら掘るだけです。


 まあそのポイントを見つけるのが一番難しいのですが。普通の採取可能ポイントならそこを調べればいいんだけど、クエストアイテムを採取採掘する際は、その対象の特徴のある場所を掘らないと手に入らない。


 冬血の純結晶は白い大きな鉱石の塊を見つけ出しそれを崩せば確率で入手できるんだけど、それが果たして氷窟の浅い階層にあるのかどうか……。

 もしピッケルを全部使用しても入手しきれなかった場合、ヘリオストスに戻ってピッケルを購入しないといけなくなるわけですからね。採掘できる人がそう都合よくあらわれるとも思えないし。


 なんて考えていると……



 ポーン!


 《魔獣の卵が孵化可能となりました。孵化させますか? y/n》


 突然のアナウンスが流れ、慌てることになりました。


 「わわっ!あれ?もう孵化できる時間になったんだ。それなら先に孵化させちゃおうかな。クエストに向かうのはいつでもできるし」


 現れた孵化用ウィンドウの y に指を合わせ選択。


 《魔獣の卵を孵化させます。以下の種族からお選びください……》


 むむっ!またしても複数の選択肢があるようです。どんなのがあるかな~?



 《孵化可能種族

 魔粘種

 死霊種(王)

 悪魔種(王)

 魔動機種

 魔獣種

 堕天種(王) 

 魂 種(王)


 以上からお選びください》


 ……ぅん?待って待ってぇ!何かおかしくないこの表示!?

 後ろの(王)がすっごい気になるんですけどっ!?まさかこの卵から(王)がついてるのを選んだら王種が生まれたりするの?まさかのボーナスステージとか?


 ……ま、まさかねぇ。そんな美味しい話があるはずが……で、でもなぁ……。

 そもそもなんで(王)がついているのかもわかんないし!


 とりあえず(王)について調べよう!


 (王) 生まれながらに王の資質を持つものの目安。ただし成長過程によりその資質が強化されるか消滅するかは主次第。王の力の覚醒には最低ランク4の実力が必要。



 なるほどそういう意味なのか~。最初から王種ってわけじゃないのならまあいいかな。

 でもこの(王)付きの4種類のどれかを選んだらその子が成長しランク4で私は強化されるかもしれないんだよね。そう考えるとボーナスなのかなぁ。ぶっちゃけ王種を探して倒すよりは難易度が低そうだし。あーでも、意外と王種を倒すことで王種覚醒条件とかが解除されるとしたら?


 っていうか、それ気にする以前に最後の二種類は聞いた事すらない謎の種族だってばよっ!



 《孵化選択時間残り五分です……時間切れの際は候補の中からランダムで選出されます》


 うわぁっ!いろいろ考えてるうちに制限時間が迫ってるぅ!どッどどっ、どうすれば~。ど、ドラ○もぉ~○!



 って混乱してる場合じゃないよ。運営に報告ぅ!ポチポチポチッ……送信っ……と! これでいろいろバグだった場合、孵化した後でも修正してくれるはずよね!

 って制限時間が残り二分しかなぁいぃ~~!


 せめて二種族の確認だけでも素早く済ませよう!



 堕天種(王) 文字通り落ちた天使。容姿に優れるが戦闘力がすこぶる低い。男女問わず情報収集能力と生産能力に優れる。なおどうやって情報を集めているかは謎。謎ったら謎なの!当然ながら報告の義務があるため主人との会話も可能。【念話】【一目散】【話術(極)】【チョメチョメ(謎)】【生産系ランダムスキル】


 魂 種(王) とある存在の魂。孵化するまでどのような存在の魂であるかは不明だが、魂だけでも存在できるほどの想い(怨念)を持っているため、場合によっては危険を招くことも。ただしそのその想いを沈める(試練をこなす)ことで多大な力を主に与えてくれると言われている。【精神魔法】【即死魔法】【呪殺】【祝福】【補助系ランダムスキル】



 ……ないわー!どっちもいろんな意味で怖すぎるぅ!堕天種の生産能力に優れるとかいう説明とチョm……最後のスキルとかそんな想像を掻き立てるようなスキル使ってほしくなーい!でも念話ってスキルがあれば皆と会話ができる可能性があるって知れたからそこだけは感謝ー!でも選んだりしてあげないんだからねっ!


 そして魂族のスキルが一つを除いて残り全部怖すぎる!しかも主に試練があるとかっ!

 ……あれ?でも待って。魂族ってスキル系がほとんど魔法とか異常系よね?もしかして私なら何とかできるんじゃない?何せ死霊王の魔法もレジスト出来たんだし……やっぱり一考の余地はあるかも。


 他の悪魔種(王)に関しては偶然というかランダムで(王)が付いただけだと思っておこうかな。

 ちなみに悪魔種の王で有名なのはヘリオストスの先にあるヴェルガムという都市を治める吸血王が吸血鬼という悪魔種族だと知られている。



 とにかく、私の場合は今回たまたま偶然それに当たっただけ。そうに違いない。そう思わないとやってられないしっ!


 あと魔動機種というのは魔素に侵された無機物種。要するに闇の勢力域に生息するゴーレムみたいなやつらです。機と書いてるから機械メカ系なのかと思ったら想定外でしたね。

 そういえばその魔動機種のモンスターで《メンヘラーボム》っていう領地持ちのレイドボスのクエストもあったっけ。名前が怖いから行かないよ!……まだね。



 《残り十秒です……孵化する種族を選んでください》


 「あぁ、余計なこと考えてたら時間がっ!あぁっもうっ、決められらなぃ~!」


 《時間切れとなりました。孵化する種族をランダムで決定いたしました》


 「あぁっ!そ、そんな、なんてこと……」


急いでボタンに手を伸ばしたものの、時すでにお寿司……じゃなくて時すでに遅く、ランダムで決定されることとなった。


 私はランダムで決定された結果を確認し、その表情が大変なことになった。

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