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82話

遅れました!

急いで書いたのでいろいろおかしい所があればご指摘よろしくお願いします。デフォルトでおかしいというのは無しで……。

 ルドラを解き放ち、数分。相変らず奥からは野太い悲鳴やドタンバタンという音が聞こえている。いや、やっぱり耳栓してある設定だから聞こえてない。

 


 「くっ、なぜいきなりドラゴンがアジトの中に!」


 そういいながら慌てて私がマッタリしていた部屋?に入って来たのは盗賊団の首領らしき人。禿頭のイカつい体にサングラスをしているヤク○っぽいイメージの人だ。というかこのゲームにサングラスあるんだね。


 ……ふぇ?原因の解明及び回想はどうしたのかって……?も、もちろんしますよ~?目の前の首領の件も含めて全部落ち着いたらだけどさ。



 「だ、だれですかっ!?」


 「んっ?あぁ、アイツらからのタレ込みがあった金持ちの冒険者か。……ふんっ、なるほどな……どうりで部下どもがアンタを巡って目が血走っていたわけだ。こりゃ確かに上物だ。だが俺は女なぞに興味はないんでな」


 ……えっ?女に興味がないだって?てことはもしかしてホ……なお方だったりするんですか。やだぁーこわーい!ていうか血走った目の部下さんも十分に怖いんだけどね。


 「……そうですか。なにもされないんでしたらいいかな」


 「……お前ぇ、この状況でよく目の前の男のいうことを信じられるな?」


 「じゃあやっぱり?」


 「へっへっへ!そのとおりだぁぁ!ドラゴンが居なくなるまでせっかくだからしっかり可愛がってやるぜぇぇ!」


 「あ~れぇ~……」




 てな展開にはなってませんよ?実は入ってきてすぐに私が【覇気】を発動し、それをまともに受けた彼は従順なしもべになってしまったのです。NPC相手でも覇気を使用すればこういう事になるのはすでに検証済みだったりします。

 パーシヴァルさんやイザベラさん、トリビアといった私と交友関係?にある人たちの場合はすでに一緒に行動した実績などで若干耐性らしいものを得ているので、魅了されたりはしているんだろうけどここまで酷くはならないみたい。


 だけど関わりのなかった無関係の住人に対し、覇気を使用すると決まって全員が従順になってしまい、一時的に集落の機能がマヒしたこともある。もちろん解除はすぐにしたけど、それでも一度は魅了されたという後遺症があるのか、以後彼らの私に対する対応が変わってしまったのは後悔すべき内容。

 そのせいで砂漠の集落を歩くと住民さんに囲まれては、やんややんやと意味もなく持て囃されたり、買い物に行くたびに住民さんが後ろからゾロゾロとついてきたり、そりゃもうアイドル的な意味で大変なことになった。


 考えた結果、私のしたことは精神操作とか洗脳と言ったそんな類のものと同じだったんだよね。モンスターに対してそれを使う事に否は無いけど相手が人型だと一応とは言え、やはり抵抗があるものです。


 という反省をしたはずなのに私が彼に覇気を使った理由は簡単。彼が盗賊という悪人であるからだ!

 全ての悪人には鉄槌を!とまで過激に言うつもりはないけど、私自身の身を守るためであれば仕方がないことだと思っている。

 あとはこの魅了能力が他のプレイヤーキャラに与える影響を知りたいところだけど……そこの所どうなんだろうね?プレイヤーキャラまでこんな状態になったらゲーム性を疑わなければならないし、当然運営にも報告しないといけないと思う。



 とまあ、今考えても仕方のない事なので機会があれば試す?的な感じで棚上げをしておきまして盗賊の首領に話を聞く。もちろん内容は先ほどの商人さんや護衛冒険者たちとの関係だ。

 それによると盗賊団と、先ほど仲間だったと思わしき斥候さんにコロコロ(?)された護衛冒険者たちはもともと仲間で彼が商人側に裏切ったから斥候に暗殺させたとか。

 ちなみに商人とそのさらわれた奥さんは無関係なんだって。それじゃあ、この件はさらわれた奥さんとやらを助けてヘリオストスに送り届けたら解決するでしょう。


 うーん……そうなるとルドラを迎えに行った方がいいかな。このままだと奥さんやその他無関係のとらわれた人たちまでルドラに【ジャれ】つかれてしまうね。まあ死ぬことは無いとはいえ、恐怖を与えちゃまずい。


 私はそのまま牢を出てルドラの方へ向かいつつ首領に話を聞いた。それはこの盗賊団が私に目を付けた理由だ。

 成り行きじゃないのかって?それがさ、聞いてみるとイベントだったみたいなの。私が出たヘリオストスの西門の衛兵たちが実はこの闇猫盗賊団の仲間で私が言うがままに大金を支払った為、さらに奪い取ってやろうと盗賊団に連絡したんだって。


 で、その連絡が斥候さんにいき、さらわれた設定の女冒険者に伝えられた。なお死んだ冒険者はその前に裏切っていたので私の事は知らされていない。



 アジト内を歩いているとあちこちにビックンビックンと力尽きた盗賊団が転がっている。ルドラのじゃれつきはすごいからね、予想通り普通の盗賊団じゃ耐えられなかったか。

 倒れている盗賊団の中には複数女性の姿もある。首領に聞いていくとその中に例の女性冒険者もいたらしい。そもそも面識のない私にはどうでもいいことだけど。


 奥に進むにつれて、ルドラの嬉しそうな咆哮が聞こえる。うん、まだ体力の残っている冒険者が居たのか……そう考えながら歩くこと三分。ようやくルドラのいる場所にたどり着くと、そこには……。


 「ひぃ、たっ、助け……ギャー!!」


 先ほどまで一緒だった斥候さんがルドラにハムハムと甘噛みされて絶叫を上げていた。ルドラの甘噛み……じゃなくて、じゃれつかれると体力的なものが数字的なもので言うと1まで減らされて固定されるんだよね。(某モンスターゲームで言うと みねうちとかてかげん みたいな感じ?)


 その後、ぺっと吐き出された斥候さんは体をびくびくと痙攣させながら意識を失った。


 「ギルルッ!ギルルゥ~」


 誰もが倒れた部屋の中を見た後、私を発見し嬉しそうに駆け寄ってくるルドラ。


 「ルドラ、どうだった楽しかったの?」


 「ギルッ!」


 すごく楽しかったらしい。私は笑顔でルドラをかわいがりながらほめまくる。ルドラもすごくうれしそうだ。というか今考えてみるとルドラと二人っきりで行動したことが無いんだよね。いっつもレベル上げだ何だとかで、他の誰かを連れていたから、この際にもっと構い倒しておこうと思う。


 三十分後……遊び疲れたが満足そうなルドラを連れて商人の奥さんたちが捕まっている部屋へ……。私は疲れてないのかって?私が大事な家族と遊ぶことに疲れるはずがないでしょう?むしろ絶好調だよ!

 彼女たちは入って来たルドラに悲鳴を上げていたが、私が説明したことで落ち着きを取り戻す。


 そして首領の案内のもとアジトを脱出。少し面倒だけど彼女たちをヘリオストスに送り届ける事にしました。ついでにこの盗賊団の首領やその仲間の衛兵たちについても報告しておかないといけないし。

 なお、報告先は騎士団や裏切り者が紛れ込んでいた衛兵たちではなく冒険者ギルドである。ギルドの方がこういったことは対処してくれそうな気がするし、何より冒険者としてのポイントが付くのがおいしいからね!



 「ありがとうございました」


 商人とその奥さんにお礼と謝礼(イベント報酬)として《デズモント宝石》という珍しそうなアイテムをもらいました。

 宝石かぁ……。見た目は青くサファイアのようだけど、内部には赤色も見えるので加工されてない状態でも綺麗。

 この宝石の説明によれば《見た目にも美しい宝石で貴族など高貴なものがアクセサリに加工して持つことが多く、その際魅力を引き立てる》とありました。

 まさに私のためのアイテムですね。惜しむらくはアクセサリに加工しないといけないことだけど、早くそう言った知り合いもしくはフレンドがほしいものです。

 とはいえ今の私の行動をしている限りでは生産職の人と知り合えるとは思えませんし、どうしたものかなぁ。


 プレイヤーが開いてる適当な工房を調べて素材などを売り込みつつ、お願いしていくしかないかな?

 それにしても闇の領域でのやりたい事リストがたまってくるものの一向に減る気配はない。

 私が落ち着いたころに何とか一つずつでも消化できるように頑張ろう。この街のどこかにいるイザベラさんとも会いたいし、彼女の仕事柄そういったことを知ってそうだもんね。


 まあ、今はクエストの続きをしないといけないから、考えないようにしよう。



 寄り道をすることになったけど私に役に立ちそうなアイテムが手に入ったんだから良しとして、再度西門を出て大河へ向かい歩き出した。

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