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5話

ブックマークありがとうございます。

ようやくストーリーが進められるところに来ました。

これからものんびりとですが頑張っていこうと思ってますのでよろしくお願いします。


 無機質な音声さんに転送された時に光が発生したので反射的に目を瞑ってしまいました。

 光るなら光るって言っておいて欲しかったですよ……ねぇ?


 とにかくやってまいりました【Eternal Story】、もといエスの世界!


 周りを見ると石やらレンガ造りの家があることから街の中にある大きな広場にでてきたみたい。後ろを振り向くと大きな剣を掲げた剣士の像があります。うーん?噴水とかって女神像じゃないの……小○小僧じゃないだけ良いけど。


 ……ってあれぇ?街から開始するのはおかしいです……。

 私は闇の勢力に属しているからスタートは荒野のはずなんだけどバグかな?


 改めてメニューを開き確かめ、間違いなく闇の勢力に属している事を確認。

 即運営に報告する事も考えたけど、他に何か情報が無いかと探し、見つけた経歴の項目に私がこの街……光の勢力に属する【始まりの街ガイア】からスタートした理由が記載されていた。


 人口の差で押され気味の闇の勢力から一定の力を持つものを光勢力側にスパイとして派遣したというバックストーリーがあったのです。


 その派遣されたのが魔王の資質を持つ私だったと……魔王候補を敵地のスパイに送るってなにそれっ!



 とっ、とりあえず落ち着け私ぃっ!


 あ、メニューの経歴コマンドは自分がした事を振り返ることが出来る日記みたいなもので、自分がどういう行動をしたか振り返るのに役立つコマンドです。使う人は少ないだろうけど。


 とりあえずスパイとして活動中は光の勢力域から脱出できないらしいので暫くここで力をつけるしかないみたい。

 それよりスパイって何をどうやれば良いんだろう。とりあえず仲間を増やす事かな?それとも……。



 転送位置にて考え込んだ私の近くに次々とプレイヤーが転送されてくる。

 彼らは「うおっしゃぁぁ」「キタキタキタァー!!」「オヤジィィィィー」等大声で叫んでいました。


 五月蝿いなぁ。考え事してる時に近くで大声出さないでよね。

 とりあえずここに居たら続けて現れるであろう人たちの声で集中できそうに無いから適当な場所に移動しないと。


 そう考えた私は広場から伸びた道を適当に直進していき、通りに設置されていたベンチに腰掛け、何をするか考える事にしました。私が移動を開始する時に数人のプレイヤーらしき人に指を指された気がしましたけど何か用事でもあったのかな?

 まいっか、すぐに声をかけてこないんだから大した用事じゃないでしょ。



 「えっと、基本どおりならチュートリアルクエストをこなし、個別クエストを請けつつ装備を整えレベル上げよね。だけど私はレベル1から上昇しないし、戦うにも武器スキルも無し、仲間もいない……どうしようもないよね……あれ?もしかして早くも詰んだ?」



 まとめを開始してわずか1分、私は早くも自分がものすごく危険な状態になっている事に気づく。

 今口走ったように、戦闘可能なスキルが皆無(適正魔王なのに)ですから、仲間を増やす為の戦闘も出来るはずが無いよねぇ。


 「こう言う時は、チュートリアルクエストをこなしてから考え直そう!うん、それが良い!」



 問題を先送りにした所で、まずはチュートリアルクエストを受けるべく、メニューの項目からクエスト一覧を呼び出した。本来のクエストはギルドというものに所属しないと受諾できないけど、チュートリアルクエストに限ってはすでに受諾している状態なのだと無機質な音声さんが言ってました。


 【チュートリアル1】:アイテムを使用&装備をしてみよう(難易度1)

 【チュートリアル2】:NPCとの会話&買い物をしてみよう(難易度1)

 【チュートリアル3】:外に出て戦ってみよう(難易度2)

 【チュートリアル4】:ギルドからの依頼を請けてみよう(難易度2)

 【魔王クエスト1】:光勢力のギルドに登録・潜入し新戦力について調べよう(難易度3)

 【魔王クエスト2】:光勢力の内情を調査しよう(難易度4)

 【魔王クエスト3】:手勢を使って光勢力を混乱させよう(難易度5)


 ふむふむ……チュートリアル1~4に魔王クエストが1~3の合計7つね……

 んっ?魔王クエスト?あぁっ、なるほどっ!

 この魔王クエストって言うのをこなす事がスパイ活動云々に繋がるわけですね。大体把握しましたよ。



 けど、このまま魔王クエストを請けても今の私じゃどうしようもないので普通にチュートリアル1~4をこなす事にしました。まずは基本を抑えないとね!チュートリアルって項目どおりのことをこなすだけなんだし。


 まずは【チュートリアル1】:アイテムを使用&装備をしてみよう(難易度1)から。

 騙される人が多いのですが、初期アバターが身につけているものは全て体裁。初期装備となる武器や防具等はアイテムボックスに入ったままになっています。なお武器に関しては武器スキルを所持している場合に限りますけど。


 ちなみにログインしてすぐチュートリアルを受けずに外に出て行くと……


 「ちっくしょお!戦いになったら武器が出てくるのかと思ったのに素手で戦うハメになったじゃねぇか!しかもあげくに殺されたぜー」


 ……こうなります。なのでちゃんと装備をしましょう。先達は言いました、武器・防具はちゃんと装備しないとダメなんだぜ……と。


 とりあえず無様な失敗をしないように、アイテムボックスから初心者の装備3点セット〔上着・半ズボン&レギンス(レギンスは女性キャラにはセットでついてくるが防御力は皆無)と靴〕を取り出し装備しました。


 アイテムの使用に関してはチュートリアル専用ポーションを使用するとクリアの表示が出ました。



 【チュートリアル2】:NPCとの会話&買い物をしてみよう(難易度1)

 チュートリアルを請けると、何処かのお店へ行くようにといくつか矢印が表示される。どうやら矢印は武器屋・防具屋・雑貨屋の3箇所に伸びており、どれを選んでも良いみたい。


 「おっ!おお、おう。ま、マッケンジーの武器屋へようこそ。お嬢さんはなにが欲しいんだい」


 初心者装備をしたことで防具は良い。なら次は武器が欲しいと思い武器屋へ向かった私。

 武器屋に入り、従業員のマッケンジーさん?に話しかけると先ほどのような反応が来たわけ。ちなみにこの時にNPCとの会話をクリアできました。……ところでマッケンジーさんは人の顔を見るなり何でドモッてんのさ?


 「お、お嬢さんの装備できるものかい?な、なら、これなんてどうだい?」


 提示されたのは本・杖・鞭の3種類。後で調べて分かったんですけど、武器スキルを所持していない人がチュートリアルを受けた場合、その人の適正もしくは高いステータスで武器を選んでもらえてたんだって。


 私の場合はCHAとINTの2種類で、CHAのステータスをあげるような装備はアクセサリくらいしかないらしいので、INTを引き合いに出して選ばれたのが本と杖みたい。鞭は調教師の適正から選ばれたのは間違いないよね。調教師のイメージって鞭だもん。


 武器のスキルが無いからどの武器を使っても一緒だしなー。杖と本を使っても魔法使えないから殴るしか出来ないんじゃ宝の持ち腐れだし。

 あまり気が進まないけど、この中で一番物理攻撃力の高い鞭にしておきましょうか。 



 「お、おう。鞭で良いんだな?きっとお嬢さんに似合うぜ。御代はそうだな……割引して60Dダラーでいいぜ」


 ちょっ!似合うって何よ!見た目どおりマッケンジーさんは失礼ですね。グヌヌと睨み付けるとマッケンジーさんはタジタジになっている。


 ……ってあれ?60D?あっ、Dダラーって言うのはエスでのお金の通貨の事ですよ。所期の所持金額は500Dとなっておりますー。

 ってそうじゃなくて武器屋の取り扱い武器一覧を見たときに確認したら鞭は180Dだったはずなんだけど……。


 「何で割引してくれるんですか?」


 思わず聞いていました。マッケンジーさんはこう答えた。


 「年甲斐もネェけどよ。お嬢さんを見てるとなんかサービスしたくなったんだ。俺自身がそうしたいと思っただけだからお嬢さんは気にしないでくれ」


 そんなことで?と聞き返そうとしましたがここで原因に気がつきました。そう、あの称号です。



 口に出したくは無いですけども、気になるあの子・魅惑の美姫・神をも堕としうる美貌の3種類に割引効果がついていました。そのせいで半額以下になったわけですか。時折ドモっているのもきっとこの称号のせいに違いありません。


 ……何か悪い気がしますけどマッケンジーさんが良いって言ってるんだし構わない……よね?

 だってほら私って闇の勢力だし?こう言うことで光勢力の力を削げるかもしれないじゃない?


 そういうことでお言葉に甘えて60Dで鞭を購入させて頂きました!毎度どうもー!(初めてきたけどね)

 勿論装備も忘れずに!



 次に【チュートリアル3】:外に出て戦ってみよう(難易度2)

 武器と防具もとりあえず揃いましたし、戦いに出てみるとしましょう!

 ここで忘れてはいけない事が一つ。私のレベルは上がらない上、攻撃に関するステータスはほとんど1のゴミですので一番弱いモンスター相手にも苦戦もしくは敗北するだろう事。

 ……あぁ、ほんとに私って魔王候補なのかな?魔王って強いイメージしかないのに……はぁ。



 足取りは重いまま私はガイアの街から町の外に出るのだった。

 その後方に数人の人影があることに気付かないまま……。

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