表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/195

55話

約2週間更新を停止しておりました。

理由はネカフェにいけなかったことと、内容が全く思いつかなかったこと。

(特に後者が原因w)


次回掲示板関連を入れてその後に本編っぽいものを一つ二つ入れて、次の章の執筆にかかりたいと思います。なお、次の更新も相変わらず未定です。


 なんせ今回のネカフェではこの一話しかかけなかったから!いつもは3話分くらい上げれたんだけどなぁ。


 のんびりやりますので、気長にお待ちくださると嬉しいです。



 私達の前に再度融合をして現れたコーカサス。

 以前は全体的にカブトムシとかクワガタのような装甲系の体だったけど、今回は蟷螂ベースのスッキリしたスピード重視型っぽい姿となっている。

 多分最初が通常形態……いわゆる防御力高めのバランス寄り、今回のが速度重視の形態なのだと思う。もしかしたらまだ続きがあるのかもしれない……。


 その状態で戦闘が開始され、早10分。

 まず最初に動きが遅くて定位置から離れにくいカエデが、ビッグホーンによる直撃を食らい完全破砕され倒された。カエデは戦闘不能となり、ガイアに戻って復活させないとこれからの闘いに参加することは出来なくなった。


 カエデも個体としてはかなり強く育ってると思ったんだけど、流石に王を名乗るボスの攻撃にはそう何度も耐えれるものじゃなかった。当面は先ほど仲間に加わったルドラを育てて壁役をして貰わないと先々で苦しくなるよね。


 カエデと戦った蜂やセミからそう言った弱点情報の共有でもあったのかもしれない。

 最初にコーカサスと戦った時とは各メンバーに対する動きが全く違ったもん。そうなると個別に戦った他のメンバーも孤立させるとかなり危ないという事になるよね。かといって固まりすぎてても身動きが取れなくなりそうだし難しい所とおもう。


 私もカエデが倒された時は、離れていたので覇気による攻撃キャンセルを行うことが出来なかった。というか、動きが早くて私の目じゃ追えなかったのが本音だったりする。

 まあそれもやっぱり慣れる物らしく、カエデが倒されて暫くしたらそれなりに掴める様になった。だけどもう少し早く、カエデがやられる前に慣れておきたかったよ。


 カエデを倒したコーカサスは続けてイリスやセツナを狙ってくる。相手はそれなりにサポート能力を持つメンバーを優先的に狙ってきてるみたいで、サポートを沈めようと攻撃する間にコウガやクルスの攻撃がきたら、きっちりと避けたり弾いたりする対応をしている。


 その二人を狙ってきてる時は私も学習してるから二人に攻撃が届く前に覇気を発動させて、スキルキャンセルをさせてる。いくら速いと言ってもスキル効果の乗っていないコーカサスの攻撃であれば、不意を討たれない限り二人なら避けれる。

 ……この場合問題になるのは私なんだよね~。回避に必要となるAGIが装備よる補正しかなく、回避するためには常にコーカサスから目を離せない。



 言い方は悪いけど、こちらの誰かが狙われてる間、狙われていないメンバーがコーカサスへ攻撃を仕掛けていく。だけどコーカサスは真空刃や奇声などを使ってこちらの行動を阻害してくるので、攻撃は当たりはするものの致命傷を当てることは出来ていない。私を中心に狙ってこられた場合、どうしてもコウガ達は私を守ろうとしちゃうだろうからそこらへんが心配かな。コーカサスに気付かれないと良いんだけど……。

 まあいくらAIがすごくても初見でいきなり私を集中して狙うってことはない……よね?


 とりあえず個別に戦った時のスキルで攻撃したとしても結構避けられるっぽい。これは多分トンボのスキルだろうね。

 私は直接見てないけどトンボには複眼があって真後ろ以外は大体見えてるらしいから、その特性を利用してるんだと思う。これを理由と考えたのは、ばらけさせられた時の攻撃ログを確認した結果、イリスがトンボに大きな一撃を当てることがほとんど出来ていなかったから。


 まあ他にもあると思うけどそれは今の私には特定できそうもないので、その辺を考慮して皆に指示を出して行こうと思う。ある程度の方向性を指示しておけば、その後はコウガ達なら独自に行動してくれるしね。


 「コウガ・セツナ・クルスは一緒にボスへの攻撃に専念して、イリスはその援護よ!」


 私は皆に指示を出し、共に行動するメンバーを決めていく。ちなみに私はコーカサスの攻撃を覇気で潰す役目である。カエデがいたらあの体に隠れてチマチマと策謀を張り巡らせれたかもだけど、やられちゃったからねぇ。


 セツナが新しい風魔法のブラストアップを使用し、変わらず真空刃などを飛ばして攻撃してくるコーカサスの攻撃をかわしながら三位一体となって突っ込んでいく。

 参考までにブラストアップはエアロアップの強化魔法でエアロアップよりも効果時間と能力上昇幅が多いのが特徴です。


 

 「ジジッ!」


 コーカサスは本気モード?らしく、よく声を出すようになっている。恐らく声を発する事で融合したパーツに指示を与えているんだろうね。

 流れるように突っ込んだコウガ達の攻撃をシュパッシュパッっという音が出そうな勢いでよけていくのが地味にカッコイイ。


 っていけない。ボスの動きに感心してないでうちの子達の応援をしないと!


 私は皆が思い思いに放つスキルをみながら、コーカサスがどれを避けてどれなら食らっても大丈夫なのか判断しているかを見極める事にした。いつも思うんだけど、私に出来る事って覇気での攻撃行動停止アクションキャンセルかこれくらいしかないから仕方ないよね。


 こうなるとやはり攻撃スキルが欲しいよね。せめて装備している鞭系のスキルでもいいから……。ユニークスキルの種に期待です!



 さてさて話を戻しまして結果わかったのは、クルスの土魔法とセツナの氷魔法、コウガの毒撃、イリスの水魔法で攻撃されているときは余裕を見せている。

 逆に威力の高いクルスの銀装蓮砲による砲撃と、コーカサスの俊敏な動きの妨げになるセツナの風魔法、同じ理由で雨を降らせるイリスのタクトマジックはかなり警戒しているらしい。

 物理攻撃に特化しているコウガの攻撃も今の形態では警戒してるっぽいから、やっぱり今のコーカサスの装甲は薄いと判断して良いみたいね。


 今みたいに一斉攻撃をしても避けられるんだからコーカサスの回避能力はかなりすごいと思う。

 点や線での攻撃が避けられちゃうなら面で攻撃するしかない。となると範囲攻撃になるんだけど、肝心の範囲攻撃がコーカサスにとっては食らっても特に問題ないとお墨付きの水魔法と氷魔法なんだよね。

 エアロボムっていう風魔法の範囲攻撃もあるにはあるけど、爆発範囲型だから使い勝手が悪いんだよね……困ったなぁ。

 この魔法を使ってもらっても初弾を避けられたら爆風による範囲効果もほぼ食らわないってことになるもんね。特にボスが素早いとホント無理……。


 でもまあ当たるように仕向ければ良いんだったら何とかなるかな?仲間モンスター同士だとFF(フレンドリファイア)……いわゆる同士討ちにはならないからね。ダメージを食らわないだけで爆風によるノックバックは食らっちゃうんだけどね。


 私は思い付きをすぐにセツナへ指示。コウガやクルスも心得たとばかりにコーカサスを囲い込むようにして追い込んでいく。

 私はさらにそこへイリスを投入。なぜここでイリスなのかと言うと、コーカサスは近くにセツナかイリスがいると潰しにかかろうとする癖があるみたいなのよ。

 よっぽど二人に痛い目にあわされたのかもしれない。ログでどういう行動をとっていたかの想定は付くけど実際に見てたわけじゃないからね。あくまでも想像ですよ?


 案の定イリスが突進からの重打スキルで突っ込んでいくと、コーカサスが反応しイリスを執拗に追い始める。その間もコウガ達が攻撃を仕掛けるが、やはり大半は回避される。

 まあそのおかげでイリスが追いつかれてやられるということもないから良いんです。


 イリスは逃げながらタクトマジックで雨を降らせていく。それを見たコーカサスは焦りの顔を浮かべてさらに速度をあげ、イリスを追う。焦っている状態の時はコウガ達の物理攻撃を避ける素振りも見せないが、どれほどのダメージを受けようとイリスだけを追い続けた。



この結果コーカサスの体力ゲージは3割を切り、そろそろ危険域に入ったところ。

 ここでようやく隙をうかがっていたセツナのエアロボムが発動し直撃、コーカサスは風によるダメージを回避できない範囲攻撃を受け吹き飛ばされる。


 起き上がったコーカサスは我に返り自分の失態に気付き、忌々しそうな顔でイリスを睨みつけている。

 当のイリスもようやく命を懸けた追いかけっこから解放されてスタミナ的なものがやばそうです。……別にスタミナの数値はないんだよ?なんとなくそう思っただけで。


 あの様子じゃイリスは落ち着いて招雷を発動できそうにないね。せっかく雨が降ってるのになぁ。

 コーカサスも空をチラチラと見ながら雷が落ちてこないか警戒している模様。


 今の雨が振っている状況で役に立つのはイリスだけじゃないのよ。今の今まで書き記す事のなかったセツナのスキルをとうとう初公開できます!


 「セツナ!【嵐風】!」


 私の指示にセツナは即座に反応しスキルを発動させる。スキルの効果で現れたのはトルネード。

 【嵐風】のスキルは周囲の状況によって出現する効果が違う。

 砂漠や荒野など乾いた場所ではハリケーン、山や火山などでは竜巻、そして今のように水気のあるフィールドではトルネードが発動する。それぞれが攻撃属性を持っておりその威力もかなり強い。

 だけど、消費魔力が最大値の40%というのがネックで、支援スキルを使うことが多いセツナがこのスキルを使った事などほとんどなかった。まあ消費魔力が多ければ多いほど威力と範囲が広がるんだけどね。


 その巨大な風の渦はセツナの魔力と、イリスの作り上げた上空の魔力を含む雨雲のおかげで大きく発達し、その勢力を拡大させていく。その大きさはボスのフィールド全てを覆い尽くした。


 結果先ほど大きく体力を消耗したコーカサスも逃げる道がなく空に舞い上げられ、ぶつかり合う風の気流によりガリガリとその体力を削られていく。

 自慢だった素早く動く為の翅もハリケーンに巻き上げられた衝撃で破損が目立っている。あの翅の様子では私を感動させた俊敏な動きはもう出来ないだろうね。そう思うと何か残念……。


 トルネードが治まり、コーカサスが上空から落下してくる。まだ体力は残っているみたいで、コーカサスはヨロヨロしながらも必死に起き上がろうとしている。その目はもう攻撃を行ったセツナやイリスなどではなく、その指示を出した私に向いている。

 ……このままじゃ危なそうだから立ち上がる前に勝負を決めるっ!


 「コウガ!【火纏】!」


 ここでボス戦では見せなかったスキルを発動させるとコウガの体が炎に包まれていく。

 その様子を見たコーカサスは大きく驚きの表情だ。その表情が語るのはまさに「火はヤベェ!」に違いない。


 コウガの攻撃を食らうまいと必死に起き上がろうとするも、それは間に合わず……コウガの火纏がコーカサスに直撃する。


 「ジ、ジジッ……ジ……」


 コウガの攻撃はコーカサスの体力を全て削りきった。コーカサスは最後に一声上げ爆散、消滅していった。



 ≪プレイヤー:アイリが、王種モンスターを討伐しダンジョン蟲の巣窟を踏破しました≫


 《個体名コウガのレベルが上昇しました》

 《個体名セツナのレベルが上昇しました》

 《個体名イリスのレベルが上昇しました》

 《個体名クルスのレベルが上昇しました》

 《個体名カエデのレベルが上昇しました》

 《個体名ルドラのレベルが上昇しました》

 《プレイヤー:アイリが王種を倒した事で魔王の資質が開花しました》

 《プレイヤー:アイリの魔王の資質が開花した事で新しいスキルを取得しました【軍勢:獣/魔獣】【軍勢:魔鳥/鳥獣】》

 《プレイヤー:アイリの魔王の資質が開花した事でステータスが一部上昇しました》




 ……oh?なんか一気に無機質な音声さんのコメントがながれてきたんだけどっ?


 ちなみに一番上のアナウンスは全体に通知されるワールドアナウンスで2列目以降のレベル云々に関しては私にだけ流れたものです。


 ……あれっ?やばくない?システム的に魔王として目覚めたのは全然問題ないというか嬉しいけど、配置された初日からダンジョンをクリアした事が皆にバレちゃったよね!

 これって、目立っちゃうかな?あっ、でもプレイヤー名って自己紹介しなかったらバレないはずだから大丈夫だよね。


 ……あっ、だめでした。称号の鑑定してもらった時に自己紹介しちゃってる。

 幾つかの掲示板で既に白銀の獣姫や噂の女神がアイリだってコメントが流れてたもん(なぜかチェック済み、しかもコメント済み……)。



 っと、自己嫌悪はこの辺にして置きまして(現実逃避)……皆のステータスチェックかな?仲間にしたばかりで収納しておいたルドラまでレベルが上がってるのは不思議。もしかしてこれも私の初期設定のせい?

 流石に戦闘に出してない子がレベルアップするのは私が納得いかないから運営に抗議ね。

 私の仲間は私が育ててあげたいもの、こんなタナボタな経験値なんて願い下げよ。


 ……あっ、あと私のステータスもいくつか変わったみたいな音声が流れてたからそっちも確認しないとね。まあ、とりあえずは運営に抗議メールを送っておきましょう……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ