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53話

 《 イリス VS トンボ 》


 ボスフィールドのいたるところでバトルが開始してから数十分。

 地上からの援護が届かない空高くに置いて二つの小さな影がぶつかり合う。一方は空を飛び、鱗がきらめく魚ことイリス、対するはボスのコーカサスから分離した一体であるトンボ。


 空においての二人の戦いは原始的なものだった。お互いに体をぶつけ合ったり、魔法を撃ち合ったり、時には回避すると言う肉と肉、技と技のぶつかり合い。


 イリスは進化してから今までの修行で覚えた魔法スキルやら物理攻撃スキルを駆使し、トンボへ攻撃を仕掛ける。トンボもその四枚の透明な羽を駆使し、イリスの不意を突こうとすばやい空中行動を見せる。


 「コポォー……」


 イリスは戦いながら考えていた。トンボの素早い攻撃は確かに脅威だがそれ以外におかしいところが幾つかあると。

 トンボと体をぶつけ合い打ち勝った時、相手の背中が向いた所でトドメの一撃を放とうとしても、なぜかトンボは背中に目がついているかのようにヒラリと回避してしまう。


 事実イリスには知識が無いので気付かないが、トンボの目は複眼のためイリスの攻撃のほとんどを捉えることが出来る。

 しかしこのトンボは、目に見える全てを避けることができるほど身体能力が高くないことを認識している為、それとは別に今まで培ってきた致命的な一撃を見極める能力によって自分に不利になるような攻撃だけを避けてきたのだ。


 イリスが放つ隙を作るための細かい攻撃は兎も角として、致命的なダメージを与えられると思い、放ったものは基本この能力によって回避される。

 トンボ自身の攻撃はイリスと同じく体当たりと羽音による異音、あとは風魔法を使うくらいで、そこまで強いものは無いが素早い動きと回避能力……そこだけが厄介なのだ。


 戦闘の最中イリスはふと気付く。こうして回避行動をメインにすると言うことはトンボの狙いは戦闘時間をかせぐことなのではないのかな?と。

 ブンブンを羽音を立てながらトンボはもうお仕舞いか、と言わんばかりにイリスの目の前で異音を立て挑発を繰り返していく。


 イリスはその挑発に乗りそうな自分にイライラしながらも必死に考えた。

 トンボが素早い攻撃をするときは決まって羽を大きく羽ばたかせ、羽音が大きくなっている。ならばその羽を動きにくくしてしまえば良いのは無いか。


 そう考えたイリスがとった行動は【タクトマジック】による雨を降らせる効果。おなじみの戦法だが、雨が降れば自分は【水入らず】のスキルで強化されるし、考えどおりに行けばトンボの機動力を下げる事もできる。

 それにこのダンジョンで新しく覚えたスキルは雨が降っていると非常に使いやすいものだったからだ。


 ザアアァッ!


 イリスを中心にした範囲に激しい雨が降り始める。

 タクトマジック自体もレベルアップにより2へ強化されており、雨の降る確率の上昇と新しい能力を得ている。


 イリスの目の前に居るトンボは、この突然の雨に目に見えてうろたえ始めた。

 先ほどまでと違い羽の動きが遅く、飛ぶ速度がガクンと落ちているのが丸分かりだ。


 「コポッ!」


 トンボが状況把握に勤しんでいる間に、イリスは【タクトマジック2】で新しく覚えた魔法【招雷】を詠唱し発動させた。この【招雷】は雨が降っていない時は3分ほどの詠唱時間が必要になるが、雨が降ったり、雷雲などがあると詠唱時間は30秒ほどまで縮められるのだ。

 恐らくだがこの短くなった時間も次以降のタクトマジックのレベルアップにより短縮されていくことになるだろうけど。


 ゴロゴロ……ズガァァン!!


 羽が濡れてしまいフラフラと飛んでいたトンボに雷が落ちる。トンボは悲鳴にならない悲鳴を上げからだからプスプスと煙を立てながら落下していく。


 トンボが消えていない事を確認したイリスは止めを刺すためにトンボを追いかけるが、そこでジジッというセミの声が聞こえ、それと同時に、トンボは何かに引っ張られるようにすごい勢いで飛んでいってしまった。




 ★☆★☆★☆★☆★☆★


 《 セツナ&カエデ VS セミ&蜂 》


 後方からの援護攻撃を得意とするセツナ達は、前衛さながらの威力の高い蜂の攻撃に四苦八苦させられていた。

 トレントであるカエデはその体の大きさから蜂の攻撃を食らい、攻撃によるダメージが精々で状態異常の毒を流しこまれたとしても大きな被害を受けない……がセツナは違う。


 早期に毒を食らってしまってはこの後の戦いに差支えが出てしまうため、蜂の攻撃に注意するあまりカエデと連携を取るようなことはできない。いつもならコウガなりクルスなりがフォローに入ってくれるので、連携まで持っていくのは比較的容易かったが、今回はセツナが全体を把握しカエデに指示を出しつつ戦わないといけない。

 そう言った理由でセツナは蜂と、カエデはセミと其々睨み合ってのこう着状態となっている。


 そもそも、身動きのほとんど取れないカエデが敵の攻撃を避けることなど夢のまた夢なのだがそこらへんは気にしないで良い。



 セミはジジッといいながら飛び回ってはカエデの目の届かない後方に張り付き、何とかセツナと戦っている蜂の攻撃を阻もうとするカエデの攻撃の妨害を行った。


 そんな時間が10分ほど続くとセツナは痺れを切らし【咆哮】スキルで近寄ってきた蜂を弾こうとしたり、色々な手段を用いてどうにかしようとするが、上手くいかず……セツナは状況が動くまで自分の意思で行動を始めた。



 カエデ自身もセツナが少しばかり派手に暴れ始めた所で、これ以上セツナをフォローするように動くのは無理だと判断し、まずは自分の邪魔をするセミを何とかしたいと考える。

 今までの戦闘であればアイリが指示を出してくれたのでその通りに動いていればよかったが、今現在においてカエデとアイリは引き離されており、アイリも戦闘ログを見る以外に他のメンバーが無事に戦えているのか把握するのは難しい状況だ。

 アイリから指示をもらう事もできず、当然セツナからも指示が飛んでこないことからここは自分で判断して攻撃行動を取るしかないと考えていた。


 カエデは今までの闘いから得た情報を整理し、どういったモンスターと戦った時にどの実を作成し、使用していたかを思い出していった。


 その中でカエデが選び出したのは着弾すると少しの熱と煙を出す実。

 これを選んだ理由は森での戦闘時にアイリが良く使うように指示をだしていたから。理由は分からないが一応使うだけ使ってみようと思いそれを当たりに撒き散らす。


 カエデが煙を出す実を撒き散らし始めた時、セツナはこれこそが好機と考えていた。

 セツナは風魔法を使用し、煙を自分たちがいる方向へ流れるように誘導し、蜂と共煙に撒かれていく。


 この行動をしたセツナも覚えていたのだ。アイリが今向かい合っているモノとは別の蜂と戦闘していたときに、熱と煙で撒くようにすると蜂が気絶していた事、そしてその後は動かないモンスターを全員で楽しく狩った事を。


 セツナの予想は当たり、蜂は苦しそうにブンブンと煙の中を動き回るが、風をある程度察知できるセツナのスキルにより煙は尽きることなく蜂を追い続けていく。

 熱と煙に撒かれ、とうとう蜂はその動きを亀のようにノロノロとした様なものにまで落ち、着地していく。


 セツナは相手の位置を正確に把握し、今度は氷魔法の《アイスストーム》を発動し、ほぼ満タン残っていた蜂の体力を危険域まで即座に低下させた。



 「ジジジッ!?」


 攻撃の要であった蜂の体力が大幅に減ったことを知ったセミは、戦闘続行は困難と考え即座に撤退を決める。

 この分裂した虫モンスターの中のリーダーはカブトムシで間違いないが参謀は自分ことセミである事は重々承知していたからこその行動だった。


 蜂以外にも体力が危険なものになっているものが多く、今現在で体力的に無事なのは自分とリーダーであるカブトムシのみで他の四個体は少なからず危険な状態だった。


 「ジジッ!」


 セミは自分のもつスキル【臨戦召集】を発動し、他の個体がやられる前に合体して戦う事を決めた。

物置をあさったらOSがMEのパソコンを発見。


綺麗に掃除をして起動を試みましたが、マザーボードかな?が壊れてるみたいで電源すら入らなかった。

また煙が出ても困るので前のやつと一緒に廃品回収へ……。


あとはタブレットで前半部分を書いたんですけど、タブレット操作しにくい!

やはりデスクトップに慣れ親しんでいるのであぁいう平面タッチパネル?ッぽいのは苦手です。


年末までにはデスクトップを何とか融通したいもんです。

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