51話
今までは3000~6000文字で書いているのですが、当面の更新分は2000~3000文字になると思います。
中途半端なところで切ることも多くなると思いますがご了承ください。
《卵が孵化可能です。次の中から孵すモンスターの種族を選んでください》
こんなログが流れたので、とりあえず確認をしてみる事に。
ボス戦前のやる気ゲージが多少減った気がしないでもないけど、今は卵のほうが大事!私の新たな仲間なんですからね。
〔アイテム名:魔物の卵〕
孵化可能モンスター候補一覧
獣 種
鳥 種
精霊種
虫 種
魚 種
植物種
無機物
魔粘種
爬虫種
意外に孵化の分岐が多いね。黒サソリから貰った卵だから虫系が生まれると思い込んでた私涙目。
でも種族だけだとどういったモンスターが生まれて来るのかわかんないよね。うーん、そうだ。さっきフレンド登録したヒトシに卵を孵化させた事があるか聞いてみよう!
「お?さっきぶり。何か用事なのか?……なんだって?卵を孵化させた事があるかだって?
あるに決まってんじゃん。……あぁなるほど、どういったモンスターが生まれるか聞きたいと?いいぜ、耳をかっぽじって良ーく聞けよ」
ヒトシが孵化させた事がある卵はニ種で獣と精霊を選んだ。獣種を選ぶと猫のキャットスが、精霊を選ぶとピュアエレメントが生まれたとの事。
そしてヒトシの知り合いも同じように卵を孵化させた事があるらしく、他にも鳥種のチュンパー、無機物種のサンドールなどがいることが分かりました。
孵化させたプレイヤーの考察によれば、手に入れた魔物の卵によって誕生する種族は違うかもしれないですが、少なくともこのガイア周辺で手に入る卵からは獣ならキャットス、無機物ならサンドールしか生まれないだろうとの事。
まあ無機物のモンスターが卵から生まれるのが不思議なのは今は置いておこう。そういうものだという事でしょうから。
はぁ……牛・馬・羊といった獣種が生まれるならまだよかったのに寄りにもよって猫ですからねぇ……。あっ、別に猫が嫌ってワケじゃないですよ?
単に魔王になろうとしているものが、犬と猫ばっかり連れてるわけにも行かないでしょ?見た目的な問題です。まあ犬から狼になるくらいだから猫も虎になりそうだけど、それはまた追々ってことで。
猫のモフモフも捨てがたいのでいつかは手に入れたいと思ってる。
あと分からない種類は、虫・魚・植物・魔粘・爬虫の5種類ですか。
あっ、当然のようにさっき情報を知りえた種族は孵化先から外しました。他の人が連れているモンスターを育ててもねぇ?
「それよりだ、アンタの卵の派生先多くねぇか?俺のは獣・鳥・精霊の3種類しか表示されなかったんだぞ?」
「そ、そうなの?」
あぁ、それは多分私の初期能力的なものじゃないかなぁ、と思いつつ言葉を濁す。あまりこう言うことは言いふらしたく無いもんね。
「まあ魚種や爬虫種は卵から生まれる予想はつくから良いとして、なんで魔粘種というかスライムが卵からなんだ……」
たしかにそれは同感だけど、魔粘種がダメなら先に述べた無機物種もおかしいって事に気付こうね。
さっきあげた残りの孵化先だけど、魚はイリスが、植物はカエデが居るからこれも外して良いよね。前者は多分……と言うかほぼ間違いなく、イリスみたいに空を飛べるような魚じゃないだろうし。
候補としては残りの虫・魔粘・爬虫ね。このうち虫と魔粘に関しては手持ちのスキルに【不興】系があるから、ちょっと考え物だよね。あっ、でもあえて仲間にして不興系がどう作用するのか調べるのもアリかな。
うーん、どうしようかなぁ。
「まあ悩むくらいなら候補の中から適当に選べば良いんじゃね?」
た、確かにっ!いつも悩む時間が多いんだもんね。これで虫を選んで黒いアレ(アルファベット7番目)が出たら私どうするんだろう……。
前者以外はどれになっても可愛がれる気持ちはあるんだし、運に任せて選んでみようか!
ヒトシとの会話を切り、孵化可能の卵と向き合う。
候補のどれになるか分からないけど指をその孵化先の上にセットし、目を瞑り、指に力を加えた。
せぇーのっ……ポチッ……。
《魔物の卵は爬虫種:ブルーリザードに進化しました》
「ギシッ!」
卵から孵ったのは、青く硬そうな表皮を持つトカゲ。意外とかっこいいんじゃない?
「爬虫種を選んじゃったかぁ。うん、良いと思う!じゃあ早速名前をつけないとね~」
名前 ルドラ
種族 ブルーリザード♂ 爬虫種ランク1
LV 1(0/30)
スキル
アクティブ 【噛み付き】
パッシブ 【甲殻】【冷気弱点】
強さ
物理能力 17
魔法能力 5
【甲殻】:物理能力が上がる。一撃で死ぬ可能性のある攻撃に耐えることがある。発生率と成功率はレベルに依存する。
【冷気弱点】:氷属性や雪・吹雪の攻撃で大ダメージを食らう。地形環境によるダメージも受けるので注意。
はい名前はルドラです。名前をつけた理由?それは蜥蜴って成長したらアレになるかもしれないでしょ?
魔王様が従えるにふさわしい物語に登場する王者っぽい存在がっ!
で、なかなか良いスキル持ってるじゃない?まあデメリットスキルも持っているけどさ。
攻撃スキルの【噛み付き】に関してはコウガが持っているものと同じだから詳細は省くよ。
まずは【甲殻】。これは念願の防御に優れた盾役になれるスキルだよね!あとはレベルを上げて発動率をあげれば良いんだし、これは当たりじゃないかな?
ヒトシやその知り合いたちも爬虫種の選択肢は出なかったと言う事なので、情報も出回って無いだろうし。育てに育ててからお披露目にした方が良さそう。
代わりにカエデが持つ【火属性弱点】と同じようなものである【冷気弱点】を持っているけど、これも考え方次第で役に立つよね。
一撃死を防ぐんだったら弱点である冷気を食らっても生き残る可能性があるって事だし。
まあ当面はそう言った冷気を使うモンスタートの戦いはさせないようにしないと。そういう意味ではセツナと相性が悪いのかなぁ?
まあ、せっかく孵化したけど、今回のダンジョンボス戦では収納の中でお留守番ですね。
流石に魔王だからって、生まれたばかりのモンスターをボス戦で使ったりしないですよ~。
さてさて、それではルドラのことが落ち着いたところでお待たせしているこのダンジョンの虫系ボス……コーカサスと戦うとしましょう。
私達がボス部屋に入ると、部屋にあった大木からたくさんのカブトムシやクワガタ等を始め、蟷螂など数種類の虫達が飛び出してきて寄り集まっていく。そして次々と合体していくように徐々に巨大化。
次の瞬間、目の前に居たのは蟷螂の頭にカブトムシの角、口元の顎はクワガタっぽくなっている、いわゆる虫種のキメラ。見た目からしてパーティで戦うのが前提の巨体です。
巨大化が治まるとすぐに戦闘開始となり、コーカサスは虫の羽を羽ばたかせ、こちらへ突撃を仕掛けてきた。




