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50話

まだPCが直る(買う)予定が無いので土日の更新は出来たらやるという方向で考えてます。

 私は今、本日実装されたばかりの新ダンジョンで王の称号を持つコーカサスというボスモンスターを討伐する為にやってきております。

 その新ダンジョンに入ってすぐの広場で実体の見え辛いモンスターをたくさん連れた調教師系プレイヤーと、ダンジョンに現れるモンスターの戦闘の場に遭遇しました。


 「モクモンッ!煙幕だっ!」


 私達の目の前にいるプレイヤーがそう叫ぶと連れていたモンスターが煙幕を吐き出していき、辺りが黒く染められていく。

 なんかこうモンスターに指示を出しているのを見ると、あのゲームを思い出しますよね。

 端から見たら私も似たように見えるのでしょうか……。


 「続けて、フレイムショットだ!」


 モクモンと呼ばれたモンスターが炎を吐き出し、その正面に居たモンスターをこんがりと焼き上げ戦闘終了となった。あの炎……見た目以上に威力があるみたいね。


 さて、このモクモンというのはガス状の魔法生物種で、今いるこの新ダンジョンで初登場したモンスターです。それを目の前のプレイヤーは6体も連れてるんですよ。色違いも居るみたいで赤が5体、黄色が1体というメンツ。

 いくら新モンスターでも同じモンスターだけ集めて戦うとか……バカじゃないですか?


 というかこのエスで、同じモンスターを複数仲間にしていくのは徐々に成功率が下がり、大変なはずなのにそれを一日も経たずに6体集めたことを褒めるべきなのかな?まあ私の場合はその制限も解除されてることは言うまでも無いですが。

 それにしては仲間の数が少ないって?よ、余計なお世話ですっ!


 っと思考しているうちに戦闘が終了したらしく、モクモンを連れていたプレイヤーが回復などを済ませ、戻ろうと踵を返した所で私を発見する。そして目が合うと嬉しそうに走り寄って来てこう言った。


 「(今の(ボソッ))俺はモクモントレーナーのヒトシ。アンタ調教師だろ?俺とバトルしようぜッ!」


 まさか私があのゲームと同じ流れで戦いを挑まれるとは思っても居なかったよ。


 まあそういう事でモクモンを6体も連れた調教師のプレイヤー・ヒトシとのモンスターバトルをすることになっちゃいました。


 ……だって目が合ってしまった以上、戦わないといけないでしょ?



 「使用モンスターは三体で一戦毎に交代制で先に2勝したほうが勝ちだ。

 勝った方は負けた方に所持金の3割と手持ちのアイテム……そうだな、今回はイベントアイテムであるスイカの種……をありったけ渡すと言う事でどうだ?」


 「それでいいですよ」


 当初は六対六で希望されたのですが、私が五体しか連れていないと知ると三対三に変更してきました。

 孵化器に入っている卵を戦わせるわけにも行かないしなぁ。あっ、この卵ですけど孵化器に表示されてる残り時間は《孵化まであと1時間》となってたので本当にもうすぐなんですよっ。

 ただ、夕食前に見たときは《孵化まで後3時間》だった。


 今回の表示もそう、残り何分で孵化するとか具体的なことは分からないんです。60分後に孵化するのか、30分後にするのか、それともこのバトル中に孵化するのかドキドキものです……。



 そして私の手持ちのお金は……えっと197万Dダラー程ね、だから3割支払うとなると60万位かな?

 うーん、知らない間にすごく溜まってたんですね。これでも装備の発注とかで大金を消費しているはずなんですけどね~。

 NPCのお店行ったら絶対安くなっちゃうから、そっち方面でお金を使えないので仕方ないけどさ。


 あともう一つの条件であるスイカの種も、先ほど言った通り250個ほどありますので負けるわけには行かない。私としてもこのヒトシがどれだけ持っているか知らないけど、数を集めたい所だしね。



 「俺は勿論、このモクモンで行く。アンタは誰で来るんだ?」


 「そうね……最初はこの子で行くわ。おいでセツナっ!」


 ヒトシがモクモンを前に出し、私は収納に入って休憩していたセツナを呼び出した。

 相手がガス状だから物理は効きにくいはず。なら魔法を使えるセツナで様子を見るのが一番良いに決まってる。ぶっちゃけ、早くボスに行きたいからこんな所で時間を割く気は全く無いですからね。



 「それじゃ、バトルスタートだ!先攻行くぜっ!モクモンっ、《燃盛る火炎(フレイムブレイズ)》!」


 「セツナ!《エアガード》!」


 ヒトシのモクモンは戦いが始まるなりすぐに、セツナを覆いつくさんほどの火炎を解き放った。

 それに対して私はセツナへ風魔法の新たな魔法を使用させる。

 《エアガード》は【風魔法3】で覚えたもので、火炎や吹雪といった魔法ではない攻撃を完全にシャットアウトするのだ。


 今回ヒトシが使ったのはモクモンの固有スキル【火炎】スキルだろうから、これで防げるとふんだのです。これが【火魔法】による攻撃だったらこの対処は意味を成さなくてセツナは手痛いダメージを食らうことになっていたでしょう。

 そんな心配はあったものの狙いは当たり、その威力の高そうな火炎は完全に沈黙した。


 「チャンスっ。セツナ、次は私達の番よ。《氷の投槍(アイシクルジャベリン)》」


 「アオーンッ!」


 セツナが叫ぶと、セツナの前にいくつもの氷柱が現れ、モクモンへ向かって飛んでいく。


 「くっ!?氷属性の魔法か!くそぉっ、モクモン避けろぉぉ!!」


 ヒトシのあの慌てようからして、弱点は氷とか水で正解っぽい。

 ヒトシはモクモンに回避させようと指示を出したが、やはり仲間にしたばかりでその辺の融通は聞かなかったらしく、モクモンは氷の槍による蓮撃を食らい、沈黙した。


 「私の勝ちだよね?」


 「……あぁ。次は2体目だ。アンタは次は誰を出すんだ?」


 「次はそうね……この子で!」


 私が呼び出したのはクルス。その翼を大きく広げ、仲間以外とのバトルに喜びを表現しているみたい。


 このチョイスになったのは仕方ないと言える。

 コウガだと物理しかまともに使えないからね。属性持ちのスキルである【火纏】はモクモンには効果が薄そう……というか無効化されかねないから使えそうに無いし。


 そしてカエデは【火属性弱点】がある以上、このモクモン戦に出すのはありえない。だって樹木トレントだもん。ほとんど動けない所に火炎食らって負けるのが目に見えてる。


 水魔法を使えるイリスは言うまでもなく、クルスが負けた場合の3戦目の要員になる予定なので説明は省く。まあクルスが負けるってそうそう無いだろうけどね。



 「クケェェ!」


 クルスはブワッと羽ばたくとその体を宙に浮かべる。相手のモクモンはその羽ばたきにより起きた風で、少し流された気がするけど気のせいだよね?


 「クルスっ、先制よ。《ロックプリズン》!」


 これもまた新しい魔法で地魔法が3となり取得したもの。


 効果は地から土の牢獄が現れ相手を捕らえる、もしくは閉じ込めることを目的とした魔法ですね。

 ぶっちゃけ、モクモンは空を飛んでいる……いや、浮いているので効果は無いように思えるが、この魔法の利点は一定の形に囚われない点であること。

 格子型の牢獄も作り出せるし、密室型の牢獄も作ることができる。浮いている程度であれば大地からそこまで距離が離れていないので魔法の効果影響範囲なのです。


 地から箱のような牢獄が飛び出しモクモンを捕らえ密閉しようとする。

 だが、モクモンは其れをのらりくらりと交わしながら、火炎に属する攻撃を繰り出してくる。


 炎の風やら小さな火種から巨大な火柱を発生させるものまで多様な使い方をしてきたが、そもそものモンスターの格の違いにより空振りに終わった。

 クルスも大きな攻撃を狙わず、カギ爪によるチマチマした攻撃とか、大砲を撃って驚かせようと目論んだりしてたかな。


 結局一番効果があったのは、高速で相手の脇をすり抜けるって言うのが残念な所。

 このすり抜けにより発生した風圧でモクモンは風に流され攻撃を思うように出来なくなった。そこをクルスにスバッとされて終わった。


 ここまでで分かったのはモクモンは良いところランク2に入った位のモンスターで、イリスと属性の相性がなければ良い勝負出来る逸材だけど、そのイリスよりも数段上の力を持つクルスにとっては、ちょっとフワフワしている綿毛みたいなものと言う認識だった事かな。



 「俺の負けだぁぁ!やっぱモクモンだけじゃきつかったかぁ」


 ……そんなのやる前から分かってたでしょうに。私はそう思いながらヒトシに声をかけた。


 「それじゃあ約束どおり、お金とスイカの種を渡してもらえる?」


 「お、おう。スイカの種は全部で30個、悪いな……実は金欠で5万しか持って無いんだ」


 うん、お金が無さそうなのは分かってたよ。勝利時にお金を請求する地点でお金に困ってるって言う考えが浮かぶよね。まあ力づくで奪いに来るタイプじゃなくてよかった。

 そうなったら、私が普通に魔王としてスキル使っちゃってたかも。そして光の勢力側に魔王(候補)な私が忍び込んでいる事がバレて、大変なことになる……という未来が回避できました。



 「お金は良いからスイカの種だけもらっとくね」


 「マジで?たすかる。いやー、金がこれ以上減ったらマジでヤバかったんだよ。アンタ見た目どおり、マジ女神様だったんだな」


 また女神とか言われたし……。私なんかと同列にされた女神様がかわいそうじゃないの。

 さあ謝れ!世界中の女神様に謝れぇぇ!あとマジマジマジマジ……マジうるさいっ!


 はぁはぁ……


 危うく叫んじゃうところだった。

 ヒトシからスイカの種を受け取り、アイテムボックスへ。これで280個となった。


 「なあ、あんたはこの先のダンジョン行くんだろ?がんばれよ。……俺?俺はただモクモンを捕まえに来ただけだから、もうここには来ないぜ。そんじゃ道中、気を付けてなっ!」


 どうせなのでヒトシからダンジョン内でであったモンスターについて聞いておきました。

 攻略前、事前にサイトとかで調べるのは自分ルール違反だけど、現地でプレイヤーから情報を得るのは、自分ルール違反じゃないもーん。


 こうしてヒトシと別れ、先へ進む。当然ながら覇気を使用し、魅了しながら進むので私が傷を負う事はほぼ無い。たまに流れ弾で傷を負う程度かな。

 魅了効果が効き難い個体もいるみたいだけど、そこはコウガ達が真っ先に倒してくれたので大丈夫。


 二層目では一層と同じ洞窟型マップでコボルトソルジャー、三層目では噴煙地帯でモクモンやフレイムエレメントなどが、四層目は水場のステージでサハギンと戦った。ついでにスイカの数もやっぱり廃坑ダンジョンより多かった気がする。


 そして五層目。森林型マップになったのでそろそろボスかな?と思いつつ、気を引き締め進む。

 案の定進んだ先にはボスフィールドと思わしき場所があった。


 フィールドの中央に大木があり、その根元には複数の幼虫が蠢いており、ゴキ以外は大丈夫と思っていた認識を少し改めないといけないかもと思った。

 その幼虫たちは大木によじ登り蛹となる。そしてあっという間に成虫となり、辺りを飛び回るオブジェクトとなった。



 「よし、じゃあ皆を呼び出してっと……」


 コウガ、セツナ、イリス、クルス、カエデの五体を呼び出し、ボス戦の準備を行う。


 「皆。倒せば私が成長できるボスのはずだからいつもみたいに頑張ってくれるよね?」


 当然全員が肯定の返事を出す。うんうん、良い子たちが仲間になってくれて私は嬉しいよ。

 よーっし、じゃあ行きますかぁ!


 しかし、いざボス戦へと言う所で水を差すログが流れた。


 《卵が孵化可能です。次の中から孵すモンスターの種族を選んでください》


 ……なな、なんだってぇ!?

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