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48話

 その日のアルバイトを終え帰ろうとした時、同じシフトだった小枝子さんから声を掛けられた。


 「愛ちゃん、いまから少し時間あるかな~?」


 小枝子さんとは最近バイト中によく話すうちに私の事を愛ちゃんと呼ぶようになった。

 ちなみにこのあだ名で呼ばれてたのは小学校の時以来なので懐かしく感じます。まあそう呼んでいたのが誰だったかなどは覚えていないのですけどね。


 現在は21時。家はすぐ帰れる距離にあるんだし急ぐ必要も用事も無いから大丈夫ですと返事をした。

 エスをやりたいことに関しては用事じゃないのか?といわれたら否定は出来ないけど、少し時間を割くくらいなら全然問題ありません。こういった付き合いも大事にしておかないと。

 というかリアルをおろそかにしていたらそれこそダメな人になっちゃうしね。


 「実はね。次の日曜日に私と奈緒でお買い物にいくんだけど愛ちゃんもどうかなぁ?って思ってるんだけど……一緒にいかない?」


 「日曜日ですか?基本用事は無いので大丈夫です。是非ご一緒させてもらいます」


 「えぇっ!基本用事が無いって愛ちゃん……そうは思えないのに。でもまあ良かったわ。

 実はね日曜日は奈緒の誕生日だからサプライズでプレゼントとかしたいと思ってたのよ。その一つとして奈緒が懐いてる愛ちゃんが一緒に来てくれれば助かるなぁって思ってさ」


 「えぇっ!私が奈緒ちゃんへのプレゼント代わりなんですか~?」


 私がおどけながら文句を言うと小枝子さんは軽く謝りながら笑っていた。

 何故、小枝子さんに用事が無いことを心配されているのか全く見当もつかないけど、一緒できる事自体は喜んでくれてるみたいだし気にしないで良いかな。


 まあ私としても奈緒ちゃんは可愛らしいから一緒に遊ぶのは大歓迎なんですよね。小枝子さんも奈緒ちゃんも姉妹揃って肌の質感が良さそうだし、お化粧のノリも良さそう……だから、どういったケアをしてるのかとか興味があります。


 その後、小枝子さんと日曜日の合流予定時間などを話し合い別れました。家につくまでに奈緒ちゃんにあげるプレゼント考えておこうっと。



 ★☆★☆★☆★☆★☆


 「さて、それじゃあ早速【覇気】と魔王の能力の練習と行きますか!」


 エスへログインした私はサービス開始1ヶ月となる今となっては人などほとんど居なくなった始まりの草原へと歩き出した。

 その道中、頭の中では、魔王の能力について詳しいという闇の勢力の女性スパイの一人から聞いたことを反芻していた。


 「アナタの魔王としての資質はまさにその突出した魅力にあるでしょう。

 その魅力を発揮できるように行動を心がけ、魔王らしく振舞うことが出来ればあなたに惹かれた者が自ずと集まり、種族・性別問わずアナタの元へはせ参じることになる事は間違いありません……。


 本来であれば魅力を活かすには基礎ステータスの上昇と、そのステータスに見合った装備が必要になります。……まあアナタの場合は既に魅力のステータスが大変なことになっているのは、私が既にその気になっていることから間違いありませんので、当面は装備を追加されることをお勧めします。


 最後に魔王としての行動と振る舞いに関してですが、該当するスキルには他の王/魔王達と交渉をするために【礼節】、自分の治めるべき土地を手に入れたときの【統治】もしくは【支配】、魔王としての力を示す手段として【魔王覇気】【統括】【軍勢】などが必要になります。

 これらのスキルに関しましては魔王としての格があがれば修得できるので、今は己を磨く事に専念して頂きたく思います」



 ここまでのまとめとして、大事なのは最後の方に説明を受けた自分を磨く事なのですが、それはつまり他の王を何体か倒すか配下・仲間に加える必要があるということ。今の魔王候補として最弱な私がそれをこなすには大変険しい道となるだろうけどコウガ達が居るからきっと大丈夫。

 先日のオークキングの時と同じく私って結構レベルとかあげまくって戦力十分だろうって判断出来るまで次の行動を起こさないタイプだしね。


 例として挙げられたスキルの中にもすでに持っているスキルやそれに近しい名前のスキルもあるし、心配は要らないと思う。出来れば開催中のイベントで一人に付き一個手に入れられる《ユニークスキルの種》を入手してその辺りのどれかを引きたいところだけど、まあそこまでうまくはいかないよね。

 あっでも、遺憾ながら称号の説明の中に運営が墜ちたとか言うコメントがあったし、お願いしたらもしかすると……?なーんてね、あるわけ無いじゃない、そんな事。



 ★☆★☆★☆★☆★☆


 装備が変わったことで受けるダメージも減ったし、意識を魔王モードに切り替え、鞭を片手にポポやコラビーと一人で戯れた。

 他のモンスターを相手に一人で戦う勇気はまだ無いよ。コトノが練習で作っているオーク皮製装備を手に入れれば、その心配も減ると思うんだけどね。

 こうしてダメージを食らう覚悟で挑んだ戦いだけど、実際はジャレ付かれてるだけで全くダメージを食らうことはなかった。


 私の鞭の攻撃はどうだったのかって?そ、それを聞いちゃう?

 鞭で叩かれたコラビーやポポですが、私のSTRが低い事もありダメージはほとんどなかった。代わりに怖いほどジャレ付き度が上昇しました。なにせ、目がハートになっていましたからね。



 目がハートになるその状態は魅了だと言う事はスパイさんから聞いていたので良いとしまして、魅了発生率はCHAに依存し最低でも数秒から数十秒続き、称号により効果時間がのびる事もあるという。

 なるほど、魔王モードでの私の攻撃には魅了の効果が付与されているという事がちゃんと理解できましたね。


 この魅了効果付与こそが先ほど称号鑑定により補填された能力なのです。今までは称号に依る割引しか効果を得られなかったけど、これからは攻撃や行動にもそれらが付与されるようになった。

 この行動にも付与されるという事なのですが、これがものすごく素晴らしい効果だったのです。

 行動の括りには仕草も適用される。微笑めば見惚れるし、鋭くキッと睨みつければ相手をゾクゾクとさせるし……。あっ、最後のはちょっと違った。


 とにかく私の場合、相手にドキッとさせる行動を取ることができれば魅了の効果に落とすことができることがわかりました。勿論そのドキッとする行動が対象毎に違うことは重々承知ですから、その辺は試しながらやっていきます。

 とはいえ、そのドキッとする仕草というのが微笑むとかその程度しか思いつかない。うーん、これに関しては色々な人から意見を聞いて参考にするしかありませんね。

 別にある人に微笑まれてドキッとしたことがあるから思いついたって訳じゃないから。


 こうして寝るまでの2時間ほど始まりの草原で能力の使い方を覚え、次回はコウガ達と連携ととりながら効果を発揮できるようにするつもり。

 終わる頃には私の後ろには数え切れないほどのポポとコラビーの行列が出来ていた。

 この大量のモンスターたちを倒すのは偲びなかったので、始まりの平原からフィールドチェンジをして魅了効果を強制的にキャンセルさせた。


 フィールドチェンジの際に後ろで悲鳴があがっていたとかは全く聞こえてないからねっ!

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