3話
本日2話更新です。次は17時に予約済み。
明日も2話で今日と同じ時間に予約済みです。
この辺くらいまでは説明会なので読みにくいです。
きっとストーリーが始まれば少しはマシになるはず(説明会よりはという意味で)なのでしばし我慢してくださいませ。
そこは神殿っぽい造りの部屋で、部屋の中央部には水晶らしきものが設置してあります。
あの水晶の所に行けば良いのかな?と思い足を進めると、機械的な音声が聞こえてきました。
《【Eternal Story】へようこそ。この場所ではキャラクター作成を行う事ができます。
キャラクター作成をご希望の方は前に進み、中央部にある水晶に触れてください。
間違えていらした方はメニューと思考し、現れた項目からログアウトを選択してください》
間違えてきたわけじゃないから水晶の前まで移動し触れる。すると水晶の真横に私そっくりの女性アバターが出現しました。でも何で裸で?
あっ、胸の膨らみは表現されちゃってますけど先端とか、下の方の見られて恥ずかしい所は取り除かれているので大丈夫といえば大丈夫なんですけど……。
……というか、よくみるとスッピンだから個人的には裸よりそっちの方が恥ずかしいかも……。
じゃなくて一応全年齢向けなんだからインナーくらいつけておいて欲しい。
《こちらではまず始めに名前と容姿の設定を行います。変更したい部分に手を触れ、どういう変化をしたいか思考してください》
アバターの頭の上には名前をつけると思わしき枠があったので、まずはそこから決めていくことにしましょうか。
キャラネームは勿論アイリです。こう言ったネットゲームでリアルネームをつけるのは良くないらしいですけど、今までのネットゲームでもこれに近い名前を使ってきたけど危ない目になんてあったことないし。
頭上の項目にアイリと表示されたのを確認した後、私はアバターの髪に触れる。
そこに現れた項目は髪の長さ調整と髪型の変更画面。本来の私の髪は腰の上まであるロングで毛先のほうをゴムで纏めて尻尾状にしています。髪を洗うときなど多少鬱陶しい事もありますけど、長くこの髪型でいて愛着がわいたのか、ばっさり切るという選択ができない日々が続いています。
そんな理由でゲームの中では短くしても良いよね?ってことでまずは腰まであった髪を肩の当たりまで短くし、両肩に掛かる部分を数センチずつ捻っていきツイストにしました。髪の中心部は手を加えずそのままです。
続けて髪の色ですが、基本は当然ながら黒です。髪が痛むと理由からリアルでは脱色などはした事がありませんのでこの中で位は色を変えてみたいと思いました。
そんなわけで何色かあるので片っ端から変更してみましたが、これって思えるものが見つかりません。
やっぱり黒で行くしかないかなぁ……。そんなことを考えながら髪色の画面をスクロールしていくと、さっきは気がつかなかった項目があることに気付いた。
黒い枠に小さくランダムという文字。多分枠が黒かったので私自身でこれは黒に設定するものだと思い込んだのでしょう。
色のパターンに満足が行かなかった私は、この際機械に決めてもらっても良いよねと思い直し、ランダムボタンを押してみる。ぽちっとな~。
「おぉ~?」
すると、白銀の髪が現れました。銀色自体は色のパターンにあったんですけどそれよりも表現に困る美しさです。対象は自分だというのに思わず見惚れちゃってた。
この時点で髪の色はこの表現しがたい美しさの白銀色に決定しました。もうこれ以外の選択肢は絶対にありえないと思いましたし。
ですがこの色にしちゃうと先に決めた髪形に違和感が出てくるんですよね……。このように綺麗な髪色なら無駄に括ったりせずに自然のままの方が良いかもしれないと判断し、少し物思いに耽る。
考えが纏まった所ですぐに髪型の部分をストレートに戻すと予想通り、ナチュラルに美しい私がいました。……あっやばい。私、ナルシスト入ってたっ!?
ちなみに、あっやばい の前の……の辺りで15分くらい経過しちゃってました。
最後に目の色を白銀の髪に似合う色を探し、赤にするか青にするか迷いましたが結局赤を選択。
設定すべき事を決めたのでキャラクタ作成を確定させる。
《容姿と名前の設定が完了しました。次に種族を決めた後幾つかの質問に答えて頂き適正、それに伴うスキルの決定を行います。
全ての質問が終了したのちにあなた方が所属する勢力が決められますので質問には、あるがままに正直にお答えください》
次は初期種族ですか。先ほど説明の勢力には光と闇の2種類があります。
人族・陽精霊族・エルフ族・妖精族(ドワーフ族やフェアリー族など)・聖獣族(獣人含む)を選ぶと光の勢力となり、始まりの街ガイアからスタートします。
魔人族・魔精霊族・ダークエルフ族・妖魔族(レプラコーン族や死霊族)・魔獣族(獣人含む)を選ぶと基本は闇の勢力となり、始まりの荒野ユーレがスタートします。
それぞれの特徴としては大まかに分けるとこうなります。
人族・魔人族は平均的なステータスをもち、攻撃・魔法・生産どれにも利点も欠点も無い万能型。言い換えれば器用貧乏。
陽精霊・魔精霊はINT補正値が非常に高く1つの属性に特化した魔法使いタイプ。
陽精霊は火・風・光のいずれか、魔精霊は水・土・闇のいずれかが突出しており、専門属性魔法の威力は全種族中最強。なお属性以外は最低限の魔法しか使えない。
エルフ・ダークエルフ族はINTとDEX補正が高く魔法や遠距離攻撃が得意。
陽・魔精霊と違い大火力を出せないが満遍なく魔法を使いこなす事が可能。稀に物理攻撃を得意とするエルフも現れるらしい。
妖精・妖魔族は細分化された種族によって補正されるステータスが違う。例えばドワーフならSTRとDEXに特化しAGIが低いなどなど。フェアリーならAGIとINTが高かったりもする。
最大の特徴として生産系スキルを会得しやすい傾向にある。
聖獣・魔獣(獣人)族は妖精族と同様に細分化された種族的特徴が顕著に現れる種族。だが大概は脳筋ステータスになる。よって説明するまでも無いがSTRやAGIが高くINTが低い。
この辺は公式サイトに書いてありましたから予習済みですよ。えっへん。
という事で、種族選択画面と睨めっこをしている私。その原因はというと……
「うーん、皆は闇勢力のキャラクリするって言ってたんだよね。一応私は人族を選びたかったんだけど……皆と敵対するのも嫌だしなぁ。うーん、どうしようー」
皆というのは今までのオンラインゲームで知り合い、携帯の交友用アプリ【I-LINE】で頻繁に連絡を取り合っている4人の友人(オフ会とかはやった事が無いからリアルな顔は知らないけどね。通話機能は使うので性別と声は知ってたりする)くらいかな~。
その4人も手に入れるのが難しいNAPを、入手手段までは聞いていないけど私とほぼ同時期に手に入れていたことに運命を感じるよね。
悩んだ末、私の選んだ種族は人族。この後の質問次第では勢力変更もありうるんだし、やりたい種族をやるべきだよねってことで。
人族のベースに白銀の髪と赤色の目が反映される。
うん、ちょこっと違うだけなのに現実よりも良く見える気がするね。
《アイリの種族は人族でよろしいですか?》
「OKです!」
ちなみに魔人族を選べば済む問題なのに人族を選んだ理由はやっぱり初期の体の色から。
人族はそのままの体色を反映するけど、魔人族はどうしても若干黒くなりがち。現実のことを言うと日焼けするのも嫌いだから色付きの肌はちょっと抵抗がある。
《では次に幾つかの質問を行います。先ほども申し上げましたが、思うままに返答してください》
「分かりました!」
無機質な音声さんから合計30にも及ぶ質問が飛んできました。正直答えるの疲れましたよ……。