35話
お昼ごはんを食べ終わり2回戦の開始です!
あっ、1回戦は朝からお昼御飯を食べるまで。2回戦はその後からアルバイトに行くまで、アルバイトが休みの日は夕飯まで。そして3回戦は夕飯後から夜寝るまで(基本23時までと決めてますよ)です。
一応、延長戦(夜中~)も設定してますけどこれが行われることは、お肌への影響があると考えているのでほぼ無いと思います。一時の油断が後々まで響くってお肌について詳しい先生の本に書いてましたからね!
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という訳で1回戦の終わりに森を行動した結果ですが、数体のイタチを見ることが出来ました。
見ることができたと行った様に、なぜかイタチは私達……特にクルスを見るとビクッとした後に逃げようとする素振りを見せました。それが数回あり、結局戦えたと言えるのはイタチは1体だけ。
そのイタチも破れかぶれでキュイキュイ言いながら攻撃してくるだけで以前戦った時のような、すばやい攻撃など見る影もなかった。
ドロップアイテムはふさふさした尻尾とコジョの毛皮。……あぁ、このイタチの名前はコジョっていうんだぁ。
そんな状態のままお昼御飯を食べると決めた時間になったので仕方なくログアウト。
御飯を食べながらイタチについて調べると、リアルイタチの天敵に鷲が書かれていました。
そこから察するに、このエスの世界にはリアルな関係性も組み込まれているのだと思う。
だから多分、犬とか猫はタマネギとかの植物モンスターと戦うと危なそうだし、魚は鳥や熊と戦うのはやばそうです。……後者の魚に関してはイリスとクルスの関係を見ると合点がいきます。
とりあえずコジョにリベンジする時は、目に付かないようにクルスには上空に待機してもらわないといけませんね……。
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さてさて、せっかくエリスさんから良さげな情報をもらえたんだし、さっそく確かめに行かないとね。ここのクエストアイテムが揃えばとりあえず種類だけは満たした事になる。
あとは荒野のストーンゴーレムを周回して輝赤石をいくつか集めればユーディットさんからの依頼は達成できるね。
そしてやってきた森の中央部からやや西寄りの不自然に開けた場所。
そのマップ中央部におっきい植物がデデーンと生えてたら珍しいな~って感じで足を止めるでしょ?
それだけでなく、なにやら蔦らしきものをビュンビュン振って攻撃して来たら普通ビビッちゃうよね?
えぇ、その正体はクエストボスでしたよっ!
エリスさんもこの場所を通ったはずなのに、このモンスターが出たって言う話はなかったから、多分そういう扱いであっているはずです。
そういえば海岸でもクルスとイリスが何かと戦っていたようなログがありましたね。関係者が通ると発生するタイプなのですねきっと。
「コウガは蔦に注意しながら接近戦、攻撃の回避は自己判断でするようにね。セツナはコウガが危ない時は風魔法で介入、他のスキルはまだ使わないから温存で良いよ。
クルスは上空から魔法を交えつつコウガと協力しながら攻撃、イリスは……相手が植物で、水魔法はあまり効果がなさそうだから、私の護衛ね」
それぞれ返事をして、私の指示通りに散る。
ここまで終えたところでやっとボスの名前が判明した。その名前は《食帝カズラール》。
ビシュッ
バシンッ
カズラールは植物だけあり移動はできない。だけどそれを補う攻撃範囲があるので要注意です。
カズラールが行う攻撃行動は蔦の場合は叩きつけると薙ぎ払い、あとは獲物に巻きつけたら消化液が詰まった本体の口へ運ぼうとする。食べられると一撃死という訳ではないですが多大なダメージを喰らいます。
……一度コウガが回避ミスをして捕まり食べられかけてたので間違いない……。
いやーこれにも焦りましたぁ。全速力でセツナにポーションを届けさせましたよ!私が行けば良いって?むりむり、何本もの蔦が縦横無尽に暴れまわってる中、AGIが1の私がコウガに近づくなんて芸当が出来るはずが無いよっ!
ランクと体力が高いコウガだから助かったものの、レベルが高くても種族的な特徴か体力の低いイリスとそれにも劣るレベル1の私なら即死だね。
それ以外の攻撃は、本体の口から自分の周囲に消化液を撒き散らす。この攻撃は近接を指示しているコウガにとっては先ほどのトラウマが蘇る危険な攻撃なので、消化液を出しそうな動きになった時は注意するように指示を飛ばしておく。まあ次からその辺はセツナが魔法でカバーしてくれると信じてる。
んー、植物タイプだから火の魔法とかそういったものが使えると良いんだけどなぁ。でも、そんな仲間いないし。次に仲間にするのは火の魔法とか回復魔法が使える子が良いな……。
仲間モンスターは連れて行ける最大値は6体までですが、7体目以降は調教スキルの項目にある仲間収納に無制限に控えさせておける。
だけど戦闘中の交代は出来ないのでその辺のメンバーの選定は調教師の采配にかかっている。
20分くらい戦闘が続いてますが、カズラールの体力はまだ9割近く残っています。と言うのもまともな攻撃が当たってないからですね。
だって今皆には死なないように回避重視を指示してるもんね。でもそれもここまで。これだけ時間があれば皆カズラールの攻撃行動を覚えてくれたはず。
「コウガは毒撃を解禁、セツナは氷魔法だけ解禁っ!クルスは……そうねロックレインで蔦の当たる位置を狭めて!イリスは他のみんなに向く蔦の攻撃を水の魔法で妨害。わかった?」
「「ウォンッ!!」」 「クケェッ!」 「コポッ!」
ここから怒涛の攻撃ラッシュが行われる。コウガの毒撃の連発でカズラールは累積した毒(中)に陥り、セツナの氷魔法で蔦の振るわれる速度を大幅に落とす。これは植物って火にも弱いけど、氷とかでもその動きを妨害できる事から。
クルスのロックレインはその動きの鈍った蔦を岩で押しつぶし稼動部位を減らした。イリスの水魔法はダメージこそあまり無い物の水魔法特有のノックバック効果が発動し、コウガに迫る蔦を弾き飛ばしていく。
その攻撃が始まって10分。食帝カズラールは粒子となって消えて行った。
体力が減った時点で攻撃方法が変わるかと思い身構えたりもしたけど、攻撃速度が落ちていてコウガ達は余裕で避け切ることができたのでモーマンタイ。
《クエストアイテム《ウツボカヅラの枝》を獲得しました》
《特別納品:色粉の材料を納品して欲しいの達成条件を満たしました》
《個体名:イリスのレベルが30になり進化の条件を満たしました》
《個体名:イリスが条件を満たし特殊進化が解放されました》
「お疲れ様。皆よく頑張ってくれたね」
カズラールを倒し終え、嬉しそうに私に近寄る4体をそれぞれ褒めていく。コウガとセツナには櫛で乱れた毛並みを整え、クルスも羽毛がモワモワとしていたので梳いてあげた。
そしてイリスは……コポコポ言いながら私の周りを飛んでいる。レベルが最大になったことが分かってるみたいだね。私もかなり楽しみにしてたから早速進化についてみてみましょう!
名前 イリス
種族 マリーンフィッシュ♀ 魚種ランク1
LV 30(-/-)
スキル
アクティブ 【水魔法2】【突撃】【重打】
パッシブ 【浮遊】【飛行】【水入らず】
強さ
物理能力 30
魔法能力 58
進化可能:レベル20魚種ランク2:ミストフィッシュ
レベル20魚種ランク2:スタルトイール
レベル30魚種ランク3:ポイズンガーフィッシュ
レベル30魚種ランク3:マリーンサラマンダー
レベル??魚種ランク2:プリズムフィッシュ
うん、イリスって攻撃方法自体は増えてないのよね。変わったのは20レベルの時に水魔法1が水魔法2になっただけだし。レベル30になった時の能力値もコウガ達に比べたら低い低い。
それでもここまでレベル上がったんだからすごいよ。……まあ無理やり連れまわした側面もあったかもしれないけどね?
さて……現実逃避はここまでにしておいて進化について突っ込んでも良いかな?
レベル20と30で進化する魚系に関してはまあ良いのよ。だけど各レベル2つ目に出る派生進化が何でウナギとサンショウウオなのよ!?何処でどうやったらこんな謎の派生進化になるわけッ!?
しかも、なんかコウガ達には出なかった別の進化先もあるし!
ミストフィッシュ:風と水に適性を持つ魚で霧を引き起こし相手を惑わせる力を持つ。【ミスト】修得。
スタルトイール:水と地に適性を持つ海の深い場所に住む好戦的なウナギの一種で獲物にまきついて絞め殺すのが趣味。【拘束】修得。
ポイズンガーフィッシュ:口の先が尖っており物理攻撃にも適正を得た凶悪な魚種。その口に貫かれたものは痛みと共に流し込まれた毒に苦しむことになる。【死突】【毒撃】修得。
マリーンサラマンダー:海の底で生活出来るようになったサンショウウオ。長い舌で獲物を絡め取り、口に入るものならば何でも食う。【伸舌技】【悪食】修得。
プリズムフィッシュ:水風光に適性を持ち、青緑黄の3色に輝く魚。幼少期は非常にか弱い存在だが成長した時には天候をも操る力を得る……と言う伝説が残っている。
見た目が目立つ為よく狙われ、種族滅亡の危機に陥っている【光魔法1】【タクトマジック1】修得。
……何でこの子は1つを除いてこんな凶悪な進化しかないのかしら?その1つも考え方によっては他の4つよりも凶悪だけどさ……。
これはすぐに答えが出るもの……じゃ無いわけでもないけど保留にして一旦町に戻りましょうか……。
町でゆっくり落ち着いてスキルの確認などを行わないとね。




