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34話

 戻ってきた私が見たのは男性キャラ2人女性キャラ2人で組まれたパーティがオーク3体に襲われている現場でした。見た限りオーク1体なら相手に出来そうなパーティだけど、数が多くて手も足も出ない状況ってところでしょうか。


 「くっそ!なんでオークがこんな集まって来るんだよっ!」


 「文句を言う暇があれば剣を振ってくれ~!」


 「いやぁぁ!オークの鼻息が荒いぃぃ!」


 「……身の危険を感じる」


 鉄製の軽装装備で剣を振る男性と重装備と盾でオークの攻撃を防ぎ続けている男性。

 女性のほうは2人とも服装から見るに攻撃と回復魔法を使うタイプみたい。


 うーん、以前のことがあるからあまり近づきたくないんだけどなぁ。でも見てしまった以上放置するわけにも……。イレギュラーな出来事があると本来の気質が出ちゃうよね……。やっぱりエスをプレイする時は常に魔王モードを心がけないとダメかなぁ。ずっと魔王モードとかは疲れるから遠慮したいんだけど。


 そう考えた瞬間に引き返してればよかったのに、突っ立っていた為、逃げ道を探して首を動かしていたパーティの女性に見つかってしまった。


 「そ、そこの銀色のお姉さん!助けてぇぇ!」


 「こんな場所に一人でくるなんて無謀な……いや、仲間モンスターも一緒……?」


 「だ、誰でも良いから早く助けてくれぇー!」


 「あっ、白銀の獣姫……?」


 あぁ、また面倒な事に……。って言うか最後の人!私に向かってなんていいました?

 なんかすごい恥ずかしい言葉だった気がするんだけどッ!?


 詳しいことは後で聞くとして見つかってしまった以上、仕方ないか。

 まあオーク3体なら何とかなるし手伝うのは構わないのだけど……。


 プレイヤーが私に声をかけた為、私を追加の敵として認識した事からオークは、4人パーティから私へとターゲットを変え(な、なんでぇっ?)、フゴフゴッーと言いながら走り寄って来る。


 「みんな。オークを倒しちゃって!」


 掛け声にコウガ達が返事をして、あっという間にオークを分断、コウガが威嚇を使用して2体を受け持ち、クルスが残り1体を受け持つ。セツナとイリスは後方から魔法による攻撃を加えていった。


 もう何度も戦ったオークなので、倒しきるまでにそう時間はかからなかった。

 ここでようやく3人が再起動を果たし、うち一人から私に向けて質問が飛んできました。


 「その仲間達、強いんだな?この辺では見ないモンスターだけど何処で仲間にしたんだ?」


 「コウガ達……犬達は初期フィールドにいるランドックから進化させました。鳥と魚に関しては秘密です」


 必要以上に情報を公開しないのはプレイヤー間の常識ですのでこれ以上聞かれることはない。この答えだけで私が情報を出す意図が無い事に気づき、口をつぐむ軽装のプレイヤー。

 この辺は前に山で見かけた人よりはマシかもしれません。あの人たちは本当にしつこかったですからね。


 「ねぇ、それよりも助けてもらったお礼を言う方が先と思うんだけど?」


 「「あっ!そうだった」」


 最初に助けを求めてきた女性プレイヤーが男性プレイヤー2人をたしなめる。

 男性もその指摘を受けてお礼を言っていないことに考えが至り、4人は揃って私にお礼を述べる。


 「ありがとう、本当に助かったぜ。あのままだとオーク達にやられていたのは間違いなかった」


 「最初はオーク1体だけだったのに途中から増援が2体乱入してきたんだよ」


 あー、それって多分女性プレイヤーが2人もいたからじゃない(笑)……なんてね?

 ……あっ、でも考えればその線が濃い気がしてきます。理由は先立って説明したから言いませんけど。



 「おっと、そうだ自己紹介もさせてもらうな?俺はリューク。見ての通り素早さ重視の剣士をやってる」


 「僕はエルク。重装盾でパーティのタンクをやってます」


 「私は火系の魔法を使うルリカよ。さっきは本当にありがとう」


 「エリス。回復魔法のヒーラー……」



 予想通り人数は少ないけどバランスは良いパーティみたい。と言うか自己紹介されても覚えられn……げふんげふん。


 「あっ、私は調教師のアイリです。助けたことに関しては気にしないでください。私としてもこのあたりでレベル上げをしていたのでちょうどよかったんです」


 自己紹介された以上こちらも名乗らないといけません。と言うことで名乗りを上げたのはいいんですけどエリスさんが小さい声で「獣姫はアイリさん、獣姫はアイリさん」と呟いていたのがすこーし怖かった。


 「そういってもらえるとありがたい。所で助けてもらったお礼をしたいのだけど、何か俺達にできることは無いか?」


 うーん、そうは言われても特に聞きたいことなんて無い……あっ、ダメ元でウツボカズラを見たことが無いか聞いてみましょうか。……望みは薄いだろうけど。


 「そうですねぇ、それじゃあ、ウツボカズラって言う食虫植物っぽい草とかは見たこと無いですか?」


 「うーん?ウツボカヅラ?見たことあるか?」


 「僕は見て無いかなぁ」


 「私もその辺は見てなかったから分からないわ」


 「見た。だけど、今日じゃななくて数日前に他の人達と来た時だから少しばかり曖昧……」


 やっぱり見たこと無いかぁっ……ってあるの!?


 「おぉ?エリス、さすがッ!じゃあその場所アイリさんに教えてあげてくれ」


 「分かった。マップで言ったら今いる場所がここで、それらしいものを見たのは西のほう」


 ふむふむ……今いる場所が東寄りでオーガたちが居たのは南、ガイアの街は北東。ウツボカズラがあったのはここから西ですか。大体分かったかも。


 「ありがとう。当てもなく探そうと思ってたからすごく役に立つお話でした」


 「どういたしまして」



 その後は彼らと軽く情報交換をして別れることに成った。


 その際エリスさんからフレンド申請が来ました。さっきの情報の事もありますし了承しても良いかな?エリスさんは回復職だからきっとこれからも他の人達と色々歩き回るんだろうし、光の勢力の地域情報を聞くには都合がいいですしね。


 「了承ありがとう。何かあればよろしく」


 エリスさんはそういって4人を追いかけていった。

 あっ、さっきの白銀のなんたらって言う恥ずかしい呼び名について聞くの忘れたぁ!

 とりあえずメッセージで聞くだけ聞いておこうかな。


 とはいえ生産職以外のフレンドが初めて出来てうれしかったりもする。コトノは魔法を使うって言ってたけど重きを置いてるのは生産だからね。


 ってそうだった。コトノから防具が出来たって言うメールがきてたんでした。

 フレンド一覧を見るとコトノはログイン中みたい。早速メッセージを送ると夜までは居るからいつでも取りにきてくれて構わないとの事。

 どうせだから新装備を取りに行ったついでにさっき手に入れた鬼の皮を渡して、いざと言う時の為の控え装備を作ってもらっておこうかな。

 今、付けてる初期装備は壊れない代わりに防御力と補正値が無いに等しいですからね。



 現在時間はまだお昼すぎ。今日はアルバイトは無いのでご飯以外でログアウトする予定はありません。

 ウツボカズラを探しに行くのはお昼ご飯の後にするとしまして、そのご飯に関してもまだお腹が減ってないし、あと1時間くらいはこの森で狩りをしてもいいよね。

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