29話
「コウガ、鉄牙爪!セツナはウインドスラストっ!イリスとクルスは待機っ」
ブクブクブクブクッ
片腕だけが異様に巨大化しているカニのモンスター、ハンマークラブを相手取りコウガ達は統制された動きをとる。やはり同種連携を使うときは同じ種族で戦わせた方が良いね。
ハンマークラブは口から泡を吐き視界を奪いつつ、その間に獲物に近寄りその巨大なハンマーで敵を叩き潰すモンスター。しかもカニというか甲殻類というだけあり甲羅の硬さはそこらの岩系モンスターよりも硬い。
硬い代わりに移動速度が遅い横移動しかできないという欠点はあるけど十分に強敵……だった。
コウガ達は泡に対してはエアスラストで吹き散らし、硬い甲羅に対しては鉄牙爪を使う事でダメージを与えられる。ハンマークラブは泡を散らされると思考停止というか、毎度毎度呆然としているので引き裂く時間は充分にある。
一撃が強力なモンスターでもやはり序盤ででるモンスター。行動パターンは既に情報として出回っているので戦いなれれば危なげなく倒す事ができる。
《個体名コウガはレベル30になり進化の条件を満たしました》
《個体名セツナはレベル30になり進化の条件を満たしました》
「んっ?あ、あがった?コウガ、セツナ。とうとうレベルあがったのね!」
海岸でレベル上げを開始して苦節2日間、ハンマークラブを倒した所で待ちに待ったレベル30到達を告げるログが流れる。
早速内容を確認するべくステータスを開く。
名前 コウガ
種族 ランドッグ♂ 獣種ランク1
LV 30(-/-)
スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【引っ掻き】【威嚇】【壁蹴り】【鉄牙爪】
パッシブ 【同種連携】【脚力上昇】
強さ
物理能力 87(+18)
魔法能力 39
装備:鉄の爪+2(物理能力14+品質ボーナス4)
進化可能 レベル20獣種ランク2:アグレッシブドッグ
レベル20獣種ランク2:ハンターウルフ
レベル30獣種ランク3:デンジャラスドッグ
レベル30獣種ランク3:ナイトウルフ
名前 セツナ
種族 ランドッグ♀ 獣種ランク1
LV 30(-/-)
スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【潜伏】【咆哮】【風魔法1】【風纏】
パッシブ 【同種連携】【風系統能力強化】
強さ
物理能力 40(+13)
魔法能力 83(+13)
装備:流鉄の小太刀+2((物理能力9+魔法能力9)+品質ボーナス4)
進化可能 レベル20獣種ランク2:アグレッシブドッグ
レベル20獣種ランク2:ウインドウルフ
レベル30獣種ランク3:デンジャラスドッグ
レベル30獣種ランク3:タイフーンウルフ
うん、これ以上レベルが上がらないね。30になってもスキルが増えていないのは本来20までしか上がらない個体だからで間違いは無いでしょう。
じゃあレベル30の進化情報を確認~。
デンジャラスドッグ:爪と牙に数種類の毒を持つ犬の一種。普段は大人しいが、気に食わないことがあると手がつけられないほど暴れる。 進化時【毒撃】【狂乱】取得。
ナイトウルフ:暗い場所、暗く狭い場所を好み、闇夜に紛れて狩を行う暗殺者。その攻撃速度は疾風怒濤。進化時【急所攻撃】【速度強化】取得。
タイフーンウルフ:風よりも強力な嵐と基本的な氷属性の魔法を操る狼。ある地方では恵みを与える使いとして崇拝されている。進化時【嵐風】【氷魔法1】取得。
どれもこれも良さそうなんですよね……。コウガの進化先であるデンジャラスドッグ、ナイトウルフに関しては攻撃面を伸ばす進化にするかトリッキーな行動も可能にするタイプにするか迷います。
レベル20で進化できるようになったアグレッシブドッグ、ウインドウルフ、ハンターウルフに関しては取得スキルに魅力が無いのでコウガ、セツナともに進化させませんので除外です。
「コウガはこの中のどれになりたい?」
困ったときは本人の意思を確認です。コウガに聞いてみた所、デンジャラスドッグとナイトウルフで迷っていたみたいですが、今までどおり攻撃を重視したいらしくデンジャラスドッグを希望した。
「わかった。じゃあコウガはデンジャラスドッグね。次セツナはどう?」
セツナの候補もデンジャラスドッグとタイフーンウルフの2種類があり、攻撃方面に軌道修正するか魔法を伸ばすか……。今までの行動を見てればどっちを選ぶかは分かるんだけど希望は聞いておかないとね。私の身勝手で進化先を決めるのは可哀相だもん。
結局セツナは最初から決めていたらしいタイフーンウルフを希望した。
「やっぱりセツナは魔法系が好きなんだね。わかった。それでいこう!」
……という訳で進化しました。
まずコウガは緑の体毛から紫の混じった斑の体毛に変化。うん、確かにちょっと毒々しいよ。顔とか眼つきは格好良いんだけど斑の割合がおかしくてちょっと見た目が悪いかなぁ。
仲間モンスター用の毛染めとか作れる人いないかな……?まあ作れるとしたら錬金術とか調薬系だよね。
次にセツナ。緑の体毛から青みが掛かった体毛になり犬の時よりも耳が鋭くなり顔つきもはっきりと狼とわかるように変化しました。うん、そのすらりとした足が羨ましい。あとでブラッシングついでにモフらせてね!
名前 コウガ
種族 デンジャラスドッグ♂ 獣種ランク3
LV 1(0/1500)
スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【引っ掻き】【威嚇】【壁蹴り】【鉄牙爪】【毒撃】【狂乱】
パッシブ 【同種連携】【脚力上昇】
強さ
物理能力 115(+18)
魔法能力 80
装備:鉄の爪+2(物理能力14+品質ボーナス4)
名前 セツナ
種族 タイフーンウルフ♀ 獣種ランク3
LV 1(0/1500)
スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【潜伏】【咆哮】【風魔法1】【風纏】【嵐風】【氷魔法1】
パッシブ 【同種連携】【風系統能力強化】
強さ
物理能力 75(+13)
魔法能力 110(+13)
装備:流鉄の小太刀+2((物理能力9+魔法能力9)+品質ボーナス4)
二人とも攻撃能力とか魔法能力が劇的に上がってる……。そりゃランク1から3まで一気に飛ばしたんだから上がるか。これで二人はクルスとランクが並んだし、いける場所もかなり増えたはずよね~。
そろそろイタチの出た森に行っても大丈夫かな?
仮にこのランクで勝てなくても【エクスチェンジ】で強化すれば負けることは無いと思う。
次にスキルの詳細チェック!
【毒撃】:自身の攻撃部位に毒を宿す。戦闘時以外は毒が無いので触っても大丈夫!
【狂乱】:やばいくらい怒り攻撃力が大きく上昇するが混乱(弱)する。混乱中は仲間に攻撃をする事もある。使用者のレベルが上がると制御できるようになる。魔法能力の数値を物理能力に追加する。
【嵐風】:文字通り嵐を操る。使う場所によって威力や規模が変化する。
荒野・砂漠等の乾いた場所 :ハリケーン(土・風)
森・河川等の水気のある場所:トルネード(水・風)
山・火山など熱気が多い場所:竜巻(火・風) などなど。
【氷魔法1】水の派生である氷の属性魔法を覚える。レベル1では、アイスアロー、コールドウェーブを使用可能。
アイスアロー:氷の矢を作り出し、対象に放つ。氷の属性と刺突系の属性を持っている。地属性モンスターには効果が薄い。
コールドウェーブ:寒波を放ち、ダメージと共に対象の速度を減少させる。水属性モンスターに効果が高い。
うんうん。良い感じ!これでイリスを除く3体がランク3のモンスターになったね。
イリスもレベル26を超えてるんだけど、海岸では相性的にソロで戦うのが難しいのよ。やっぱり有利な属性モンスターがでるところに篭った方がよかったかしら。
あっ、イリスの進化先に関してはまだチェックすらして無いですよ?だってこの子も30まで育ててから進化させるんだし今見ても、まだかまだかって待ち焦がれちゃうでしょ。楽しみは後に取っておくのが良いのよ。
イリスの仕上げは森で良いと思うの。進化したコウガ達を3~5レベルくらいまでここで育てれば能力の底上げも出来るし、イリスのカバーくらいはできるもんね。
そのまま狩りを続け、海岸で目的を達成した所でガイアに戻りログアウトしました。
面倒だけどアルバイトの時間ですー……。




