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26話

今日は休むつもりだったけど、何とかかけたのであげてみることにした。


※土日に行う予定だった改稿ですが21話から25話まで少しずつ追加の文章、削除した文章があります。

宣言どおり大まかな設定は変わってない(変えられる能力がなかった)ので読み返す必要は無いですけど報告させて頂きます。

 「待ってたで。アンタがウチの依頼を受けてくれたんやろ?」


 ある建物に入るなり声が掛けられる。そこにいたのは赤い髪をアップにまとめている女性で研究者っぽい白い羽織をきている。家の中にはビーカーやらフラスコやら乾燥機っぽいものがチラホラと見える。

 考えてみれば女性の住民を見たのは初めてですけど、近くでみると化粧のノリが良さそうな肌質をしている気がする。まあ、VRゲームなんだからそう見えるだけかもしれないけど。


 そんな彼女こそ何を隠そうこの人は私が請けた依頼人の一人であるユーディットさんその人なのです。パーシヴァルさんの依頼の受理確認を終え、その足で向かったのはこの家だったというわけ。



 「えぇ。早速ですが詳しい内容を伺っても良いですか?」


 「ええよ。っとその前にその敬語みたいなんやめてくれへん?話しにくぅてしゃーないんよ。冒険者がそんな堅苦しい話し方してどうするんや。もっと砕けて話したら良いんよ?」


 えぇっ!?敬語みたいなん……って敬語のつもりで話してたんだけど違った?初対面なんだし、可能な限り失礼の無い対応をするのは当然だよね?

 にしても会ったばかりの住民さんからいきなりのダメだしとか……。関西系の話し方をする人だから敬語とかその辺は落ち着かないのかもしれない。とりあえず先方がそうしろっていうなら努力はしますけどね……。


 「分かった。これでいいかな?ユーディット?」


 「まあOKや!本題いくで?ウチはこんななりでも、色粉っちゅう女性を美しく見せる為のモンを研究しとるねん。アンタも見たかも知れんけど、この町の女たちは全然化粧っ気がなくてなぁ……。

 というんも、化粧の材料自体は売ってるんやけど、如何せん値段が高いんよ。

 だからウチが安く手に入る材料で町に広めたろ思うてな。

 そんな訳でウチが頼みたいのは色粉って呼ばれとうもんの材料になるもんやねんけど、種類が、仰山ぎょうさんあるから何種類か纏まった数で持ってきて欲しいねんよ」


 うん、なんかごめん……。ユーディット以外まともに顔を見た覚えが無いの……。あっ、でもこれからはちゃんと見てみるから!


 「なるほど。内容は分かった。生憎私はその色粉の材料になる物の見分けがつかないんだけどどうすればいいの?」


 「その辺は大丈夫や。ウチの作った色粉の材料になるもんの特徴や名前を書いたリストがあるからそれ見ながらやって欲しいんよ。とりあえずガイアの周辺で採れる材料から始めてもろて、出来るようならもうチョイ難しいのも頼みたいねんけどどうや?」


 ユーディットはとりあえず私が使える冒険者かどうか確かめたいのかな?確かに簡単そうなもの物集められないようじゃ、本当にして欲しい仕事は任せられないよね。

 これはちょっと気合入るで~!……あっ、言葉遣い移っちゃった。


 「分かった、やる。というか既に依頼を請けてるんだから断れないって言うのも在るし」


 「せやったせやった。そんじゃこれがリストや。頼んだで?」


 「はいはい」



 こうしてユーディットの家(研究所?)を後にした私は近くで採れるという素材の名前と特徴を確認していく。

 その中には既に手持ちである荒野のレアモンスターであるストーンゴーレムがドロップした《輝赤石》というものがありました。


 うわぁ、よりにもよって荒野にいて探すのが一番面倒なモンスターの素材を集めないといけないのかぁ。

 依頼を請けた以上は頑張るしかない。纏まった数が幾つかわかんないけど長丁場になりそう。


 他の素材は……西の湿地のさらに奥にあるエリアの沼地にある《岩清水》、南西にある海岸で採れる《碑貝の殻》、南東の森で採れる《ウツボカズラの枝》に《輝赤石》を加えた合計4種類。


 困った……パーシヴァルさんの依頼とユーディットからの依頼で行き先が被りそうなものが無い……。

 どれからやっていこうかなー。


 パーシヴァルさんの依頼で向かう予定なのは北のノースガイア山。私が知る限り高い山といえばここしかないからね。ここがハズレだった場合はまたその時に考えよう。


 ユーディットの依頼は先も述べたとおりだから、今回も回る順番から考えないと……。


 ノースガイア山で集める《明星の白露(みょうじょうのはくろ)》は、わずかな期間だけ出現するって言うくらいだから時間限定で間違いないはず……。

 そして掲示板やら採取アイテム情報一覧を見た限り、人が多いお昼の時間帯は見つかってないので昼に取れるという可能性は皆無。残るは早朝と真夜中のどちらかですね。

 早朝なら私も早起きしてるから良いんですけど夜中だったら困るかなぁ。だって肌が荒れちゃうとお化粧のノリが悪くなっちゃうし……。

 たった一日くらい気にするなって思うかもだけど、女の子にとっては結構死活問題なんですからね!


 今の時間帯はすでに昼前ですので、今から山に行っても無駄足になりそう。だからまずはユーディットの依頼品から集めていくことにします。


 今の時間帯は荒野のあたりは混んでるから、後回しね。理由?ノースガイア山に続いて経験値効率が良いからじゃないかな?特に魔法スキルを持ってる人はソロでもいけるから魔法使い系のプレーヤーが多いんですよ。


 じゃあやっぱり西から攻めるしかないよね。だって……南東の森ってあのイタチのいる所でしょ……。まだちょっと怖い……。コウガ達も十分強くなってるし、クルスやイリスという仲間も増えた。だからあの時ほどは圧倒されないと信じているけど、不安なものは不安なのよ。


 時間的に湿地でクルスに食事を取らせてあげられるし、その方が良いのよきっと!

 他のみんなの分の食事はシオリさんに素材持込で加工してもらってあるので問題ありません。ではいざ、しゅぱーっつ!



 クケェェ!


 相変わらずクルス無双が続く湿地戦。

 湿地に着くなり早速レアな鯰さんが襲ってきたのには驚きました。

 他のパーティが戦っていたみたいですけどやられたのか逃げたのか……。あっ、勿論クルスたちが頑張って倒してくれました。仕事が早くて指示を出せない……。

 あっ、やはりドロップは鯰のヒゲと、肉、水地の結晶の3種類でした。また後でコトノのところに結晶を持っていかないと。


 湿地を越えると見えてきたのは澄んだ水が湧き出る沼地。

 えっと、ユーディットメモを見る限り、目に見える部分は綺麗に見えるけど欲しい材料じゃないので無視して欲しいと。彼女が欲しい素材じゃないだけで水の素材としては優秀らしいです。

 そういうことならシオリさんに持っていけば美味しい水料理を作ってくれるかもしれません!いらないといわれたら売却しちゃえば良いもんね。

 それにお料理の基本はお水からってアニメの誰かが言ってた様な気がするし。


 という訳で沼地の水もとい《クレアウォーター》を採取採取っと。


 ここで分かったのですがこの沼地は【クレア湖沼】という場所らしいです。まあ今回の依頼でしか来ないと思うので覚える必要は無さそうだけど。だって沼で通じるし?



 沼をさらに進んでいくと傾斜のあるところに大きな岩がゴロゴロしている沢にたどり着きました。

 あれ?沼エリアなのに沢?まいっか。


 メモによるとこの岩のどれかの下に求めている岩清水というアイテムの源泉があるらしいです。

 ……こ、この大岩を私にどうしろというのでしょうか。昨日12キロのタンクを持つだけで体力の大半をなくした私にこんなもの動かせるはずが無い!


 「ウォンッ!」

 「クケェー!」

 「コポォー!」


 私が困っているとセツナ・クルス・イリスの3体が任せてくれといわんばかりに前に出てくる。


 「この岩を動かせるの?」


 コクコクッ


 3体が揃って首を縦に振る。あっ、イリスの首は横にしか動かないんでした。なのでイリスだけは空中で円を描き肯定を示した。

 それぞれが自信がありそうだったのでお願いして後ろに下がると、まずイリスが大岩の足元部分にスプレッドを発射、続けてクルスとセツナがそれぞれロックブラストとウインドスラストを使用する。

 3体の魔法だけではわずかに動いただけだったので、そこへコウガが疾走からの体当たりをぶちかます。

すると……


 ゴゴッ……ゴロゴロンッ!


 おぉ!?動きましたっ!動いた大岩が傾斜を転がり幾つかの岩を巻き込んで破壊していきましたよ。

 すごいよみんな!いつの間にこんな連携を……。


 という訳で岩の下を調べましたが源泉らしきものは見つからず……あれぇ?こう言うのってヒロイン補正……じゃなくて魔王補正ですぐ見つかるんじゃ……。


 結局源泉が見つかったのは大岩を10個以上動かしたあと。


 疲れているところ悪いけど岩清水を集めるまでは頑張ってね。そしたら沢の所で休憩するから。


 こうして無事岩清水を採取し、沢に行こうとしたとき


 「ブシシシッ!」


 私達の背後からそんな声が聞こえた。

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