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22話

 次に向かったノースガイア山に出現するMTバグ。

 ビッグチュンが大量発生する場所で戦っていると出現率が高い気がするという書き込みを信じて、以前ビッグバーディ討伐依頼の時に調べた大木のある区画にやってきました。



 あっ、ビッグバーディのその後を説明してなかったっけ。あの後、山村に確認しに行ったんだけど、やっぱり別のビッグバーディがいるみたい。

 だからビッグバーディとクルスは全くの無関係だった。クルスがあの山に居た理由も以前、仲間になったときの情報通り、偶々逃げてきた先で私のお肉の罠に引っかかっただけでした。


 なのでクルスを仲間にしたその足で、出現ポイントを数周ほど回り、渓流区画で魚を捕っている最中のビッグバーディと遭遇。

 この先強くなるのがわかりきっているクルスが居る為、ビッグバーディを捕獲する必要も無いのでこれを全戦力をもって討伐。足場の悪さも壁蹴りを使用できるようになったコウガには足かせにならず、セツナも魔法を使えば普通に戦闘が可能。

 イリスは魚ですから渓流の中では元気ですし、クルスに至ってはビッグバーディの進化後みたいなものですから比べる気にもならない強さを示してくれた。


 討伐後ドロップしたお肉はシオリさんに調理してもらい、私も含めて皆でおいしく頂きました。ゲプゥ。あ、あらごめんなさい。



 話を戻して大木のある区画でビッグチュンを倒し続け1時間と少し経つ頃、ようやくMTバグと初遭遇。



 《常注クエスト:時折北の山に現れる【MTバグ】の討伐》を達成しました。


 言うまでもなく全戦力を持って15秒で討伐です。体力が減ると逃げるって聞いてたので逃げる隙間も与えない怒涛の攻撃で呆気なく……。

 情報どおり、大山虫の羽とお肉、それに山地の結晶というアイテムをドロップしてくれたので頂いておきました~。

 肉ドロップを確認した時の4体の目がすごく飢えたものになったときは焦ったよ。あまりの目力にガイアの街に戻ることにしちゃったもん。



 荒野へ向かう途中、イリスを仲間にした湖に立ち寄るとイリスは嬉しそうに湖で泳いでいました。


 そういえば私もそろそろ装備揃えていかないとね……流石にいつまでも初期装備のままでは、みすぼらしい……とは言わないけど、格好がつかないしね。

 早いうちに町に戻ってコトノに制作依頼しておきましょう。素材は……流通している中で妥当なものにしておこうかなぁ。



 最後に訪れたのが荒野。


 コーヤドールとアーマーアーミーという無機質タイプが多く出現する。ここではイリスとクルスが大活躍した。イリスは得意の水魔法で弱点を付き、クルスは土魔法のロックレインで鎧や装甲の守備力を下げ、コウガ達と協力しながら翼撃で引き裂くといった技を見せてくれた。


 情報サイトによるとストーンゴーレムが現れやすいのは荒野の中心部なんだって。


 その中心部だけど、幾つかの岩山がありいつの間にかストーンゴーレムが擬態化した岩山が増えていて、それに気付かずにストーンゴーレムに登ると戦闘になるって書いてた。


 中心部以外すなわち外周部で出会うストーンゴーレムは岩山になって無い分目立つけど、外周部に向かって移動するストーンゴーレム自体が少ないみたい。


 ただでさえレアモンなのに外側に出てきにくいとか外周部……ちょっと面倒ですね~。


 ゴゴゴゴッ


 ……え~?中心部どころかまだ外周部に入ったばかりなんですけど、目の前にストーンゴーレムが居ますよ~?

 いわゆる激レア個体さんハッケーン。チャーンスッ!


 「……クルスさん。やっておしまいなさい」


 「クケッ!」


 えへへっ、このセリフ言ってみたかったんだ~。某アニメの宇宙で有名らしい冷凍庫さん?のセリフ。



 《常注クエスト:時折東の荒野に現れる【ストーンゴーレム】の討伐》を達成しました。


 「ふぅ~。おつかれさまー」


 という訳で消えていくストーンゴーレムの残骸を見送りつつ一息。

 ストーンゴーレムはアーマーアーミーとおなじく装甲を纏っているような存在なので、ロックレインで弱体化すれば直接ダメージが通りやすくなります。

 しかもイリスの水魔法はこういう地属性モンスターの弱点ですから苦労することは無い。


 ドロップアイテムはゴーレムの核、輝赤石、そして大地の結晶というアイテム。

 ゴーレムの核というのは確か錬金術スキルを持っているプレイヤーが買取をしてたはず。次の輝赤石に関してはクエストで偶に募集されているらしいですけど用途は現在不明です。

 もし納品依頼で見つけたときにでも収めれば良いからとっておこうかな。


 あと鯰の時にもした結晶系アイテムの補足説明ですが、ドロップアイテムの前2つが通常ドロップ品で、後者の~の結晶というのが特殊ドロップアイテムです。


 特殊ドロップアイテムは倒す事ができれば必ず落ちてきますが、特殊というだけあり条件があります。

その内容とは討伐時のレベル制限があると言う事です。これに引っかかっていると倒しても通常ドロップ以外ドロップしません。

 特殊ドロップアイテムは装備品の強化を可能とするアイテムなので、強者がずっと弱いレアモンを倒し続けるのを防ぐ為の措置だそうです。



 「……私の場合どうなるんでしょう?ずっとレベル1なんだけどなぁ」


 恐らく倒したメンバーであるコウガ達のレベルも関係あると思いますが、なんとなくずっと出現してきそうな気がしますね。結晶シリーズを沢山集めて露店に並べたら大儲けできるかなぁ?

 夏休み中は時間があるんだしレベルあげと検証も兼ねてやってみよっか。



 ガイアの街に戻ってギルドへ討伐報告を済ませる。すると……受付嬢さんが笑みを浮かべて言いました。


 「アイリさんの冒険者としての実績が上がりましたよ。以後はさらに詳しい情報を得ることが出来ますのでご利用くださいね」


 おぉ!?やっと信用を得る事ができました!……ということは?


 《【魔王クエスト1】:光勢力のギルドに登録・潜入し新戦力について調べよう(難易度3)》の条件を満たしました。


 け、計算どぉーっりっ!(某柔道アニメの某大学の監督のセリフ)


 条件を満たしたってことは、新戦力とやらのお話を聞けば良いんですよね。じゃあ早速情報収集しましょ!



 「あのー、では早速ですけど色々お伺いしたい事があるんですー」


 細かく聞きすぎて疑われるといけませんので、まずは差しさわりの無い事から……。


 「このギルドへ新しく入った私みたいな冒険者ってどの位居るんでしょうか?」


 「そうですねー。最近新しく冒険者登録を行った人はアイリさんを含めて大体4万人ってところでしょうか。ですがこの中には生産方面の依頼をこなす為に登録した人も含まれますので、戦える人はもっと少ないと思いますよ~」


 へぇ、やっぱ光の勢力でスタートしたプレイヤーは多いんだね。この光勢力の方が良いと思い込んでるプレイヤーたちをいつかギャフンといわせてやりたいわ。


 光の勢力が数で来るなら私達闇の勢力は質で勝負よ!



 「では闇の勢力と戦う上でどういう風にがんばれば良いでしょうか?」


 「やはり自力をあげていただくほうがよろしいかと。当ギルドにはレジェンドクラスといわれる一握りの者たちが居ますが、あなた方には彼らくらいになっていただきたいと思っています」


 ふむふむ……レジェンドクラスかぁ。私ってどのクラスなんでしょうね?この際ですから聞いてみましょう。


 「アイリさんのランクは駆け出し・初心者を抜けて中級者に入った辺りでしょうか。この上には上級者・特級者と続き一番上に先ほど申しあげたレジェンドクラスが入ります」


 もうちょっと詳しいことを知りたいけどこれ以上聞いたらダメな気がする……。

 あと少し上の上級者クラスになるまではこれ以上の質問はしないほうが良いかも。ギルドの受付さんの目つきが鋭くなって来てるし。


 「なるほどー。分かりました。じゃあもっと頑張って上のクラスを目指します!」


 「はい。当ギルドはその時をお待ちしております」



 《【魔王クエスト1】:光勢力のギルドに登録・潜入し新戦力について調べよう(難易度3)》を達成しました。


 きたー!キマシター!やっと一つ目の魔王クエストを達成できました。

 じゃあさっそく経歴を確認しましょう!どんな情報が書かれてるかなー?




 《現在の闇勢力の情報その1》

 始まりの荒野ユーリ:住居数8つ・住民20名・雑貨屋1つ・闇勢力ギルド1つ

 数百年前のこと。不毛の荒野が続く中、わずかに残った水を求めてやってきた魔人族が作った村。

 住民は常に飢えており、自分たちがいつ滅びる事になるのかと戦々恐々している。


 《現在の闇勢力の情報その2》

 最近は突然現れた謎の冒険者達のおかげで荒野に出現するモンスターの肉が手に入るようになり、住民にも元気が沸きつつある。

 現在の闇勢力冒険者は1万5千人。このうちユーリに居ついているのは2割以下の模様。残りの8割は新天地を求め何処かヘ旅立った。


 《現在の闇勢力の情報その3》

 荒野の集落ユーリの状況。

 食はそろってきたので、衣と住に興味がわいている。一部の住民は冒険者が持ち込んだ素材で爆弾を作って周辺モンスターの駆除を行っている。

 建築・服飾系の職人系冒険者が非常に不足中。




 ……これが闇の勢力の情報?なんか少ない……

 てか職人さん闇の勢力にもっときてぇぇ!町を大きくしてあげてぇぇ!!


 まあ最初のクエストだしこんなものなんですね。もっとあっちの情報を仕入れないとやっていけなくなっちゃう!


 あっ、そうだ。詳しく知るなら彼らに連絡取れば良いんでしたっ。最近ご無沙汰だったし、連絡してみようかな。返事が来るかどうかはわかんないけど。

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