16話
うぎょお!!ブックマーク1000こえてるべさ……。
たくさんの人に読んでもらえてることが素直に嬉しいです。
これからもがんばります。
「すみません。こちらにビルドエラーさんはいらっしゃいますか?」
プレイ開始3日目、。
私は現在コトノとルグード二人に勧められた鍛冶師プレイヤーの鍛冶場にいます。それにしても生産職なのにそんな名前で良いのかな?悪いイメージしか思いつかないんだけど……。
「誰がビルドエラーだ!ぶん殴るぞこんちきしょーがぁぁ!!」
「わわっ!!」
怒鳴り声を上げながら出てきたのはスキンヘッドで強面の人族男性。
手には大きな鍛冶師用ハンマーが握られています。もしかして殴るってあれででしょうか……。リアルで殴られたら命がなくなりそうな大きさです。
「さっき変な名前で呼んでいたのは、おまえかっ!」
鍛冶場の前にいるのは当然私一人なので、私に向かって怒鳴りつけてきました。
「え、えっと、コトノとルグードさんに鍛冶スキルで腕の良い人を知らないか聞いて見たところ二人してこちらにいらっしゃると言うビルドエラーさんを勧めてもらいまして。それでここに来たわけなんですけど……」
「ちっ、あいつらが原因かぁぁ!人を変な名前で呼びやがって、後でボッコボコにぶん殴ってやる!」
な、何かお怒りのようです。始めたハンマーの素振りの速度も速いですね。私なら一撃でアウトですね。一生涯レベル1だし……。
「あ、あのすみません。もしかして私は名前を間違えてましたか?」
「……おう。俺はB=ルドラーだ。間違ってもビルドエラーなんてふざけた名前じゃネェ。
アンタも二度と変な名前で呼ぶなよ?もし呼んだら……その綺麗な顔、ハンマーでぶっ潰してやっかんな?いいなっ!?」
「も、もちろんです。すみませんでした!」
ひぇ!こ、怖すぎますよ~!?に、二度と間違えませんとも~ビルドエ(ギロリ)……じゃなくてBさん!それともルドラーさんかな?まあどっちでも良いけど呼びやすいから前者で!
うぅ、それにしてもこういう怖い人にこそ魔王の適正があるべきじゃないのですかー!?どういった選別してるのよ運営~。
「それで、どういった用件できた?こっちも忙しいから要件は手短に頼むぜ?」
「はい。その前に自己紹介をさせてもらいますね。
私はアイリと言いまして調教師をしてます。今回はウチの仲間の装備を作っていただきたくて訪ねてきました」
私はBさんにコウガ達の装備について、どういった使い道をするかなど詳しく説明していきました。
Bさんは、ふむふむと頷きながら、時折そういう使い方をするのか等と相槌を打った。
「調教師、なるほどな……別に武器を作ってやるのは構わねぇ。その代わりと言っちゃなんだが……」
ひぃ!か、顔近いですよー? 見れば見るほど頭がピカピカしてて天辺に毛が一本だけチョロリと生えてるのが可愛いですよ。私はその天辺を見続けていたみたい。
「……聞いてるのか?おい。それにアンタ一体何処を見てやがんだ?」
「あっ……すみません。聞いてませんでした」
とりあえず謝っておきましょう。魔王プレイでも怖いものは怖いんです、仕方ないでしょっ!
Bさんが舌打ちをしながら私が聞いていなかった条件などをもう一度説明していく。
それによりますと、Bさんは鍛冶に使う素材としてガイアの東にあるゴブリンの集落に出現するゴブリンから鉄剣やら鉄斧といった鉄素材、同じく東に現れるコーヤドールというモンスターからドロップする鉄心核なるものを集めてきて欲しいとの事。
それらを沢山もってくれば持ってきてくれるほどイイモン作ってやるぞ。と言うことでした。
コーヤドールは存在自体初めて聞きましたので後回しにするとして、ゴブリンなら聞いたことがあるので今のコウガたちでも倒せるはずですし、大丈夫でしょう。
大鷲も気になりますが、今は戦力増強が優先よね。
Bさんに素材を集めたらまた来ますと言い残し鍛冶場を後にする。
その足でコトノの露店に立ち寄り、Bさんが怒っていたことを伝えるとガクガクブルブルと震えていました。私も怒鳴られたんだからコトノも叱られれば良いんだよ。
町を出る前にシオリさんの露店も発見したので、謎のお肉(黒い微笑を添えて)を提供しておきました。
シオリさんは私が出したのは猪肉だと思い込んでいたらしく、買取を済ませて肉の鑑定をしてから悲鳴を上げていました。ふふっ。上手くいきましたね。
その後町を出るまでの間、シオリさんからの激オコメールが届き続けました。
……別にそんな怒らなくても良いじゃん。肉が欲しいっていうから持ってきたのに。
気を取り直してやってまいりましたゴブリンの集落。
ゴブリンは亜人種系モンスターですので私のパッシブスキルの影響外です。だって持っているのは【好感(小)・魔人族】だもんね。
そもそも仲間に出来てもゴブリンは無いかなぁ。魔王になった時に配下として使い潰すのはアリかも知れないね。光勢力下のフィールドでは魔王のテイムスキルの効果は発揮出来ないから、闇の勢力に戻った時にゴブリンの集落を探してみようっと。
こう言った理由で今までの動物系、鳥類系モンスターと違い、普通に狙われてしまうので接近戦に強いコウガに護衛をお願いすることにする。
セツナは潜伏のおかげで集落つぶしの主戦力だから私の護衛は自動的にコウガになる。
ゴブリンたちは木の棒を持っているものから依頼品である鉄系統の装備をしているものまで様々。
私はセツナに少ない所から確実に倒していくように指示をしておく。
あとはある程度数が減ったら、私の姿をヤツラに見せれば良いかな。
うーん、自分から囮になる考えが出来るのは、初日のあの人たちのおかげね。そういえばあの人達どうしたのかな?最近見ないから次のフィールドにでも行ったかな?
次に見かけたらコウガ達をけしかけてやるんだからっ。
グギァァァー!
「ふぅ、思った以上に多かったね。お疲れ様コウガ・セツナ」
確認した限り最後となる断末魔の声が聞こえた所で今回すごく頑張ってくれた2頭に労いの言葉をかける。
コウガ達は嬉しそうに擦り寄って来るので、撫ぜてあげるとすごく喜んでくれる。うん、かわいいよー!
今回集落で倒したゴブリンの数はなんと67匹。そのうち鉄系素材を落としたのは34体。割合で言うと半分くらいかな?鉄装備を所持しながらも討伐時にドロップしないゴブリンが居たからこればかりはしょうがない。
この数を実質2頭で倒しきるなんてすごすぎるよね。
ちなみに私はゴブリンを釣ってただけで、私の方に来たのはコウガが片っ端から倒してくれました。
まあ実際は逃げるのに必死でした。そのおかげでコウガもセツナもレベルがすごく上がっていますよ~。
今見たらレベル16とあります。昨日、山で大鷲と戦ったときがレベル13だから3つも上がったんだね。
2頭とも新しいスキルを覚えたみたいだし確認してみよう。
名前 コウガ
種族 ランドッグ♂ 獣種ランク1
LV 16(882/2844)
スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【引っ掻き】【威嚇】【壁蹴り】
パッシブ 【同種連携】
強さ
物理能力 59
魔法能力 26
名前 セツナ
種族 ランドッグ♀ 獣種ランク1
LV 16(1087/2844)
スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【潜伏】【咆哮】【風魔法1】
パッシブ 【同種連携】
強さ
物理能力 29
魔法能力 52
これはかなり強くなった感じです!何せ新スキルがすごい!早速説明を読んでみますね!
【壁蹴り】:壁や木などの障害物を地面と同じように走る事が可能になる。
【風魔法1】:風の属性魔法を使用できる。レベル1では【ウインドスラスト】・【エアロアップ】使用可能。
ウインドスラスト:風の刃を放ち相手を切り裂く魔法。
エアロアップ:風の力で移動速度・行動速度を僅かながら上昇させる。
やりました!セツナがとうとう遠距離攻撃修得です!あと装備が揃えば大鷲との戦いも楽になるはずです!
その為にも次の目的地はコーヤドールが居るという東の荒野です!荒野に居るコーヤドール……運営さんダジャレ……寒いです……。




