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13話

ブックマーク・評価・コメントありがとうございます。前話に載せたように御意見などありましたらお寄せください。


【本題】 2話投稿用のストックが切れましたので今日から1話更新になります。ご了承ください。

 「あの~、すみません。これはどういう依頼か詳細を知りたいんだけど~?」


 ギルドの受付に一枚の依頼書を持っていった私はその依頼の不明な点を聞くことにしたのです。その依頼書の名目はこうです。



 《特殊依頼:最近山村を脅かすモンスターが現れ、依頼主が困っているので、討伐もしくはこちらに来ないように追い払って欲しい。 報酬5000D》



 「はいはいっと……あぁ、この依頼はですねガイアの街の北にあるノースガイア山という地域に最近出現するようになった大鷲【ビッグバーディ】の討伐、もしくは追い払って頂くものですね。

 その依頼主というのは山の中にある村の人たち全員ですね。

 本来このモンスターは依頼にある山よりもさらに北部に生息しているのでこの辺りでは珍しいモンスターです。

 大鷲と書かれてあるように、力が強く、飛行するモンスターですので受けていただくのでしたら複数名で向かわれる方が無難かと存じます」



 ふむふむ。鳥系モンスターの討伐もしくは二度とその場所に戻ってこないように追い払う……ですか。


 「では仮にこの大鷲をテイムをした場合はどういった扱いになるのでしょうか?」


 「あぁ、そういえばあなたは調教師でしたね。それでしたらテイムしていただいても追い払えたという事で依頼成功という扱いに出来ますよ」


 わぁ、これはいい話ですね!そういう事なら是非ともテイムしておきたいですね。鳥系の仲間が増えれば索敵も便利になるだろうし!この依頼にきーめたッ!!


 うーん、あとは複数名って所だけどコウガ達で大丈夫だよね。


 なんだかんだでソロ活動してるけど、コウガ達以降、他のモンスターのテイムが出来てないのです。

 実は先ほど高山下層部でレベルを上げたとき、ついでに蛇やら猿、猪に対してはテイムを試みている。だけど、沢山ある各種パッシブスキルが仕事をしていないのか全く仲間になってくれる気配がありません。


 高山は諦めて戻ってきた始まりのフィールド。

 2日目になると空いて来ていたので、ここでもポポ(鳩)とコラビー(お世話になったウサギ)にもテイムを試みましたが、攻撃されることは無いものの仲間になる様子は見えなかった。


 これらの事からどうやら【好感】系のパッシブスキルはスキルの説明どおりの意味ではなく、それらの種族からの敵対心を減らす割合の方が多いと考えました。よくよく思い出せば高山下層部でいたちと戦ったときも私への攻撃をためらっていたのは見て取れましたし。


 それならば敵愾心を減らした上で何か相手の気になる行動をすれば比較的簡単にテイムまで持っていけるのではないでしょうか?


 そこで思い出すのはコウガ達を仲間にした時の状況。パーティを外されソロになった。

 その後私はデスペナの恐怖とパーティメンバーに裏切られた事から地にへたり込み、悲しい気持ちになっている状態でコウガ達を見た。それだけなのにコウガ達はテイムを受け入れてくれるようになった。


 ……見ただけで?確かに視線は合ったけど。……あっ!そうか。


 あの時の私の悲しい気持ちがコウガ達に伝わったから、顔を嘗めて慰めてくれた?その後はコウガ達を撫でてたっけ。

 テイムをスキルとしてただ使用するんじゃなく、敵愾心を取ってモンスター()と一緒に行きたいって言う気持ちを伝えながら、触れ合えば良いのかもしれない!


 きっとそうです。だけど本心から思っていないと効果が出ないとしたら、大鷲相手に本気で本番の勝負をしないといけません。だって今どうしても仲間になってほしいのはその大鷲だから。他のモンスターで試すなんてとんでもない。

 例え見当違いで失敗しても撤退して何度でも挑戦すれば良いだけだから恐れる必要も無いもんね。



 ギルドの受付で依頼を受注する事を告げ、私はノースガイア山へ向かいました。


 あっ、ちゃんと鼬との戦闘で使い切ったポーションやら状態異常を治すお高め(でも私は称号の効果でお手ごろ価格)の薬も用意しましたのでご心配なく。


 状態異常を治す薬は、麻痺と暗闇を癒す効果があるものです。

 ギルドでノースガイア山に生息する注意すべきモンスターを聞いたところ、これらの状態異常の攻撃を仕掛けて来るらしいので。



 「うわぁ、高い山……リアルだったら絶対に登る気が起きないね」


 野を超え谷を超え、やってきましたノースガイア山。あっ、途中に谷はなかったですね。


 ギルドで情報を収集した結果、順路として山村の人が通る道があるのでそこを通って行くようにいわれました。裏道もあるらしいですが、そちらはかなり凶暴なモンスターが現れるらしい。

 まあ私の目的はその凶暴なヤツじゃなくて、順路を進んだ先に現れる大鷲ですから行く気はありませんけどね。




 「なあ、そこの犬連れたプレイヤーの人。アンタ、まさかこの山に一人でレベルあげに来たのか?」


 山の大きさに呆けているところへかかる声。うん、ビックリしましたよ~。もう囮とかそういう考えはしないですけど、突然声を掛けられたら驚くよね?


 声をかけてきたのは男性一人に女性二人。種族は男性が人族で女性はエルフと猫の獣人でしょうか。

 なんか強そうな気配を感じますよ。言ってみれば森で敵だったコウガ達に出くわした時のような。


 「え?はい、まあそうですね。目的の一つとしてこの子達の育成なんです。もう手前の草原の鳩やウサギじゃ割に合わなくなりまして。

 次の狩場として適当であるか腕試しも兼ねてきたんですけど……それが何か?」


 ノースガイア山の手前にあるアンダーガイア草原は、ポポやコラビで戦闘に慣れたプレイヤーが訪れる場所として次に訪れる場所としてお勧めされている場所。そのアンダーガイア草原の先にあるこの山は他のゲームで攻略組といわれる人たちがパーティを組んで訪れる狩場なのだ。


 そこにたった一人で来ているのだから怪しまれて当然だし、それが女性一人だったら声も掛けたくもなる……のかな?


 「そうか。あんたがよければ一緒に狩をしないか?この山は俺達のメイン狩場でどういう敵が厄介か、も山頂までの道も分かるからさ」


 「ち、ちょっとアーサー。私達だけでも安定してるんだから今更増やさなくても良いじゃない」


 「私は入ってもらっても良いと思いますけど~」


 勝手に話が進んでいる気がしますねぇ。この人達も人の意見を聞かない派ですかね。特に二人目の猫っぽい女性はすごく反対してるみたい。

 でも大丈夫ですよ?加わる気は全くありませんから~。


 「あの~、お誘い頂いてありがたいとは思うんですけど腕試しなので一人で行きたいので今回はお断りさせて頂きますね」


 「えぇっ!?だけどここのモンスターは結構強いぞ?ほんとうに一人で行く気なのか?」


 「そうよね。腕試しは一人でやりたいわよね?ほらアーサー。本人がこういってるんだから良いじゃない。ね?」


 「残念です~。私としてはその犬さん達と行きたかったんですけどー。カーシャちゃんが犬嫌いだからダメみたいー」


 「ち、ちょっとサアラ!初対面の人に私の苦手な事を教えないでよね!」



 むぅ!?犬が嫌い?それはつまりこんなにかっこかわいいコウガとセツナが嫌いだと言う事?


 この子達のよさも知らない○○(ピー)が?

 私は一気にこのカーシャとかいう猫プレイヤーが嫌いになりました。魔王になった暁にはギッタンギッタンのケチョンケチョンしてやるんだからね!

 ……だから今は許しておいてあげる!べ、別に今やって勝てないからって言うわけじゃないからっ!



 「……そちらの方もウチのかわいい子たちが苦手な様ですので今回は縁がなかったということで……失礼しますっ!」


 見知らぬ人達からの犬嫌い発言により苛立っている私から出たのは毒を含んだイントネーション。


 「えっ?あっ、ちょっと待っ……」


 こう言うのはさっさと消えるに限ります。私は3人を放置し、山登りを開始しました。

 呼び止められたからって待っていたら、いつまでたっても進めませんしね。

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