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143話

すいません。いつもよりかなり短いです

 「……あれが魔人王の軍かぁ」


 「アイリ様。奴らは昨日の時点であの場所に陣取っており、いつ攻めてくるかわからない状況です」


 魔人王の軍を見ながらトリビアが言う。昨日の時点で来てたならなぜすぐに攻めてこなかったのか?

 ここはゲームなんだから、目的地が見えてるなら領地を奪うためにすぐに攻めて来てもいいはず。だけどそうしなかった理由は簡単に想像がつく。


 魔人王の目的は私を配下に加えるため力を示したいのだ。なら私が不在の時に領地に攻め込んでも仕方ないと考えたのでしょう。


 「確かにその通りだと思います。現に魔人王たちは途中の集落での破壊・略奪などは一切しておりませんから」


 うん、まあそこだけを見れば良い感じの印象は受けるよね。まあその辺は魔人王の慈悲とかじゃなくて後始末の問題を抱えたくないだけじゃないかなぁ。


 「報告します、アイリ様。パーシヴァル殿から報告がありました。今すぐにでも動けるとのことです」


 「そう、わかった。それじゃあ、パーシヴァルさんに開戦することを伝えて」


 「はっ!」


 突如現れたのはイザベラ。あれこれあって暗殺ギルドの新ギルドマスターとなった彼女は私の配下になっている。

 当然彼女が配下になったという事は、アサシンギルドも私の意思次第で動かせることになっている。……なぜこうなったかというと……。魔人王が攻めてくるという情報を手に入れる前から計画していた樹齢王討伐について考えてたある日、イザベラが領主館を訪ねてきた。



 「お久しぶりです、アイリ様」


 「あっ、イザベラ。高原の集落で会って以来ね。今日はこっち方面で仕事?」


 「いえ、今日はアイリ様にお願いしたい事があって参ったのです」


 「私にお願い?何かな?」


 「先週の話になるのですが、私はアサシンギルドを牛耳っていたギルドマスターを殺害いたしました。

というのも、その前ギルドマスターは、前々からギルドへ依頼金の一部を着服、自分の立場を利用し徐々に着服額を増やし私腹を肥やしていました。そのせいでギルドの運営は常に火の車。

 このままでは本来この先現れるであろう魔王様を陰から支えるという原初の理念を続けることが出来なくなります。よって私は同じく魔王様を支えたいという同志を密かに集め、ギルドマスターの殺害を考えておりました。……その不穏な空気を感じたのか、ギルドマスターの命令により私は一時期は光の勢力側にスパイとして出向させられてしまいました……。

 ですがそこで私たちが支えるべき仕えるに値する魔王候補(アイリ様)を見つけることが出来たので、そこだけは感謝しておりますけど……」


 「……う、うん、それで?……その話から続くお願いって言うのはもしかして……?」


 「はい、私たちが支えるべき魔王様としてアサシンギルド一同をアイリ様の配下にしていただきたく参上しました」


 「えぇ……急に配下にしてくれって言われても……」


 「私たちの事なら捨て駒にしてくださって構いません……と言いたいところですが、そういう扱いをアイリ様は嫌っていることは重々承知しております。ですのでアイリ様の力を借り、影日向で支えるべく鍛えていただきたいのです」


 「なるほど、死なないように軍勢スキルで小出しにして高レベルダンジョンで鍛えてほしいという事ね。鍛えるのは良いけど今の私は魔人族を呼び出す軍勢スキルを所持していないのよね……」


 「おそらくその点は今現在不穏な動きをしている魔人王を倒せば解決するでしょう。どうかご一考願えませんか?」


 「……どうしても配下になりたいというのよね?」


 「はい」


 「わかったよ。アサシンギルドが私の配下に加わることを認める。だけどモンスター系の配下と違って話が出来るんだからトリビアとかパーシヴァルさんと話をして私の悪いところがあればちゃんと指摘するようにしてよ?」


 「あ、アイリ様に意見を……ですか?ぜ、善処いたします」


 ……不安な反応だよ。光の領域で会った時からイザベラったら私の言う事をホイホイ聞こうとしてたもんね……。その度にパーシヴァルさんに窘められてたけどさ。よし、この件はちゃんとパーシヴァルさんにも言っておこう!パーシヴァルさんも魔人王を倒したら配下というか家族にしてほしいと言ってたもんね。そっちも答えを出しておかないと。

 こんな感じでイザベラは配下になった。




 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 「バルムンク様……彼の地にして女性型王種を発見しました。隣には例の氷獣王の姿も確認できております……当然ながらこちらの動きにはすでに気付いていたようです」


 「ふははっ、そうか。だがようやく見つけたぞ。あの死霊王を倒し、老いて力を落とし自領に引きこもっていた氷獣王を従えた新たな王種よ。この俺の配下に加わるならよし。そうでないのであればこの後の憂いを断つため此処で消えてもらうっ。行くぞ我が配下たちよ!」


 魔人王バルムンクが号令をかけると、彼の後ろにいた魔人族の兵士五千と魔人王の配下である魔鳥・龍・無機質のモンスター達が進軍を開始した。



 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 「魔人王達が動きました」


 「そう、特使とかは来ていないのよね?」


 「はい。軍勢を含めたすべてが動きましたので話し合いの余地はないかと」


 「そう、それじゃ私たちも行きましょうか。コウガ達も好きなだけ暴れてらっしゃいね」


 「わふっ!!」「グルァッ」「クケェェ!」「任せておくがよい。全盛期ほどではないにしてもあの程度の輩、今の我でも十分じゃ」


 みんなの心強い返事を聞き、彼らを送り出す。

 そのすぐ後には私も軍勢を呼びだす準備を整えた。まずは様子見の軍勢戦、まあ様子見のつもりで痛い目を見てもらう事になるだろうけど、話し合いの余地すら与えなかった魔人王あなたたちの判断ミスだから仕方ないよね?

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