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138話

夏バテというか熱中症の症状が日に日にひどくなってきており、月曜日の更新に不安がでたので、まだ元気があるうちに更新しておきます。


次話は8/3か8/7になると思います。

 デスローブ・ナイトメアの放った雷の嵐から逃れ、ロアンを出し抜いた(?)樹齢王をとらえていたのはカエデと魔樹系統のランク7であるマシンガン・ヘルトリッカー。二人は樹齢王を挟むような位置取りしており、既に攻撃を開始する体勢に入っている。


 初撃を放ったのはマシンガン・ヘルトリッカー。初動でしなる枝を大きく振りかぶり、名前のごとく目で追うのが難しい程の速度でズダダダッと言う音を出すジャブを連続して放つ。

 ランク7というだけあり、あまり威力のないはずのジャブでも樹齢王には有効なダメージを与えており、数回も当たれば0.2%ほど削れている感じだ。

 そしてその反対からはカエデが一撃に重きを置いた一撃を放つため、力をためている。当然ながら既に攻撃に雷属性や風属性を吸収付与済みである。


 「ヴヴヴッ!!!」


 カエデが動く素振りを見せるとマシンガン・ヘルトリッカーもフックやらストレートに似た攻撃を織り交ぜ樹齢王を逃がさないようにタコ殴りにしていく。


 「あばばっ!ひょぼぁぁっ!!!止め……の……じゃぁっ……」


 樹齢王が何やら言いながら針葉樹っぽい物を発射するが二人も同じくダメージによるノックバックが少ない魔樹系統。イリスの回復魔法も来るし、多少のダメージなど気にせず攻撃を続けられる。

 そう言う事もありマシンガン・ヘルトリッカーの攻撃が止むことは無い。そしてここで力をため終わったカエデが【ワン・ツー・フィニッシュ】のフィニッシュブロウを放つ。

 連携強化率がとっくに最大の400%に達していたカエデに依るフィニッシュブロウとは、カエデの枝を【伸縮自在】を使う事で大きく太くまとめた枝を相手に突き刺し、貫くというものだ。しかも貫いた後に押し広げるように枝が分散される。


 「ひょげぇぇっ……」


 マシンガン・ヘルトリッカーの攻撃と避けることなど到底不可能な距離からのカエデの攻撃により、樹齢王の体に大きく穴が開き体力ゲージを一気に30%も削った。

 今までの細かなダメージの累積もあり、残り数ドットしか残っていない樹齢王の体力ゲージ。


 「わっふぅ~(カエデが仕留めきれなかったからとどめは貰うのである~!!)!」


 ドサリと音を立てて崩れおちる樹齢王。先ほどまでしつこいくらいに聞こえていたしわがれた声がもう聞こえない。そこにやって来たのはコウガと私の配下の獣種モンスター達。

 配下の獣種を上手く使い、かろうじて原型を残している樹齢王を咥えるとコウガの方へ放り投げた。


 「わふんっ!(ご主人と遊んでいるときに覚えたこの必殺技でキメてご主人に喜んでもらうのである!)」


 コウガは放り投げられた樹齢王を空中でキャッチするとそのまま着地……と同時に衝撃で噛み砕いてしまった。


 「わ……わふっ?(あ、あれぇ?)」


 「むむぅ、コウガめ。なかなかやりおるのぅ……」


 ロアンがなんとなく羨ましそうにオロオロするコウガを見つめていた。



 ≪あるフィールドにおいて、あるプレイヤーが王種モンスター《樹齢王コンヴァイン》に勝利しました≫


 《プレイヤー名:アイリとミスティのパーティによって迷いの森エリアの樹齢王が討伐されました》

 《プレイヤー:アイリが王種を倒した事で魔王の資質が強化され魔王の熟練度がⅥになりました》

 《プレイヤー:アイリの魔王の資質が強化された事で新しいスキルを取得しました【軍勢強化】・【モンスター派遣】。さらに一部のスキルが変化しました》

 《プレイヤー:アイリの魔王の資質が強化した事によりステータスが上昇しました》

 《個体名:カエデに新しい進化先が追加されました》

 


 ……終わった。最後があっけなさ過ぎて唖然としたけど終わってしまったものは仕方ないよね。

 気を取り直してスキルとステータスチェックでもしよう!



 名前 アイリ

 種族 人族 

 適正 魔王 (Ⅴ→Ⅵ)・調教師

 LV 1(-/-)

 スキル

 【ナイステイム】

 【統治19】→【完全統治1】

 【感応13】→【感応18】

 【※エクスチェンジ】

 【麗王の覇気】

 【魔唱歌】

 【軍勢・魔獣/獣】

 【軍勢・魔鳥/鳥獣】

 【軍勢・魚獣/魚】

 【軍勢・亜人】

 【軍勢・魔樹/植物】

 【軍勢・物質/魔動機】

 【軍勢:死霊/精霊】

 【軍勢:魔粘体】

 【軍勢:魔蟲/虫】

 【軍勢:堕天/魂】

 【モンスター派遣】(new)


 パッシブ

 【好感(小)・魔人】 →【好感(中)・魔人】

 【好感(大)・魔獣/獣】

 【好感(大)・魔鳥/鳥獣】

 【好感(大)・魚獣/魚】

 【好感(大)・死霊/精霊】

 【好感(中)・妖魔/堕天種】 →【好感(大)・妖魔/堕天種】

 【好感(大)・魔樹/植物】 →【好感(極)・魔樹/植物】

 【好感(中)・魔蟲・虫】 →【好感(大)・魔蟲・虫】

 【好感(大)・魔粘体】

 【好感(中)・物質/魔動機】

 【好感(中)・亜人】

 【メイクアップ】

 【軍勢強化】(new)


 強さ

 STR 1(+21)

 VIT 1(+12)

 AGI 1(+12)

 DEX 1(+1)

 INT 50(+21) →100(+21)

 CHA 490(+490+62) →620(+620+62)


 装備

 多弁鞭 STR+7 二回攻撃できる。素STR値が30を超えているとき攻撃回数+2

 ヒマティオン・フェザー VIT+4 INT+7・CHA+12

 チャームネックレス CHA+4

 鬼樹のサークレット+2 STR+9、VIT+8、INT+5

 クイーンシューズ+3 AGI+12、CHA+15

 鬼姫の躯手 STR+5、CHA+6

 スカッドモノクル INT+5、CHA+5

 花鳥風月 【薫り立つ美】【見通す視線】【対人耐性:中】【※※】【※※】 内蔵スキルに依りCHA+20


 称号

 闇勢力の切り札・気になるあの子・魅惑の美姫・神をも堕としうる美貌・傾国の美女、世界を揺るがす美神・虫嫌い・魔素を知る者



 じゃあまずは新しいスキルからだね!対象は【完全統治】・【モンスター派遣】・【軍勢強化】の三種。

 【統治】スキルがスキル変化した【完全統治】。

 これは自分の領地の住民すべてからの賛同を得られないと現れないスキルで、領地内でぶっちゃけ何をしても許されてしまう神スキル。うーん、条件から察するに私って住民を魅了しすぎてる?あの失敗以来住民に対しては覇気系統のスキルも使ってないのになぁ……。

 ……話を戻して、なんでも好きに出来るからって今までと正反対のやり方をするつもりはないから深く気にしないでいい。

 このスキルで変化した点は、現地で《代官任命》していたのが、別の地域から優れた住民を派遣したりできるようになった。優れた住民と言えば今現在トリビアから能力の優れた住民のリストが上がってきてるね。やっぱりこれって私が直接会って話したりしないといけないのかな?

 あとそれ以外だと意思の疎通が出来ればモンスターを派遣しても良いっぽい。

 今の私だとロアンしか派遣できないのかぁ……する気は今のとこ無いけどね!あっ、でも今回カエデが樹齢王……いえ、魔樹王に進化できる条件が整ったはずだから話せるようになるよねきっと。……楽しみっ!


 あとは転移装置が簡易なものじゃなくてちゃんとしたものを設置できるようになった。設置には大金がかかるけどね~。

 これにより私の領地下で長期にわたって活動した実績(ホーム登録)のあるプレイヤーにも自由に装置が使えるようになるよ。少し前にPVPしたあのパーティの人達残っててくれるかなぁ……。

 言うまでも無いけど住民は全員無条件で使える。だから何だって言われると困るんだけどさ。



 次のスキルは【モンスター派遣】。

 さっきの完全統治の説明時も、同じような話が出てたけどこれもほぼ似たようなスキルだね。違いは領地経営になるか育成目的になるかの違いだから。

 配下になった軍勢モンスターを言った事のある地域のダンジョンやフィールドに派遣し戦闘経験を積ませるスキル。派遣先が遠ければ遠いほど得る経験値と死亡率が高くなり、近ければ近い程低くなる。

 これによって私が手をかける手間が省けるんだけど、手間が省ける分モンスターの死亡率が高くなるんだって……。

 けど遠くに派遣しなければいいだけの話だし、私が立ち寄った強いモンスターの出現するダンジョン内に派遣すれば、死亡率も低いまま強いモンスターで経験が積めるのでこっちの方法ならオススメかなぁ?


 今まで派遣という形をとれたのはティアだけだから別の子達でもできるようになってよかった。

 あっ!そうそう、ティアで思い出したけど樹齢王を倒したことでやっと卵を産んだ(作った)ペナルティが解けました。

 当のティアは「マスターっ!やりましたっ!ペナルティが解けましたので早速情報収集の任務に就かせていただきたいと思います!」とか言い出した。


 「ティア、情報は後で良いからまずは錬成と合成の作業をすべて終わらせなさい。あなたがそれを終わらせないと私の装備を依頼しにいけないでしょうがっ!」


 「はいっ!申し訳ありませんマスター!すぐに取りかかりますっ!」


 ティアは生産作業を開始し、半日ほどかけて預けられていた素材を錬成・合成し、リメイクしたのだった。



 最後に【軍勢強化】についてだけど、これは言うまでもないですね?

 配下の能力制限ペナルティを少しだけ緩和されました。将軍職や部隊長などの役職についているランク6や7の配下達に関しては基礎能力が向上しました。

 魔人王との戦闘前にこのスキルを得られたのは大きいですね。パーシヴァルさんやトリビアが言う限り以前の私でも優勢だといってたし、これで負けは無くなったはず!

 魔人王は強者だという話だし、戦闘開始したら配下の数体はやられることは覚悟してるので樹齢王の時みたいにキレたりしないよ?



 新スキルはこんなものであとは表示が変化した好感度系スキルだね。

 【好感・魔人】のスキルがとうとう小から中に変化しちゃいましたね。これが私が先を進む上でどういった影響を与えるのか見当もつきませんが、その時になってから考えれば良いことだよね。

 でも一番気になったのは【好感(極)・魔樹/植物】だよね。まさか【獣/魔獣】より先にこっちが極になるなんて思ってもなかった。ますますカエデの王種進化を急ぎたくなったよ。



 そしてお待ちかねのステータスの変化です!抜粋するとこんな感じ。

 INT 50(+21) →100(+21)

 CHA 490(+490+62) →620(+620+62)


 INTが50も上昇し100になったことで、【エクスチェンジ】での2倍強化が出来るようになり、【魔唱歌】を使わず【エクスチェンジ】単体で強化するなら二体まで強化できるようになった。

 そしてCHAは130上昇し素のCHAは620。これにスキルの強化と装備分をプラスされ結果は驚きの1300。

 てっきりCHAが500を超えたらまた称号が増えたりするのかと身構えていたけどそうでもなかったみたいです。運営的にはもうネタギレなのかな?ふふっ。


 その辺の能力が伸びたことで【麗王の覇気】の効果範囲も少しばかり広がった。多分樹齢王と戦ったフィールドの半分くらいまでは効果が及ぶんじゃないかなぁ。……なんて悪辣なスキル!?



 確認はこんなものですね。ふと顔を上げると目の前にはいつの間にやらミスティちゃんの姿があった。


 「レベル1なのにアイ姉の強さはおかしすぎるっ!説明を要求するよっ!」


 樹齢王を倒しおそらく通常プレイヤーで言うとレベル90位の能力値になった私。今現在のトッププレイヤーが平均50台後半から60台と考えると知られるとマズい?ちなみにミスティちゃんは55レベルだそうです。


 「教えてもいいけど、条件としてミスティちゃんはこれからもちょくちょく私と狩りに行ってくれるかな?エレノアとギンちゃんには断られちゃったから流石に寂しくなってきてるんだよ……」


 「えっ?あ、アイ姉と狩り?(今の戦闘を見た上で)……そ、それはちょっと……(私の力が足りなさすぎるかなぁ)」


 「うぅ、ミスティちゃんにまで断られた……。(もしかして私ってみんなに嫌われてたりするの?私としては頑張って嫌われないようにしてきたつもりなんだけどなぁ。ゲームで戦う時は手を抜かなかったけど、それはお互い様だし……)」


 「あっ、でも生産スキルばっかりだけど私の妹なら、アイ姉達の狩りをする姿を見ても気にしないと思うよ?あの子も大概激しい戦闘方法だし……」


 「そ、それほんとっ!?」


 「うっ。た、たぶん……?まあその辺は妹の工房の場所を教えるから本人に聞いてみたらどうかな?」


 「ありがとう!あの子(妹の方)のキャラネームは相変らずカティなの?」


 「そうだけどそうじゃないかな?私でも覚えにくいカティラ……なんちゃらって名前になってたから私はいつも通りカティって呼んでるもん」


 「へぇ?そうなんだぁ?」


 ミスティちゃんと会話を続けカティちゃんがヘリオストスで工房を開いていることを聞いた。

 ギンちゃんからもカティちゃんの工房について話を聞いていたけど、詳しいエリアまでは聞いていなかったので位置がはっきりしただけありがたい話でした。

 予定より早く樹齢王を倒せたし、警戒してた魔人王が砂漠エリアに出てきているうちにカティちゃんに会って装備品作成などを依頼しておくべきだよね!


 そうと決まれば魔人王が居ない隙にヘリオストスへ出発です!

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