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11話

本日2話更新。2話目は17時です。よろしくお願いします


 現在細工師のルグードさんは私の持ち込んだ素材の検分をしています。


 ルグードさんは装飾品をメインに造っているらしく、牙や鱗、骨などの素材を好んで買い取る傾向にある。

 それ以外にはプレイヤーメイドの武器・防具に龍を彫ったり花のブローチ等を取り付けたりと、見た目を良くするアクセントを加えるスキルを持った人なんですよ。


 体育会系のごつい身体つきからは想像もできないんだけどね……人は見かけによりませんね。


 あっ、ちなみに装飾品はステータス上昇やら魔法耐性効果などの補正効果を持っているものがあるらしいけど、現在においてはステータスのいずれかが+1の効果が出るかで無いかという程度でまだまだ日の目を浴びているものではありません。


 アクセント云々に関しては見た目が華やかになったり格好良くなるだけで他の効果はありませんのであしからず。

 


 ふぅ、このくらい説明したら分かってもらえたかな。

 あっ、ちょうどルグードさんが素材の確認終わらせたみたいです。うん、ナイスタイミング!



 「アイリって言ったか?この蛇の鱗と猪の角なんだがもう少し数を融通できないか?」


 「もう少し欲しいってことかな?」


 「あぁ、蛇の鱗はまだ探せばちょくちょく見つかるんだが、こっちの猪の角に限っては始めて見る物で俺が使う素材としても今んとこ優秀みたいなんだ。

 数があればその分、良いものが作れるようになり冒険者たちに還元もできるはず……頼めないか?」


 「そうですねぇ……」



 素材を獲りに行く事に限っては問題は無いのですけど、これはまずい流れです。


 なぜなら私はこっちのガイア側を弱体化というか強くしないようにスパイに来てる設定な訳ですからね……。

 私が素材を獲って来てルグードさんに渡す=光の勢力の力を底上げしてしまう一歩になってしまい、それは非常に困る。


 すでにコトノに売ってしまった分はノーカンとしようかな。

 コトノの事がこの考えに至った原因ですけど、そのおかげで良さそうな素材を流しすぎるとマズいという事に気付けたんですしね。



 逆に考えてこちら(光勢力側)でモノを作り、その完成品を闇の勢力に持ち帰って、こう言うアイテムが光勢力で流通しているというのを情報として流せば、対抗しうる物を作るキッカケになるかもしれない。


 ただ私は今現在の闇の勢力の状態を知らないので、何処までの情報を持ち帰ればプラスになるのか判断が出来ないんですよね。魔王クエストを進めればヒントが出るのかな……。

 最初から私をこっちに派遣するんじゃなくて、あっちの状況を見せて貰ってから行かせて欲しかったなぁ。


 とはいえ魔王クエストを進めるにもまだ力が足り無さそうだし、ガイアに滞在できる間くらいは光の勢力に協力するしかないかも~。

 他の人より強い狩場に行っているのが知られ、素材の流通量が少ないとかなったら、光の勢力に属するNPCに疑われちゃうかもしれないからね。ある程度は妥協するべき……


 結論!最初くらいは協力できる事は協力しても良い!と言うことで。



 「分かりました。とは言っても接続時間の問題もあるので毎回大量に納めるとかいったことはできないですけど構いませんか?」


 「あぁ、資金の問題もあるから大量に卸してほしいわけじゃないしな。アイリのできる範囲で頼む」


 「じゃあ、その素材納品依頼請けますよ。あっでも、私はもうすぐ用事で落ちないといけないので納品は明日以降でいいですか?」


 「それでいい。助かる。あと、今の所は蛇の鱗が多めの方が助かる」


 スキルレベルの関係……なのでしょうか。私としては猪の角多めの方が助かるんですけど仕方ないか~。


 「えっとそれじゃあ、フレンド登録しておきます?」


 「おう、……そうだ納品前に連絡をくれると助かる」


 「あぁ、それはちゃんとしますから大丈夫ですよ」


 ルグードさんとフレンド登録を済ませ、今回の素材買取金も7000Dも頂戴しました。

 注文が多いけど金払いのいい人です。まあ不利にならない程度には仲良くしておきましょう。



 「ところでアイリさーん。用事ってデートなんですか~?」


 施設を出ようと後ろを振り返ったときに背中に向けて声が掛けられました。


 「ご想像にお任せしますよ。フフッ」


 少しばかり口元に笑みを浮かべながら部屋を出て行く私。

 まあ、出てからすぐに《あんた誰よ!》ってすごくツッコんでしまいました。スパイだったらこう言うセリフ言う事が多いし……良いですよね?


 さて~とりあえずログアウトして大学行こうっ。今日の講義はなんだったかなぁ~。



 ★★★★★★★★★



 一方アイリが去った施設内の二人は……


 「な、何?今の意味深で色っぽい微笑み!?ドキドキしちゃいそう」


 「お、おぉ……そ、そうだな」


 コトノとルグードは去り際に見たアイリの仕草に性別の垣根を越えて見惚れていた。

 特にルグードに関しては最初は綺麗なプレイヤー程度にしか認識していなかったはずなのに、先ほどの微笑みを見てしまった今は、考えただけでも心臓がバクバクするという始末。

 彼の受難はここから始まった……のかもしれない。(注:利用されるだけのその他大勢扱いになる……?)



 ★★★★★★★★★



 という訳で帰ってまいりました。ちなみに今日の講義は経理と経済学でした。どっちも覚える事が多くて大変だけど、部屋でゲームをできる程度にはこなしてますので問題ないはず……。


 両親にも、もし単位を落としたり留年するようならNAPの取り上げと言う厳しい罰があるって言われてますから落とすわけには行きません。


 ゲームのためなら私は何でも頑張れるってトコ見せてあげる!



 まあリアルのお話はもう良いですね。さっそく【Eternal() Story()】へログイン。

 すぐにコウガとセツナを呼び出し、モフモフを堪能しました。


 1日目のログアウト時点で2頭ともに10レベルになっています。新しいスキル【威嚇】や【咆哮】も覚え、イノシー狩りがさらに楽になりました。


 イノシー本体はまだまだ経験値が稼げますが、イノシーの肉では物足りなくなる頃合です。コトノやルグードさんからの猪角等素材の注文もありますので、今朝納品した分くらいは回収しておきたいと思います。



 高山下層部に入って2時間。納品2回分くらいの素材を集めた所で、ガイアへ帰還しました。

 多めに取ってきた理由は簡単。次回分の取り置きです。2回分あれば次回の狩場を変更することができますからね。


 一応イノシーが出現するエリアより先に進んでみたんですけど、敵の強いこと強いこと。

 コウガとセツナがあっさり瀕死間際にさせられたのでポーション系アイテムをフルに使用して逃げましたよ。アレは無理です……。


 「キュイーー!!」


 その相手が猛獣とかゴツい魔物なら納得できるんですけど、見た目が可愛らしいいたちだったんですよ~。

 鼬の移動速度と攻撃速度がすごすぎました。こちらの2頭の攻撃は掠りもしないのに、鼬の攻撃はガリガリこちらにヒットしていく。もう、悪夢としかいえなかったもん。


 「可愛い顔した猛獣に注意!」

 それが今日得た教訓です。


 なぜか鼬は私に襲い掛かるのをためらっていたので逃げる事はできました。きっと運が良かったのでしょうね。


 高山下層部に関して言えばイノシーがでる辺りまでが私達の入れる限界って言う事がわかったので、いつか打ち勝つ事を目標に次は違う方向のフィールドを攻めてみようと思います。


 逃げる際イノシーが出現する場所と鼬が現れる境目の辺りまでコウガとセツナがしきりに後方を気にしていました。確かめようにも私の気配察知はまだまだレベルが低すぎたため、私が境界エリアから出たとき、後方の茂みから何かを期待しているような2つの目が覗いていた事に最後まで気付きませんでした。

本文中に入れるタイミングがなかったのでコウガ達のステータスをこちらに乗せます。

アイリのステータスは基本変化無しなので、条件満たし変化した時のみ載せます。


 名前 コウガ

 種族 ランドッグ♂ 獣種ランク1

 LV 10(199/1068)

 スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【引っ掻き】【威嚇】

 パッシブ  【同種連携】

 強さ

 物理能力 39

 魔法能力 24



 名前 セツナ

 種族 ランドッグ♀ 獣種ランク1

 LV 10(164/1068)

 スキル アクティブ【疾走】【噛み付き】【潜伏】【咆哮】

 パッシブ 【同種連携】

 強さ

 物理能力 28

 魔法能力 34

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