9話
な、なんか急にブクマや評価が増えたので驚きました。
よくよく見ればなんと日間のジャンル別ランキングに入ってるとか。
読んでくださってる方ありがとうございます!これから読んでくださる方もありがとうございます。
これからもマイペースで頑張りますのでよろしくお願いします。
「コウガは疾走からの噛み付き!セツナはコウガにあわせてっ!」
「ガオォンッ!」「ウォンッ!」
指示通りに動いてくれたコウガ達は大きな猪モンスターを見事討伐する事に成功。すぐにドロップを確認した私が取りだしたアイテムは、2頭の目の前に差し出された。
「二人ともお疲れ様。ドロップした猪肉をあげるね」
「「ワンッ!」」
与えたのは猪の肉と言う物。しかし、町で集めた情報が確かであった事を確認でき私は満足していた。
★★★★★★★★★
チュートリアルを終えた私は、一旦ログアウトを行い食事などをすませてエスの世界へ舞い戻りました。
ログインしたあとは先ほど仲間になった子犬サイズ化したコウガとセツナを抱きかかえ、町を歩く。
2頭ともモフモフしてて可愛いことこの上ない。
次の予定としてはコウガ達のレベルを上げたいですね。他にこの街でやらないといけないことも多いのよね。
そう考えると時間は有限ですので効率よく有効に利用したいものですね。
とりあえず光の勢力のギルドメンバー(潜入中と表記されている)となったので、討伐系のクエストを探しつつ、2頭を育てたいと思います。
ギルドで見つけた依頼は2つ。
①イノシーの討伐(0/10) 報酬1000D
②パーティ料理の材料(肉)の納品(0/5) 報酬800D
①のイノシーを倒せば猪肉が手に入るという説明を受けましたので、②の調達系クエストも受ければ同時にこなせると考えた私は受注処理を済ませたのです。
イノシーの生息域はガイアから程近い高山エリアの下層部。下層部には広大な森が広がっており、数多くのモンスターが生息しているんですって。
ちなみに対象レベルは8~。私は愚か、コウガ達のレベルも届いてないけど行ってみるくらい構わないよね~。ダメならダメで考えれば良いし。
賞金首討伐により懐があったかい私は回復アイテム(おもに仲間モンスター用)を大量購入し、準備を終えた。
私自身の回復アイテムってあっても無駄だと思うしね。
高山エリアにやってきた私達は目的のイノシーを探しましたが見つかるのは蛇と猿ばかりで肝心のイノシーが見つかりません。おそらく下層部の手前側には居ないのでしょうね。
みつけたモンスターですが、コウガとセツナのパッシブスキル【種族連携】のおかげで、多少ならば格上相手でも勝利を収めることが可能でした。これなら何とかなりそうかな?
「……あっ、見つけた!」
下層部に入って30分ほど奥へ進み、森の雰囲気が重く変わった辺りからポツポツとイノシーの姿を見かけるようになって来ました。
イノシーはある程度近づくと攻撃を仕掛けてくるアクティブタイプ。距離が離れた状態で見つかっただけでは襲ってこないので準備を整えやすい。
「コウガ、セツナ。あれが今回の目的だよ。突進攻撃がすごく痛いみたいだから注意してね」
「ウォンッ!」「オンッ」
結論から言うとイノシーは体力に優れていたけどコウカ達の敵ではなかった。最初こそ私も様子を見ながら指示していましたが、数度戦っているうちにパターンを覚えたのか、コウガ達に自由に戦っておいでというと、私が指示を出した時よりもあっさり倒していました。
……調教師の意味って……
《猪の肉を獲得しました》
《パーティ料理の材料(肉)の納品(5/5)を達成条件を満たしました》
あっ、クエスト全部達成したみたい。イノシー討伐のクエスト完了報告は大分前に貰っているのでこのコメントが出るまで自由に狩をしてもらっていたのである。……私から離れすぎない程度の位置で。
アイテムボックスを見ると《猪の肉5個》の表示があり個数が足りているのを確認。
今までに猿とか蛇を倒してもらいましたが、猿の尻尾、蛇の牙とか鱗ばっかりでほとんど肉を落としてくれなかったんですよね。蛇肉に関しては聞いたことがあるので猿の肉とか少し興味があったんですけどねぇ……。
「コウガーセツナー。町にもどるよー」
声をかけると2頭は走って戻ってきました。その後私に顔をこすり付けるのを忘れないのがいじらしい!
ともかく2頭とも思う存分走り回り、狩もできたことで満足そうでよかった。
その際にレベルを確認するとレベル8まで上昇していました。が、がんばったね~。
「あっ、こちらの依頼ですが窓口では終了処理が出来ませんよ」
ガイアに戻りクエスト達成をギルドへ報告したらそんなことを言われました。どういうことか聞いてみると、イノシー討伐に関してはギルドで処理できる案件だけど、肉の納品に関しては依頼主に肉を届けて終了した証を貰わないといけないんだって。
そういえば納品のクエストのコメントに達成条件を満たしましたっていうのが書かれてた気がする。
ちゃんとお届けまで完了しないといけない類のクエストもあると言うことですね。しっかり覚えておかないと。
とりあえず討伐の報酬1000Dだけ貰っておきました。
そんなわけで依頼主を訪問。そこは大きな料理店で、中を見るとNPCらしき従業員がせわしなく走り回っていました。私は近くを通ったウェイトレスさんを捕まえ、ギルドの依頼できたことを伝えると、店の奥のほうへ案内されました。
店の奥にいたのはオーナーらしき人物。どんな肉をもってきたのか聞かれ、猪肉と答えると結構喜ばれました。
「おぉ~、君が猪の肉を持ってきてくれたんだね。ギリギリだったが助かったよ!これが受け取りの証明書だ。持っていってくれ。
おっと、そうだ。肉を持ってきてくれたお礼に一つ良い事を教えてあげようじゃないか。実はな………」
オーナーから証明書を受け取り、ギルドへ。今度こそちゃんと達成を確認してもらい報酬を受け取りました。
「へぇ~そういうことだったんだ~」
よく食べにきてくれるお得意様の顧客が突然パーティを開くと言い出したがちょうどメインに使えそうな肉を切らしてしまい慌てて依頼を出した。
という内容が経歴コマンドのバックストーリーに登録されてました。……依頼の内容の詳細まで経歴に表示されるんですね。これから先も面白そうな依頼を達成した時はこう言うのを読むのも面白そうです。
ちなみに今回の依頼のバックストーリーにはオーナーさんから聞いた大事な事が書かれていました。それは……
《モンスターの肉には仲間モンスターの成長を助ける力がある。
自分より強いモンスターの肉を食らえばその効果は高く、弱いモンスターを食らえば僅かしか得られない。
調教師ならばこう言う雑学も身につけておいたほうが良い。きっと役に立つだろう》
そうだったのかぁ。肉系アイテムに特殊効果があるんですね。
…通りでたくさんイノシーを倒しても猪肉のドロップ率がすごく低かったわけです。
いやぁ、おかしいとは思ったんですよ?動物を倒した時のお肉って一番手に入り易そうなのに蓋を開けてみれば一番ドロップしにくいとか。
でもこのお肉が調理とかされてる場合はどうなるんでしょう。いつの日か調理スキルを持っている人と会えたら頼んでみよう。……私が調理スキルを得たら良いって?
じ、冗談言わないでくださいよ~あはは~。
コホンッ。
ま、まあ良い情報が手に入りましたね!確かイノシーのレベルは10。
レベル8のコウガ達からすると十分格上の強いモンスターです。さっそく高山下層部にもどりましょう!
そして冒頭に戻り、効果を確認したところ、経験値の値が伸びているのを確認できたわけです。
要するに成長を助けるというのは肉を食べれば個別に経験値がもらえるという事なのでしょう。これが分かっただけでも大収穫です。
この調子でコウガもセツナももっと強くなろうね!




