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98話

来週いっぱいが忙しくなるという噂を聞いたので、いつも以上に更新速度が低下する可能性があります。


GWを乗り越えた次の週(10~14日)は有給で旅行に行くので、やっぱり更新ができません。ご了承くださいませ。

 ロアンを無事仲間に加えた私たちは大河の集落へと戻ってきていた。

 集落の前にバッカスさんとエレノアが居た。私は気にしないで素通りして集落に入ろうとしたら彼らに捕まっちゃった。まあ、集落の前にいたんだから誰かを待ってたんだとは思ってたけどまさか私だったとは……(棒)。


 まあ聞かれた内容は氷獣王とはどういうやつだったんだとかそんな感じの事。あとは攻撃方法とか色々聞かれたけど、正直に答えるかどうか凄く迷った。

 なぜかっていうと、氷獣王もといロアンは私の仲間になったから、ボスとしては二度と遭遇できないからね。結局私は当り障りのない身体的特徴を言うだけにとどめた。


 バッカスさんはこれで納得してくれたけどやはり問題はエレノア。


 「ところでアイ、あのクエストのモンスターをもう仲間にしてるわよね?見せなさいよ~」


 「あ、あぁ、あれはまだ必要なアイテムが揃ってなくてまだ進めてないよ」


 「……本当かしら?嘘だったら……わかってるわよね?」


 「うぐっ、も、もちろんだよ?」


 「……そう、アイ。あとで外に付き合いなさい」


 「えぇ~!な、なんでっ!?」


 「アイがこの私をたばかろうだなんて百年早いのよ?うふふっ(猫……おっきぃ猫……)」


 どうやらエレノアには見抜かれてしまったようです。ロアンの事はもう少し隠しておきたかったんだけどなぁ。まあ、バレてしまったんならしょうがない。でも、あとでちゃんと口止めはしておこう。

 そのしばらく後にロアンに抱き着こうとして瞬動により軽くあしらわれるエレノアの姿があったとだけ言っておきましょうか。

 

 エレノアったら別れる間際、悔しそうにしながら「そのもっふもふ、次は必ず捕まえてやるんだからぁぁ!」とかいう捨て台詞も吐いてたっけ。



 大河の集落でバッカスさんとエレノアに会ったついで……と言っては何だけど、同時期に来ていたゼリンさんからのメッセージも確認しておこうと思う。


 《アイリさん、さっきの王種討伐の放送聞きました?なんか最近短期間で王種を倒してる人がいるみたいなんです。

 で少し話が変わるんだけど最近ヘリオストス周辺では、不特定多数にMPKを吹っ掛けてくるだとか、犯罪プレイをしてる人が多くいて、もしかしたらその王種を倒してる人がやっているんじゃないかっていう噂が流れてるんですよ。アイリさんがいるエリアも十分その行動範囲かも知れないので気を付けてくださいね》


 「んぅ~?とりあえず別の誰かが私の行動した結果を掠め盗り不特定多数をMPKしてるって事かな?もしくは私以外にも王種を倒した人が居る?」



 当然、犯人は私ではないし、そんな影でPKするなんて真似は嫌いだ。

 ゲームなんだからそういう事もあるんじゃないかな?前のゲームでも敵将の首の手柄を横取りするプレイヤーとかざらにいたしね。きっと今回もそういう物なんだと思う。


 後者だった場合は、情報を集めて詳しいことを本人から聞きたいところかな。情報集めはいつも通りパーシヴァルさんに……


 「マスター!その情報集め、私に任せてください!」


 ティアの声が聞こえる。情報集め……ねぇ。情報集めに使うスキルってあれなのよね?気が進まないんだけどなぁ……。


 「マスタ~!きこえてますか?情報集めは私の本領を発揮できる場なんですから任せてくださいよ~」


 「どうしてもこの仕事をしたいの?」


 「はいっ!私にドドーンと任せちゃってください。エリアの隅々の情報までしっかり集めて見せますともぉ~」


 ティアのやる気がすごい。戦闘の時とは大違いに生き生きとしてる。そんなにチョメなスキルを使いたいんだね……仕方ないか。スキル名が何であれ私には害がないんだし……


 「わかった。ティア、集められる情報を集められるだけ集めて来てもらえる?あと、ヘリオストスに行くなら暗殺ギルドについても調べて来て」


 「はい、マスター!では行ってまいりますっ!」


 やる気マックスなティアを見送ったあと、私は村長宅へ向かった。


 「おぉ、冒……いや魔王さま……異変の事は何かわかりましたでしょうか?」


 「うぅん、全然(問題のある場所に行ってすらないし)!というか、状況は変わってないの?」


 「はぃ、依然として大河の川幅が細くなりつつある状況です……」


 当然のように村長さんが私の事を冒険者呼びから魔王様呼びに変更している。やっぱり、その土地にいる人なら直接会えばそこの主が誰かわかるみたいだね。まあこのエリアは人もプレイヤーも少ないから、そうそう聞かれることもないだろうし構わないでいいと思う。


 「今から大河の上流まで行ってくるから、あとよろしく」


 「わかりました。大河の異変の件、何卒よろしくお願いいたします」



 ここからはダイジェスト?でお送りします。


 異変を探しに行くとなり、寒さに弱いルドラと出かけているティア以外のメンバーを呼び出した。

 ロアンを呼び出して川の上流に行くというと、ロアンが「ほぅ、奴を倒す時が来たようだな」とか言ってた。なんかもうこの言葉からバトル勃発する気配が満々だったので、使うかわからないけどアイテムの補充をしてからロアンの案内のもと上流へ向かう。


 道中大河から飛び出てくる魚系のモンスターを配下に勧誘しつつ、上流への道を進んだ。



 たどり着いたそれらしき場所にいたのはナイトメアという魂種のモンスター。ナイトメアがいるのは大河の中心部の水の湧出ポイント。そこにテラーという同じく魂種の下位モンスターを固めておいて水を止めていた。

 ナイトメアもテラーも属性攻撃以外のダメージが通りにくい相手だったけど、全員がそれぞれ手持ちの属性攻撃の波状攻撃を仕掛け、あえなく撃破することができた。


 ロアンが言うには、自分が空腹などの原因で弱体化してたため、邪魔だとは思っていたけど倒すに倒せなかった存在だったらしい。

 ナイトメアたちを倒したことで水の湧出が滞ることが無くなった。とはいえすぐに大河の幅が戻るはずもない。だけど水が涸れるという事態だけは免れることは確定したね。


 大河の集落に戻り、村長に報告すると「さすが魔王様です」と喜びの表情を浮かべ、クエスト完了を認証してくれた。




 《大河の氾濫の原因を除去せよ。をクリアしました。クエスト報酬としてレアスキルの種を得ました》



 きたぁー。待ちに待っていたレアスキルの種をアイテムボックスから具現化し……さ、さっそく使……「パクッ!」へっ!?


 「えぇぇっ!?な、なにするのさロアン!」


 なんとロアンが私の手からユニークスキルの種を奪っていったのだ。もしかして食べたの?まじですか!?


 「……ふむ、ちょっとした冗談だ。本当は喰ってなどおらぬよ。安心するがよい主」


 そういいながら瞬動による目にも止まらない動きで私の手にレアスキルの種を置くロアン。コウガとセツナはあきれた目でそれを見ていた。二人とも呆れてないでロアンの暴挙を妨害してくれないと……。


 「うぅ、あまり驚かせないでよ、ロアン。……よし、それじゃ使うよ~」



 《プレイヤー:アイリが【転移】スキルを得ました》



 ふぉっ!?て、てて、転移だってぇ?このタイミングで?とりあえず説明を見よう!


 【転移】 効果範囲:本人/パーティメンバー : 訪れたことのある街に転移することが可能。ダンジョンやフィールドには転移できない。発動まで1分少々かかる。

 このスキルを使用するには別途消耗品の《転移石》か永久使用可能の《転宝石》が必要になる。



 「ね、念願の転移スキルを手に入れたよ?でもこの転移石とか転宝石ってなんだろう?」


 「主よ。転移石は転宝石の壊れたもので、転宝石とは町などにある転移装置についている青い宝石の事だ。たしかどこかの海底洞窟で原石が取れると聞いた事があるがワシはこのエリアから出ないから詳しくは知らぬ。すまんのぅ」


 「うぅん、すぐに使えないのは残念だけど、ロアンがどういう物かだけでも知っててくれたから探す手がかりになったよ。早速ティアに追加で調べるようにお願いしておくね」


 ということで仕事が増えたティアはヘリオストスの町でその美しい容姿を活かした情報収集に精を出すのだった。帰ってきたころには彼女はそれはもうヘトヘトだった。なんでだろうねー?(棒)

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