弱点
「さっきから避けてばかりでつまんないよ〜どうして攻撃してこないのかしら?」
「2人になったのにおかしいですね。何か作戦でも練っているのではないでしょうか?」
魔理沙が合流してから数分経っているが、未だに弾幕を避けているだけで攻撃をする素振りを全く見せない。
その様子をみて何を考えてるか予想するが、マシーナと花落は理解できていない。
「貴方達〜!ずっと避けていても弾幕が増えるだけでいずれ当たっちゃうわよ〜!」
しかし、霊夢達は返事もせずに弾幕を避け続ける。
そして数分が経ち、弾幕が多くて姿が確認しづらくなった時、事は起きた。
「霊夢、そろそろ攻撃を仕掛けないとまずいぜ。作戦を練ってばかりでジリ貧ってわかんないのか?」
「……」
魔理沙が霊夢に問うが、返事が返ってこない。
お互い、弾幕で姿が確認できず、声が聞こえてないと考えるまでだった。
「仲間割れかしら?何にせよもって後1〜2分と言ったところね。意外と簡単だったわね」
「マスター、まだ油断してはいけませんよ、ギリギリになって攻撃をしてくるかもしれません」
油断は禁物。
命がけだからこそ強く感じるところであり、命をかけているからこそ疎かになる物である。
しかし、霊夢の姿が見えにくくなっており、少し警戒をする。
だが、マシーナもそうは言ったが内心安心して油断していた。
マスターが助かり、龍人などが住みやすい空間になる。
そのゆめが叶うのだ、油断もするだろう。
ーーしかし安心をするのは、少し早かった
「マスパースパーク!」
突如聞こえる魔理沙のスペルカードを唱える声。
その声は後ろからしており、気づいたときにはマスパースパークを全身に受けていた。
「流石に2人分の弾幕を避けるのは疲れるわね」
「お疲れ様だぜ、お札って便利なんだな。今度何枚か欲しいぜ」
「これは貴方には早いわよ……さて、この2人に早く治してもらうように頼むわよ」
花落とマシーナの方を睨みながら問う。
「異変の経緯は【自分達の住みやすい環境の整備】でしょう?今の貴方達じゃこの幻想郷を管理することはできない。素直に異変を辞めなさい」
花落は大きくため息をつきながら。
「仕方ない……わね。負けは負け。素直に辞めるわ」
そう言うと、機械らしさは恐らく消えたのであろう、周りからは機械の音は消え、シンとしていた。
「異変も終わったことだし、宴会しようぜ霊夢!」
「魔理沙は人を呼んできて頂戴。後は私が準備しとくわ」
「了解だぜ」
どこからともなく箒を取り出し、空へ消えていった。
「あんた達、宴会の準備をしなさい。それで今回の件はチャラにしとくわ」
「え……?」
花落は目を丸くして、驚きの声を上げる。
異変は終わり、そうキッパリと割り切ってる風に見せている霊夢は、2人にとってカッコよく見えたであろう。
「やはり負けましたか……油断しすぎて隙がありすぎているからな」
「次は貴方ですよ【探楽】。流石に【王】は負けないですよね?」
「大丈夫だ、俺のヒュドラは誰にも負けん。堂々と招待状を送ってきてやんよ」
ーーそうして次の異変が始まった




