異変首謀者の確認
「物凄く痛かったです」
「それを私に当てようとしていたあんたに言われたくはないわよ」
弾幕約100の塊を当たった秋は2時間ほど眠っていたが、何かに驚き突然起き上がり、この様である。
「確か異変の首謀者ですよね?それは博麗神社を襲った【マシーナ】と【花落】です」
「一切躊躇わずに吐いたわね……罠の可能性があるかもね」
腕を組み、秋を見つめながら考える。
しかし、嘘をついたことのない子供みたいな表情で見つめ返してくる。
「嘘じゃ……なさそうね。いいわ、罠だとしてもそいつから聞き出せばいいし。秋、その二人はどこにいるの?」
自分の意見でけでは不安だったが、紫も頷いてくれていた。
「【博麗神社】そこに二人はいます」
「え!?」
異変が発生した時、まさか上空か物陰に異変の首謀者はいた?
ーーいやそれはない。
私が万が一気づかなかったとしても、常に警戒を怠っていない紫が逃した?なぜだ?
「紫、あんた……異変について何か知ってるんじゃないの?」
「そうね、あなたよりは今回の異変について分かってるつもりよ?」
「あんた……恐らく今回の異変は【幻想郷全体】に被害がでてるのよ!?知ってることがあるならはやk……」
「落ち着きなさい霊夢。知ってることといっても異変の首謀者の目的くらいよ」
「目的?なんであんたが」
可能性としては紫が異変に関わっているか、どこかで聞いたかのどちらね。
でもなんで紫は私に話さなかったのかしら?私に知られたらまずいのかしら?
今回の異変は特殊で規模も大きく、霊夢は頭をフルに使うが、テンパっていて答えが出てこない。
なぜなら紫は【信用できる相手以外異変などにい加担しない】からである。
花落やマシーナというのは霊夢は初めて聞いたので、紫のプライベートで知り合ったにしろ加わるのはおかしい、という結論にいたるが、紫に言うことができず黙ってしまう。
「それは今は言えないわ。それより早くわよ」
霊夢は無言で頷き、紅魔館を出て博麗神社に向かった。
「マナ、そろそろ来るけど準備オーケー?」
ゆらゆら揺れる怪しく紫のロングヘアーの少女、花落が近くにいるマシーナに問う。
「えぇ、大丈夫ですよマスター。次は「本気」で相手をさせてもらうので」
「いくら機械ですぐに修復できるからって無茶はダメよ?必ず生き残ること、いいわね?」
「マスターも無茶をしないようにお願いしますね」
「りょーかい!来たようね」
話を終え、堂々と博麗神社の前で待機する二人。
しかし、無茶をしないと勝てない相手なのは二人共わかっていたが、無茶をしつつ死なないようにしようと心の中で決意した。
「あんた達がこの異変の犯人?そうなら素直に退治されなさい!」
「そうよ、確かにこの異変の犯人よ?でも、退治されるわけにはいかないの。この異変は【目的のための第一歩】だからね」
「犯人なら躊躇わずにやれるわ。【霊符・夢想封印 散】」
相手のあのドラゴンに化ける機械人間?はスピードが恐らく物凄く速い。
ここは広範囲に広げて自爆を誘う!
「スピードが速いと見て弾幕を撒き散らしてくるとはね……【石化】!」
それを見て花落の髪が目を痛めそうなほどの光を放つ。
そして、光が収まってきた時に不可思議なことが起こった。
「なにこ……れ」
霊夢の放った夢想封印の弾幕が石になり、床に落ちているのである。
「メドゥーサって知ってるかしら?霊夢さん?」
「し、知らないわね。それがどうかしたの」
「私はなぜかメドゥーサの血が入ってるみたいで石化させることができるの。でも、この髪は蛇じゃない。中途半端な生き物なの」
怪しく光る紫の髪をいじりながら、花落は話を続ける。
「でもね、私は人間として生きてきた。なのにあなた達人間はなぜか私を否定し、私は一度殺されたの」
「死者の魂はそのまま閻魔まで行くんじゃなかったの」
「そうね、でも私はなぜか森の中にいたわ。その時誓ったの」
ーー人間は誰だろうが石にして固めてやるってね
その時の花落はメドゥーサのように髪が動き、目が赤く光っているように見えた。




