音と敵と異変
「霊夢~茶菓子とかないのか?お客様が来てるんだぜ?」
「お客様なら、ちゃんとお金を払ってくれるんでしょうね?」
「うっ……笑顔なら」
「帰れ」
今日も変わらない博麗神社の1日。
魔理沙が暇つぶしにきて茶菓子をねだり、雑談をして1日が終わる。
何も変わらない1日。
これが「日常」と誰もが思う日々は突然終わりを告げる。
ーーカッ、カッ、カッ、カッ、カッ……
「霊夢、小刻みに音が鳴ってるけどなんだろうな?」
「知らないわよ。でも、嫌な予感がして寒気がするわね」
霊夢は掃除をしていた箒を床に置き、魔理沙は自分の箒を手に持ち、「嫌な予感」が当たらないことを願いながら戦闘の準備を終える。
この音、一方方向からしか聞こえていない。
つまりーーその方向に何かある。
その何かの正体は想像もつかないが、これは「異変」だということは直感的に理解していた。
ーーゴーン。ゴーン。ゴーン 。
3回鐘のような音が響き、周りを警戒する。
しかし、周りには何もいない様子で魔理沙と霊夢はホッとするがーー
ーーカッ…………カッ…………
最初に鳴った小刻みな音が脳内に響きとれない。
「霊夢、何かの音が……直接ッ!」
「魔理沙!」
魔理沙は頭を抱え、とても痛そうに苦しみながら、何かを伝えようとしている。
この音の響きの強さが私と違う!?
何を基準に決めたものかはわからないが、霊夢と魔理沙の音の響きの強さは、違ったらしく、霊夢は少し響く程度、魔理沙は巨大なベルの中で鐘を鳴らされているような音が響いているようだった。
「て、敵だ。霊夢……」
「魔理沙はもう喋らないで!あいつが異変の首謀者?人里にいる村人にしかみえないけど」
魔理沙の指差して方向にはーー1人の人間。
その姿は人里によくいる人達と同じ服装で、人里の人と思わしき人だった。
身長は低く、服装は特徴のない茶色で、子供と思う。
しかし、魔理沙は何を思ってかその子供を指差し、私に知らせてくる。
「そこのあなた、名前は?お父さんとお母さんは?」
「…………」
今は緊急事態だが、霊夢は慎重に子供をあやす様に優しく問いかける。
しかし、子供は何も喋らずこっちをガン見してくる。
よく見ると、目の瞳が物凄い速度で動き、何かを理解しているようだった。
そして数秒後ーー
「スペルコマンド・零陸」
「なっ!?」
突然スペルカードを発動させ攻撃を仕掛けてくる子供……いや、子供のような何か。
人間の子供がスペルカードを使えるはずがない。
妖怪であってもスペルカードを持つのは稀でその中で子供が使うのはもっと稀。
つまり、あいつは子供に模した何者か。
「って、そんなこと考えてる余裕……無さそうね」
10mほど離れた上下左右の場所に相手の使い魔が現れ、左右は自機狙い、上下は乱数の弾幕を放ってきた。
こんなもの、この弾幕の範囲からでればなんてことのないものじゃない。
油断大敵とはこのことを指すのであろう。
使い魔から逃げるために相手の方に近づきながらお札を投げるが、お札は見えない壁に当たり、霊夢自身もその見えない壁に接触した。
「結界かしら。それなら耐久スペルということで耐久したら終わるはずっ……」
見えない壁の中で自機狙いと乱数弾幕を避け、数十秒後、壁と使い魔が消滅した。
よし、今なら!
「霊符……」
「結界コマンd……」
「と見せかけて、物理攻撃ッ!」
ーーガンッ!
霊夢がスペルカードを唱えるとみて、結界を張り防ごうとしたが、詠唱をしている最中にお祓い棒で殴り、機械音が付近に響いた。
物理攻撃を受けた何者かは倒れ気絶したようだった。
「霊夢、ナイス攻撃だぜ!」
「魔理沙!?頭痛はどうしたの?」
「そいつがやられた時に治ったみたいだぜ」
さっきまでの、苦しみながら頭を抱えている魔理沙はおらず、ケロッと元気になっている魔理沙になっていた。
ところでこの子供っぽい何か、本当に何者だったんだろう。
考えれば考えるほど謎が増えるが、とりあえず、安全のため、紫が尋ねるのを待つことにした。




