第七話 新しい仲間と今後の目的
色々考えた結果。女性を創るのは、やめておいた。なぜなら、創った女性に色々させるのって、なんかむなしいじゃん?どうせなら、堂々とこの世界の女性を惚れさせてそういうことはしたいものである。どういう事をさせるつもりだったかは、男ならお察しである。
というわけで、創った仲間(正確には部下というか絶対に裏切る事のない人形のようなものだが)は二人。
一人目は白髪白髭のダンディーな老紳士。執事のセバスチャン。
身の回りの世話ができるようにこの世界の執事の仕事知識と経験を習得させる。性格は温厚だが、主人に対する侮辱は絶対に許さない感じに設定した。趣味はお茶と料理と読書。もちろんお茶の入れ方と料理の知識と経験を習得させてある。読書用の本は魔法生物創造で創りだした文庫サイズの本にスキル付与で世界図書館を習得させた【全知の書】。セバスチャンの知識欲を満たしてくれる世界でただひとつの本だ。他にもセバスチャンには私の持っているスキルをほとんど付与してある。そして、セバスチャンに付与させるためだけに新たにもうひとつスキルを習得した。
・万物創造(200000→20000)
魔力を消費することにより、イメージした物質を創りだすことが可能。ただし、生命あるものは除く。
武器創造のスキルが無駄になるかな?と思ったが、武器創造の上位スキルのようで、万物創造を習得したら、武器創造のスキルが消えていた。最初からこちらを習得していれば5000SP浮いたかもしれない・・・。まあ、余ってきているので問題ないが。
私の中の執事のイメージが、主人が望むものをどこからともなくさっと出す。というものだったので、それができるようにしてみたのだ。
創りだした存在とはいえ、個の生命であるセバスチャン。裏切る可能性もゼロでは無かったが、全知の書をあげたら永遠の忠誠を誓ってくれた。趣味のつもりで設定した読書と知識欲が思っていたよりも強かったようだ・・・。
セバスチャンには居住空間に控えてもらうことにした。千里眼のスキルのおかげで私の周りの事は常に見えているようなので、何かあった時には瞬間移動で来てくれるだろう。部下としてドジっ子メイドを付けるかどうか。セバスチャンと相談してみたが、旅の中で逸材を見つけて育て上げたいとのことだったので、どうしても見つからなかったら創る事にして、しばらくは逸材を千里眼で探すそうだ。
二人目(?)に創ったのは黒猫のクロ。
しゃべることは声帯的に無理だと思うので、魔法創造で念話を使ったりできるように世界中の魔術師から知識と経験を習得させた。もちろん、魔法創造のスキルなど私のスキルから付与してから。性格はのんびり屋の甘えん坊にしたかったのだが、のんびり屋だけが反映されて、なぜか甘えては来なかった。オスだからかな?
念話するたびに魔法を使わせるのも面倒そうな気がしたので、魔法生物創造で首輪を創り、魔法効果付与で念話を付与して付けてあげたら、それなりに喜んでくれた。普段はセバスチャンと同じように居住空間に居て、クロ専用ベッドで寝ている。一応、千里眼で時々は私の周りに敵がいないかを警戒してくれるらしい。
そして、聖都に着いた時と同じように何事もなく六日間で西国に着いた。今後どうして行くかを決めないとなぁ。それにしても、何にも起きないね。普通は山賊や盗賊に襲われたり、それらに襲われている村や人と出会ったりするものじゃないの?まあ、魔王が侵略していたから、そういう賊はまだ少ないのだろう。そのうち軍縮によるリストラで元兵士が山賊や盗賊に。という流れになるだろう。いや、さすがに国が対策するかな?
西国に着いた私は、東国から逃げる為に来たものの、習得したスキルがあれば恐らく無敵だと思うので、西国に留まる必要も意味もなくなってしまっている事に気が付いた。さて、旅をしながら住みやすそうな村か街を探して住むもよし。誰もいない土地に行って隠遁生活をするもよし。って、隠居するのはまだ早いか。いくら世界図書館で旅をしなくてもすべてがわかるとはいえ、不老不死のおかげで時間はたっぷりあるんだから、実際に見て回りたい。
今後の目的を決めるために、とりあえず宿の一階にある酒場兼食堂に行き食事でもとるかな。セバスチャンとクロにも相談するか。って、居住空間に入って呼びに行くしかないのか。面倒だな。後で通話か念話で連絡ができるようにしておこう。
さて、酒場兼食堂に着いたのだが、クロは居住空間から出なかった。ご飯はお腹が空いたら自分で創るそうだ。人が多い所は嫌いなのかね?
「さて、セバスチャン。今後の人生の目的を決めようと思うんだけど、何をしたほうが良いかな?」
「はい、ご主人様。それでしたら、前の世界で出来なかった事をしてみるというのはいかがでしょうか?」
「出来なかった事を?」
「はい。ご主人様はこの世界に来る際に思ったんですよね?『現状を変えたい』と」
「あ~。うん。そうだね・・・」
現状を変えたいと願い。こちらの世界に来ることを望み。召喚された新しい世界でスキルという力を得て、お金もだいぶ貯まった。スキルで欲しい物は創れるし・・・。そうか、彼女は欲しいかも。それこそ、永遠を共有できるような。それに、せっかくだからいろんな種族を観てみたいな。今のところ、日本人顔がほとんどだったし。ドラゴンとか、エルフやドワーフはいるのかな?
「何かお決まりになりましたか?」
「そうだなぁ。まずは世界を見て回りたいかな?世界図書館で知ることも出来るけど、時間はあるから直接みてみたいかも」
「それは素晴らしいですね。ぜひ、私もお供させてください」
「そうだね。セバスチャンも世界をみたいよねぇ」
「はい。なにせ先日産まれたばかりですので」
「じゃあ、私の格好を旅にふさわしい恰好に変えて、何か乗り物も創るかな?」
「旅の服装でしたら、私がお創りいたします。乗り物はそうですね。あえて馬にしますか?」
「馬かぁ。それだと世話が大変そうだから、魔力で動かせる四輪駆動車は?」
「馬くらいのスピードのほうが情緒あってよろしいかと」
「そうかぁ。じゃあ、生物創造だと世話が大変そうだから、魔力で動く馬型の魔法生物にしておく?」
「世話でしたら、わたくしが・・・」
「いや。省ける手間は省いてもいいんじゃない?せっかく便利なスキルがあるわけだし」
「さようですか?わかりました。では、効率よく旅をしつつ、世界を優雅に旅行するという事で」
「あはは。優雅じゃなくても良いけどね。東国の豪華な部屋は落ち着かなかったから、優雅さよりは庶民的なもので最高の水準を目指してもらえればいいかなぁ」
「庶民的なものがお好みですか。わかりました。それでしたら、それらについてお調べして道具もすべて揃えさせて頂きます」
「うん、お願い。それじゃあ、庶民的な食事を堪能しようか」
「ふふふ。わたくし。これでも先日産まれましたので、庶民的というのはまだ調べていませんのですが・・・」
「それもそうか」
平民とどこかの貴族付きの執事が宿屋一階の酒場兼食堂で楽しそうに食事をする姿は周りの人たちからかなり浮いていたのであった。
女の子を創って、エッチな事をすると思った人。あとで、体育館裏な?
次回。旅の行く先は・・・
お気づきかも知れないですが、次回予告は次回のタイトルと一切関係がございません。