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異世界立志伝  作者: 遊路
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第六話 加速するチート




 日雇いギルドの職員に相談してみたら、街の出入り口にある衛兵詰所に相談してほしいと言われた。どうやら、もともと指名手配の引き渡しは衛兵詰所で行われるらしい。そういうわけで、衛兵詰所に行ったら「何を言っているの?」という顔をされつつも衛兵が二人ついて来てくれた。人手が全然足りないが、指名手配のやつをひとりで56名捕まえたと言ったらこんなものだろう。普通は信じないよなぁ。


 実際に見つけたのは1000名近いのだが、さすがにそんなにいっぺんに捕まえるとワーカーの数が凄い事になるので、聖都周辺にいる奴らだけにしておいた。ちなみに指名手配になっている者たちはそのほとんどが借金をして逃げたか、傷害や殺人を犯した者である。傷害や殺人を犯した者はブレスレットに記録されて、街に出入りする事すら出来なくなるので、山賊や盗賊になって小さな村や商隊を襲撃して食糧を得ているらしい。借金をした者は街の出入りは自由だが、街から逃げ出してしまった場合は指名手配にされて賞金がかけられるようだ。ちなみに捕まったら、借金をした者は賞金分も追加で返済することになり、支払えない場合は契約奴隷にされる。そういった場合はほとんどの場合。鉱山で全額返済できるまで働かされるらしい。そして、傷害や殺人を犯した者は裁判にかけられてから、契約奴隷か刑に処されるそうだ。


 街の外に出て、ワーカーが集めた指名手配の者たち56名は麻痺した状態で転がされていた。ワーカーが巣箱に帰って行くのはちょっとした悪夢だろう。一緒に来た衛兵たちがビビっていた。もちろん二人じゃ足りるはずもなく。ひとりが私と一緒にこの場に残って、もうひとりが応援を呼びに慌てて走って行った。


 護送トラックに56名を収容し終ると、衛兵にブレスレットを近づけるように言われて近づけると、日雇いギルドで賞金を支払ってもらえるようにデータが送られた。賞金はひとり100~500万エルン。全員で8640万エルンという額になった。日雇いギルドに賞金の受け取りに行ったら、受付の人に二度見された。そして、翌日から大型新人賞金首ハンターとして取材が殺到した。


 まずったな。東国に聖都に居ることがばれただろうな。しょうがないので商隊護衛の仕事を待たずにさっさと西国に向かう事にした。西国に入れば東国の連中もちょっかい出せないだろう。当分お金に困りそうにないので、西国に入ったら大人しくしようかな。ああ、薬草採集とモンスター討伐のほうの報酬は薬草採集が100gにつき1000エルン。1kg提出したので1万エルン。ハウンドドッグは1頭10万エルンで120万エルン。死骸は1頭5万エルンで60万エルン。全部で181万エルンとなった。レベルは指名手配の連中を引き渡した時と、報告を終えた時に上がって、現在レベル24となった。14万SPを得たのだが、どうしたものだろう・・・。


 西国行きのバスを見つけたのでチケットを買って乗り込み。バスの中でじっくりと次に習得するスキルを考えることにした。


 バスに乗る前に飲み物や軽食を買ってアイテムボックスに入れておいたので、アイテムボックスから飲み物を取り出して、飲みながらブレスレットを操作してスキルを確認する。


 個人戦力としては完全に問題ないだろう。そろそろ仲間を生命創造辺りで創りだしても良いだろうが、恐らく創りだした生命はレベル1からだろう。そのままだと役に立つまでにレベル上げに行かないと行けないだろうから、何か良いスキルはないだろうか?


 聖都から西国まで六日間。五ヵ所の宿場町に泊まって移動する感じだ。バスのチケット代は宿の料金込みで14万エルン。こちらの移動代は結構なお値段するようだ。まあ、バスじゃなくて飛行艇か転送陣を使うと一日もかからずに西国に行けるが値段が100万エルンしたのでこちらの世界では遊びで別の国に旅行をするということがほとんどないんだろうなぁ。バスの中も学生やサラリーマン風な人達ばかりで小さい子供とか、お年寄りが全然乗っていない。まあ、実際のところどうなのかは聞いてみないとわからないだろうが、隣の知らない人にこの世界についてあれこれ聞くという選択肢は私には無い。


 時間がたっぷりあったので、じっくりと考えた結果。今回はSPを全部消費せずにある程度残しつつ、仲間を創って一緒に行動するのに便利そうなスキルを習得するだけにしておいた。何が起きるかわからないので、必要になってからスキルを習得しても良いんじゃね?と思ったからだ。決して途中で面倒になったからではない。


 まあ、何はともあれ今回習得したスキルは以下の通りだ。


・スキル効果共有(50000→5000)

 習得済みの取得増加系スキルの効果をパーティーに設定した者たちと共有可能になる。


・スキル付与(100000→10000)

 習得済みのスキルを任意のものにSPを消費して複製付与することができる。


・居住空間(100000→10000)

 住むことができる空間に任意で出入りが可能になる。部屋の数や内装は魔力を消費することで増減させることが可能。ただし、スキル所持者が死亡したら空間は消滅する。


・仲間召喚(50000→5000)

 魔力を消費することで、パーティーに登録した者を召喚可能になる。ただし、召喚対象が拒否した場合は不可能。


・世界図書館(200000→20000)

 過去から現在まで世界のあらゆる情報が閲覧可能になる。また、魔力を消費すれば、知識や経験を複製して習得、または任意のものに習得させることが可能になる。


 とまあ、以上だ。世界図書館はかなりやばい。試しに銃の知識を検索したら、この世界にも魔力を弾丸にする魔法式連発銃というものがあって習得してみたら、武器創造で創る事が可能になった。これで、新しく生命を創りだしたとしても、赤ん坊を育てる状態からスタートという事が無くなったはずだ。今から仲間を創造して、居住空間に住まわせておいても良さそうだな。いや、さすがにバスの中じゃまずいか。宿に着いたら何人か創るとしよう。




次回。新たな仲間が誕生?

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