第四話 予想外
聖都は中央に巨大な教会がそびえ建っていた。サクラダなんちゃらみたいな感じの教会のようだ。残念ながら大き過ぎて良くわからない。そもそも、眼鏡がないのでハッキリとは見えないのだ。自慢じゃないが乱視と近視で視力は0.01くらいだ。目を細めたら近くの物なら何とか見えるようにはなるんだけどね。
何事もなく聖都の日雇いギルドに商隊護衛の完了報告をして報酬の25000エルンを貰った。すると、レベルアップしたらしき音がブレスレットから鳴り響いた。便利だなぁ。さて、いくつになったのかな?え?レベル10?はやっ!!経験値1000倍の効果だと思うけど、それにしても一気に上がったな。早くも防御に関しては無敵になれるし。さっそく物理無効と魔法無効のスキルを習得する・・・。
あれ?90000SPも残っている!?あれ?どういうことだ?レベル10になったら、10000SPじゃ・・・。ああ、1レベル上がるごとに10SPで取得SP1000倍の効果で1レベル上がるごとに10000SP取得できるのか・・・。
勘違いをしていたが、状態変化無効(10000→1000)を習得。他にもいくつか習得したら、なんか凄い事になった。なにせ90000SPも予想外に残っていたのである。最強スキルであろう物理無効や魔法無効がひとつ5000SPで習得できるのだ。そのクラスのスキルが17も習得可能なのである。というわけで現在のスキルが以下の通りである。
習得済みスキル
・スキル習得軽減(500)
・取得経験値1000倍(1000→100)
・取得SP1000倍(1000→100)
・神速(1000→100)
・神力(1000→100)
新しく習得したスキル
・物理無効(50000→5000)
あらゆる物理攻撃を無効化する。
・魔法無効(50000→5000)
あらゆる魔法攻撃を無効化する。
・状態変化無効(10000→1000)
あらゆる状態変化を無効にする。
・魔力回復(50000→5000)
魔力が即座に回復する。回復量は1秒間につき保有魔力上限の10分の1。
・魔法創造(50000→5000)
イメージで魔法を創ることが可能になる。ただし、相手の精神や魂に直接作用する魔法は創れない。
・武器万能(50000→5000)
武器と名のつく物はすべて達人のように使いこなすことが可能になる。
・武器創造(50000→5000)
魔力を使用し、イメージから武器を創ることが可能になる。創造者が生きている限り消えることはないが、100m離れると消滅する。また、使用できるのは創造した者に限られる。
・魔法生物創造(50000→5000)
魔力を使用し、イメージから生物を創る事が可能になる。創られた生物は設定されたエネルギー源が無くならない限り消滅しない。
・瞬間移動(50000→5000)
魔力を消費せずに一度行ったことのある場所に移動できる。次に使用できるまでに1時間かかる。ただし、次元や時は越えられない。
・魔力無限(100000→10000)
保有魔力上限が無くなる。
・生命創造(200000→20000)
魔力を使用し、イメージから生命を創る事が可能になる。創られた生命は創造者から独立して存在する。
・若返り(100000→10000)
一度だけ肉体年齢を変更することが出来る。
・不老不死(100000→10000)
肉体年齢が固定化される。そして、寿命で死ぬことが無くなる。ただし、寿命以外の要因で死ぬことは可能。
・アイテムボックス(50000→5000)
物質を保存できる空間が使用可能になる。
アイテムボックス内に入れた瞬間に物質の時間が止まる。また、保存できる物質の大きさや数量の上限は無い。
・千里眼(10000→1000)
距離や障害物に関わらず。見たいものを見ることが可能になる。
・文字理解(10000→1000)
あらゆる文字を読み書きすることが可能になる。
・精神異常無効(10000→1000)
精神的ダメージを無効にする。
・魔法効果付与(10000→1000)
魔法効果を任意のものに付与することが可能になる。魔力消費10倍で永続効果。
以上のスキルを習得した。消費SPが凄いけど、凄いスキルがいくつもあった。厳選した結果がこれである。肉体年齢は18歳にしておきました。ちなみにレベルが10上がった時にステータス変化の効果なのか、ムキムキになっていたりする。マッチョとまではいかないが、体がめちゃ軽い。近くにいた人がびっくりした顔でこちらを見ていたが、時々ある事なのかすぐに離れて行った。
さて、なんか神に匹敵してそうなスキルを習得してしまったのだが、今後はどうしたものだろう?当初の目的通りに西国に行こうかな?基本的に何も怖くない状態になった気がするので、名前を元のユースケに戻してから、西国へ向かう商隊護衛の仕事を探してみた。自力で行ったほうが早そうだが、せっかくなのでお金は稼いでおきたい。が、さすがに今日出発のものは無かった。出発は三日後だそうだ。それまでの間、宿に泊まって時間を潰さなくてはならない。所持金は25000エルン。習得したスキルで宿代を浮かすことは可能だろうが、せっかくなので普通に泊まる事にする。一食付きで一泊8000エルンと、そんなに高くないし。二泊で16000エルンだが、出発まで時間はたっぷりあるので何か仕事をして時間を潰そうと思う。
文字理解のスキルのおかげでこの世界の文字どころか、あらゆる文字を読み書きすることが可能のようなので、翻訳の仕事もできそうだな。あればだけど。
チートのおかげでこの世界で死ぬことはほぼ不可能になったおかげか、だいぶ心に余裕が出来て、いろいろと楽しみたいという気持ちになってきている。乱視と近視で視力が0.01しかないのに眼鏡が無い状態だったが、千里眼のおかげで視界はクリアになっているし。眼鏡をかけていたときよりもよく見えるわぁ。
宿の一階は酒場兼食堂になっていた。ファンタジーアニメでは常識だったが、こちらでも常識のようだ。夕食はまだだったが、もともと一日一食でも大丈夫だったので、お腹は空いていない。護衛の間は三食でたので食べてはいたが。
手持ちは9000エルン。食事代は500~1500エルンくらいのようだ。まあ、明日の朝食べればいいか。とりあえず寝よう。って、風呂ないんだ。通された部屋はベッドが真ん中に置かれただけで超狭い。シャワー室なんてものはないし、共同の風呂もないそうだ。しょうがないのでスキルの魔法創造で洗浄の魔法を創って体を洗ってから眠りについた。普通に風呂に入るよりも超すっきりした。スキル万歳!チート万歳!
スキルを考えていたら思った以上に時間がかかり短くなってしまいました。
次回。チート生活万歳か!?