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異世界立志伝  作者: 遊路
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プロローグ

以下の点にご注意ください。

※プロットなしなのでつじつまが合わなく恐れがあります。

※人物設定もその日で決めていきますので、適当です。

※作者も着地点が全く見えていません。

※ギャグ要素が高くしていこうと思ってます。

※システム設定もしていませんので適当です。

以上の適当な作者について来れる方は先にお進みください。


 朝起きて、いつものように顔を洗うために一階に降りる。母が猫を膝の上に乗せて朝ドラを観ている横を通りながら挨拶をする。


「おはよ~」


「おはよ」


「にゃー」


 いつものように私の顔を見るとエサをねだる我が家の愛猫フク。何も言わずフクのエサ入れにキャットフードをひとさじ分入れてあげる。いつの頃からか、朝ご飯を食べているのにもかかわらず。私の顔をみるとおかわりをねだるようになったフクは食べるわりには細身だ。どこに消えているのだろう?食べても太らないなんてうらやましい。


「お母さん。今日のお昼はけい子さんとカラオケに行ってくるから、冷蔵庫にあるもの適当に食べてね」


「へーい」


 顔を洗うと二階の部屋に戻る。ご飯はお昼に一度しか食べない。別に一食ダイエットというわけではなく。食べるためにいちいち一階に降りてくるのが面倒なのと、時間ももったいないと思ってからは一日一食になった。三食きちんと食べていた頃に比べると若干食べる量が減ったせいか、それなりの体重を維持している。まあ、90kg近いのでデブな事には変わらないが。


 どうでも良いかも知れないが、フクは半家猫である。一階に母親がいる間だけ家に入れてもらえるのだ。それ以外は家の外の物置小屋が寝床になっている。もともと野良猫だったせいか、家の中にずっと入れていると自分から出たいと騒ぎ始めるのだ。


 そうそう。私と母以外この家には他に誰も住んでいない。父親は私が中学生を卒業する頃に病気ですでに他界している。そして、現在は母親の遺族年金がうちの収入源である。そう、私は働いていない。


 高校を卒業後、県外に出稼ぎ労働をしたが、半年の契約期間が切れたら普通に実家に帰って来て3年引きこもり。その後、奇跡的に地元企業に就職するも3年でまた引きこもりになった。それからは仕事を探しに行く事もなく。母とフクと三人暮らしだ。不幸中の幸いと言うのは正しいのか分からないが、私はギャンブルも酒も女も興味が無いので、燃費がかなり良い。趣味も読書やゲームくらいだ。しかも、今ではインターネットさえ接続してくれていたら、それらも無料で何とかなる。最近は映画も無料で見られるサイトが増えてきたので、そちらも助かってはいるが。


 今年で36歳になる。正直、就職はもうできないと思っているが、何か商売ができるような才能もなく。やりたいこともなく。ただ生きているだけの状態が結構長く続いている。どれくらいかは考えてもしょうがない。でもまあ、何かしら収入があったほうが良いに決まっている。そう思って、使わずに貯金していた金で株取引をしてみるも、儲からず損せずという状態が1年続いた辺りで才能が無いと止めた。


 ゲーム実況をサイトに上げれば収入が得られると聞いたが、ゲームをするのは良いが、編集がしんどい上に対して面白くもない物しか出来ないので諦めた。


 アイコラは評判良かったが、儲けようと思ったら捕まると聞いたので趣味の範囲内だし。こっそり依頼を受けてゲーム通貨を貰ったりはしているが、大々的にしなければセーフに違いない。まあ、犯罪なのだろうが小さ過ぎて警察も動かないだけなのだろう。


 部屋に戻って起ち上げておいたパソコンの前に座る。そして、いつものようにいくつかのSNSを巡回して知り合いの投稿にいいねを押す。そして、いつものように個人の生放送を視聴しようとするも、まだ開始前なのでオンラインゲームをして時間を潰す。早い動きは苦手なので戦車で対戦するゲームしか続いていないが。RPGはレベル上げや素材集めで飽きてやめた。オンラインRPGはRPGじゃないと思っている。終わりのない物語とか現実と変わらないし。ゲームは一定の期間楽しめればそれでいいのだ。まあ、神ゲーは何回遊んでも面白いのだが。


 戦車ゲームの初回勝利経験値二倍を消化した頃に丁度生放送が始まった。


『うぃーっす』と書き込みをするとすぐにマイクがオンになって声がする。


「おはよ~」


 残念ながらおっさんが生主である。株取引をしながら生放送を配信している人で、去年株取引をしているときに見つけた放送枠だ。やめた後もなんとなく放送を観ている。


『おっすおっす』


『きぃぃぃぃぃにけいがぁぁぁぁ』


「うわーーー!!マジか?きついなぁ」


 いつものメンバーが書き込みをしたタイミングで日経平均株価が大きく下がったようだ。いつものように生主のお祈りが始まった。


 株取引をやめている私は日経平均株価のチャートを表示する意味もないので、そのお祈りを聞きながら、他のページを巡回する。ニュースで気になるものがないか一応チェックするのだ。


『今月に入って23人目の失踪者』


『精神疾患が流行!?』


 そんなニュースが目に入って来たので、記事を見てみる。どうやら、また引きこもりだった人が行方不明になったらしい。あと、同じく引きこもりの間で精神病院送りになる者が激増中らしい。共通点は引きこもりか・・・。私もそうなので少し気になる。


『引きこもりがまた失踪だって』と放送に書き込みを入れてみる。株取引とは関係ないことでも書き込みをするといつものメンバーか生主が反応してくれるのだ。良い気分転換になるようなので、場違いなコメントでも文句を言われることもない。


『ああ、それな。昨日、久々に連絡してきた高校の同級生が、兄が失踪したんだけど何か知らない?って、聞かれたな。俺が引きこもりだからって、同じ引きこもりの兄の事が分るわけないだろっ!って、返そうかと思ったけど、普通に知らないと返事しておいた。俺って大人』


「へ~。その同級生に詳しい話聞いてみたら?どんな状況だったのか分れば、他でも同じような事が起きてないか調べられそうだし」


 生主が珍しく食いついてお祈りを中断する。


『そうだな。一応聞くだけ聞いてみるかね。ぽちっとな』


『うわーーー!また下がったーーーー!!』


 日経平均株価がまた大きく下がったようで、生主はお祈りを再開する。


『う~ん。一応聞いてみたけど、最後に見たサイトが閉鎖されているのか分らない。ってのと、パソコンの前に服が脱いだまま放置されていたらしい。いまググったら、同じようなことが書かれたブログがあったし。これ完全にニュースの連続失踪だな。同級生に教えといた。たぶん警察に連絡するだろ』


『それってさ。例の精神病のやつも似た感じだな』


『え?何が?』


『最後に見たサイトが閉鎖されてるらしいよ?警察が一応調べてるらしいけど、何年も前に閉鎖されたページだって事しか分からないらしい』


『たまたまじゃない?』


『なんてURL?』


『うーんと、たしかikainomonだったかな?』


『異界の門?』


『さあ?URLには漢字で載ってないからね』


『試しにそれでググってみたけど、あったわ。そのURL。失踪者の見た最後のページと同じみたいだな』


『え?じゃあ、失踪と精神病発症は同じ事件ってこと?』


『お前ら、そんな話をしている場合じゃないぞ!為替が上がるらしい。全力で逃げろぉぉぉぉぉ!!!』


 結局、失踪者の話はそこで終わり、放送中はずっと生主のお祈りが流れていた。コメントも無くなったので、恐らくみな全力で逃げてるのだろう。


 なんとなく放送に貼られたURLをコピペしてページを覗いてみる。まあ、閉鎖されているので何も表示されないのだろうが。


『あなたはその世界に満足していますか?』


 URLを貼ってページを開いたら、そんな文言が黒のページに白文字で書かれていた。あれ?閉鎖されてるんじゃないっけ?


『もしも、その世界から逃げ出せるとしたら?』


 新しい文字が浮かぶ。時間差で文字が表示されていくのだろうか?


『ここには魔法があります。スキルという能力があります。そう。RPGのような世界が現実に存在しているのです』


 ここというのが、どこなのかは知らんが、RPGが現実って楽しそうだけど、大変なんだろうな。現実なら死んだら終わりだろうし。


『その世界を捨てる覚悟のあるものはこのボタンをクリックしてください。ただし、遊び半分で押すと後悔しますので、覚悟を持ってクリックしてくださいね』


 そう文字が表示されるとページの一番下に魔法陣のようなボタンが表示された。


 これを押したら、失踪者がどこに行ったのか分かるのだろうか?それとも精神病院に担ぎ込まれるのだろうか?


 少し考えたが、正直現状に満足はしていない。このボタンを押せば今の状況が一変するならば、それに賭けてみるのも良いのかも知れない。


 そう思った私は、魔法陣をクリックした。


 クリックした瞬間にありとあらゆる死のイメージが流れ込んできた。モンスターに頭からかじられたり、剣で首をはねられたり。魔法の炎で全身火だるまになったり、氷づけにされた後バラバラに砕けたり。毒を飲まされて暗殺されるイメージや娼婦にベッドの上で押さえつけられてナイフを刺されるイメージまでありとあらゆる死のイメージだ。


 なるほど。これを見せられて発狂する人が精神病院に送られたのか。謎がひとつ解けたな。ただ、私はグロ映画にハマっていた時期もあったせいか、耐性があったようだ。というか、こっちの世界でも似たような危険はあるよなぁ。と思いながら見ていたら、イメージが止まった。


『このイメージはあなたの未来の一部です。起こりうる未来です。それでもその世界を捨てるならもう一度ボタンをクリックしてください。次が最後となります。』


 画面の文字がいつの間にかそう変わっていて、先ほどの魔方陣も赤く点滅したものになっていた。ああ。これこのままボタンをクリックしたら向こうに飛んじゃう感じかな?さすがに何の説明もなく私が居なくなったら、母親が心配するだろうな・・・。一応、手紙を書いておくかな。


 数時間後、昼飯を食べて、風呂に入り、洗濯物を取り込んで部屋を整理してから、母宛に『出稼ぎの仕事を見つけたのでしばらく行ってきます。連絡が出来る余裕が出来たら連絡します。』と書いた手紙を一階のテーブルの上に残しておいた。それっぽく見せるためにいくつかの着替えを鞄に入れて、少し離れたところのゴミ置き場に可燃ごみの袋に入れて出しておいた。


 PC内のデータも整理したので、心置きなくこの世界を捨てられる。私が居なくなれば母や親類で悲しむ人がいるかも知れないが、しばらくは気が付かずに平穏に過ごしてくれることだろう。さて、母親が帰って来る前に向こうに行かないとな。えっと、服脱いだほうが良いのかな?向こうに行くとき残されるっぽいし。まあ、これで何も起きなかったらかなり間抜けだよなぁ。


 一応、服を脱いで片づけてから再びPCの前に座る。そして、まだ表示されていてくれた魔法陣のボタンをクリックした。




なるべく毎日更新したいと思っています。が、時々休むかもしれません。

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