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遠ヰ昔ノ遠ヰ約束
「あんたと繋がっている証が欲しい」
遠い昔、青年が言った。少女は青年を愛していた。だから即答だった。
「ええ、もちろん!ずっと貴方と一緒にいるわ!」
嬉しそうに笑う青年だったが、そうではないのだと首を振った。
「そんなんじゃ証になんねぇよな。でもそうかぁ…。そうだよな、じゃあ、ほんの少しの間この店をあんたに任せてもいいか?」
「いいわ、でも急にどうしたのかしら?」
「今回の仕事はちょっと長くなりそうでな、その間店を開けなくちゃならなぇんだ」
青静かな笑顔で笑う青年に、よく意味もわからず答えた少女は柔らかな笑顔で微笑み返した。
「じゃあ、行ってくるよ。さようなら」
「行ってらっしゃい。早く帰ってきてね!」
あれから何年が経ったのだろう。
まだまだ青年は帰ってこない。少女はずっと待っているのに。