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暗い道
山ど山の間にゆるくS字を描くように道は伸びている
辺りは暗く月明かりにうっすらと山々の稜線が暗くそびえている
風はほとんどなく夜の湿った空気が爆音に裂かれていく
ヘッドライトはその緩やかなS字をなぞる様に滑っていく
バイクには回転数を示すメーターは無い ただエンジンの音を彼女は機嫌と称して操っている、ただそれを楽しんでいるのか 何か彼女に目的地があるのかひたすらにエンジンの機嫌を聞いている
るなは思い出していた
いつか見た映画に人生は真っ暗なハイウェイのようなものだと
その道を自分で照らすのだとか、、
るなは思い出していた
小さな頃 必死に親に気に入られるように頑張ってきたこと
るなは思い出していた
あのひとといる時 素直になれていたことを