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ふわふわロングヘアのタレ目といったら、ドジっ子ですね
事件が起こらず平和な日常。
それが菊池大介の臨む毎日であった。
何事もなく普通に。
謎の転校生に振り回されたりだとか、異世界に飛ばされてしまったりだとか能力者になってしまったりだとか、非現実的な事は一切臨まない。
大介が臨むのはただ平和な毎日。
しかしその毎日は大介には唐突に訪れなくなった。
謎の転校生に連れられて異世界に来たあげく、能力まで持ってしまうとは昨日の大介は1ミリも感じていなかっただろう。
そう、それは本当に唐突な事であり、異世界に来た今でも信じられない事であった。
事の発端は今日の朝のHRであった。
先生から転校生の紹介があった。
転校生の名は椎名。それだけしかわからなかった。
そしてその椎名の外見は大介の中では拍手を送りたくなるものであった。
薄い緑の髪でふわふわのロングヘア。さらにタレ目という外見だった。目の色も髪の色によく似た薄い緑だった。
こういう外見の子って大体…
大介がそう思ったのと同時に椎名はステンと転んだ。
「あ痛たたた」
椎名がお尻を抑える。
やはり、ドジっ子でしたか…
大介は小さくため息をついた。
それと同時に雨が降り始めた。