君は向日葵のように
ひまわり畑、心惹かれる君に出逢った。
満開に花開くひまわり畑の中。
私は「向日葵」に負けないくらいに大きく笑う貴方を見ました。
日に向かって咲き誇る大輪の花。
何故だか、胸の鼓動が早くなるのを感じました。
そして、直感的に思ったのです。
ああ、これが「一目惚れ」というものなのだと。
「いいなよあ、ひまわりって! 短期間でこんなに背が伸びるんだもんな」
私と目が合った瞬間、目の前の少年はそう言って微笑んだ。ひまわりの花よりも背が幾分か低い彼がそう言うと、思わず笑みが溢れる。
「そうですね、でも、ひまわりは少し可哀想な花だと思いますよ?」
「え? 何でよ?」
彼は、私が緊張しながら話している事に少しでも気が付いているのだろうか? 気が付いて欲しいような、気が付いて欲しくないような複雑な感情が胸を覆う。
「だって。人が欲しいものを全て持っている割には、すぐにその寿命を終えちゃうんですよ? 可哀想じゃないですか」
私は、辺り一帯を覆うひまわりの花々を見回した。
明るい、可愛らしい、前向き、そして花言葉でもある「愛慕」。目の前の少年に恋してしまった今では、ひまわりの持つ魅力が羨ましくてたまらない。
一人で悶々と考えていると、目の前の少年がクツクツと笑っているのが目に入った。目に涙まで浮かべて……失礼な人だ。
「あのさあ、初対面の人間にこんなこと言うのも変だけどさ、お前って変な奴だな?」
「う……」
「だってさあ、普通、花を見てそんなに考えないぜ? 綺麗だなーとか思って終わりだと思うもん」
「まあ……ですよねえ」
私が少し困ってそう返せば、少年はまた大きな笑いをこぼしたのだった。
「あ、し、失礼ですよ! さっき、自分で初対面だけどどーたらこーたらって言ったばかりじゃないですか!」
「だって、お前が本当に変な奴なんだもん。あははは!」
「わ、笑わないで下さいよ! ……あ、ははは!」
私たちは本当に初対面だったんだっけ? 私、本当にこの人に恋をするのは初めてだっけ?
そう思えるほど、彼の傍は何故か居心地が良かった。
「なんだか、長話をしちゃいましたね。すいません。ところで、私、麦わら帽子を風に飛ばされてしまったのですが、こちらにひまわりのコサージュが付いた帽子は飛ばされてきていませんか?」
ひまわりの話をしていて、一番大切な用事を忘れるところだった。
そもそも私がこのひまわり畑に来た理由。それは、風に飛ばされたお気に入りの麦わら帽子を取りに来たからなのだ。
「ああ、さっき風に乗って来たな、確か。それってさ……」
これだよな、そう続けて彼は自分の背後から、私の前に一つの麦わら帽子を差し出したのだった。少し土で汚れてしまっているが、手で払い落とせば全く問題ない。
「……! こ、これです! 間違いないです! 本当にありがとうございます!」
私は、彼の手からそっとお気に入りの麦わら帽子を受け取った。
「俺、見てたんだ。お前が、その麦わら帽子を追いかけてくるのを」
麦わら帽子を受け取ったあとに流れた、軽い沈黙を破るようにして彼はそっと口を開いた。先程までとは少し違う彼の様子に、また胸が高鳴るのを感じる。
「俺、そのお前と話がしてみたくなって。それで俺の方が必死になって麦わら帽子を追いかけててさ。さっき、ひまわり畑の中から近くにいるお前を見たときには心臓が飛び出るかと思った。マジで」
「う、嘘ですよね?」
「いや、本当。ごめんな、お前の麦わら帽子、隠しちゃってて。まじ悪かった。でも話せて嬉しかったぜ!」
そう言って、彼はまたひまわりのような笑みを浮かべた。
優しくて、力強くて、愛おしい笑顔。
「私は、千歳中学三年の藤川雪といいます。貴方のお名前も聞いてよろしいですか?」
気が付いたら私はそう言っていた。ドキドキする心臓。緊張するのに、その緊張が何故か愛おしい。
「雪……か。お前に似合うな。俺は、渋木中学三年の水野風太郎!」
「なんだ、同い年だったんだ。仲良くしてね、風太郎くん」
ひまわり畑の中。
心惹かれる君に出会った。
きっとこの出逢いは永遠のもの。
文章がハチャメチャですみませんm(_)m
読んでくださった方は、ありがとうございました。
本当に拙い文章ですいませんでした。