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存在干渉の法則  作者: たびくろ@たびしろ
進みゆく物語
81/110

明かされた『計画』

「さーて、まず最初に言っとくことは二つ」

テーブルで向き合っている俺とお袋、いや、水瀬江里。

俺は未だに、彼女に対する態度を改められないでいた。恐怖感、劣等感。圧倒的な戦闘力から来る『恐い』という気持ちと、その彼女に何も抵抗出来ない『劣っている』という気持ち。

だからこそ、今は話を聞くべきだと判断した。ここで無理に争っても、腕の骨をやられるだけだろう。舞の腕さえ折るような非情さを持っている彼女だからこそ、本当にやりかねないと思ってしまう。

そんな彼女は、俺の前に握りこぶしを差し出し、言った。


「一つ。私は『組織』を追っている。つまりあなたの味方って事」

人差し指を、立てる。


「二つ。奴らは相当にヤバイ連中だって事」

中指を、立てる。


「これだけは真実。まずは一つ目についてだけど」

そう言って彼女は指を二本立てた手を引っ込める。顔つきも真剣になった。ここからは真面目モードらしい。

「私はね、もうだいぶ『組織』を追いかけ続けてきたの。何ヶ月なんて単位じゃないわよ?それこそ、何年とか、そういう話」

嘘じゃない、と思った。彼女が冗談を言うような空気とは、また違う空気。なんというか、雰囲気が違うのだ。

「それで、奴らの情報はぼちぼちだけど集まってるわ。隠れ家みたいのがあってね。舞ちゃんとはそこで再会したわけですけれども」

いつものおちゃらけた口調を保ちつつも、表情は真剣な水瀬江里。

「随分と敵対的だったわね、舞ちゃんは。まぁ、なんだかんだ言って仲間にはなってくれたけどね」

「……アンタが腕力振りかざして無理やり仲間にしたんじゃねぇのか?」

そういう可能性だってゼロではないだろう。何しろ、腕を折ってまで話を聞かせるような人間なのだから。

しかし。

「いやいや、違う違う。そりゃ、最初は話聞いてくれなかったから見せしめに一本折ってやったけど、それからは彼女の判断に委ねたわよ?」

彼女はそう言う。もちろん、嘘の確率も捨てきれないが、ここばかりは俺には分からない。

「まぁ、やっぱりあの資料を見せたら協力してくれるとは思ったけどねぇ」

「あの……資料、だって?」

俺がそう言うと、水瀬江里は小さく頷く。

「『Black-eye』の実験体としての人造人間、エノ。それについての資料よ。全部覚えてないからかいつまんで言うわね」

そう言って彼女は、一つ一つ思い出すように説明する。

「簡単に言えば、生きた監視カメラってことよ。『Black-eye』ってのはね、その名の通り人工的な『黒い目』なの。その目に入った映像を送受信するためのモノ。それが搭載された人造人間がいる。それが『エノ』なのよ」

「エノ……黒い目……?あれ、それって……」

その時、俺の脳裏に一つの記憶が浮かび上がった。

そうだ。そういえば、同型真像(オリジナル)と一緒にいた少年。彼の名前は、確か『エノ』という名前では無かったか?

言われてみれば、あからさまに人造人間っぽい格好をしていた。不自然に緑一色な髪の毛。全身に繋がれた意味深なコード。

そして、あの黒い目。

間違いない、彼の事を言っている。

「……おい、俺、そいつのこと知ってんぞ」

「へぇ、そうなの。まぁどうでもいいけど。肝心なのは、その『エノ』君が組織の『計画』に深く関わっているってこと。でも残念なことに、『Black-eye』研究自体は既に完成しちゃってるから、もう止めようが無いのよね」

「は?どういう事だ?」

「うーんとね、この『計画』には……」

「いや、だから『計画』ってなんだよ。組織は何をしたいんだ?」

俺が聞くと、彼女はいとも簡単に答えた。

「あ、そっちか。『計画』っていうのは、裏世界を救うってこと」

「?」

意味が分からず、俺が首を傾げると、彼女は続けた。



「さらに詳しく言うと、表世界を乗っ取っちゃおうっていう事。全同型虚影(ドッペルゲンガー)を総動員して表世界に連れていき、そして『法則』の力で同型真像(オリジナル)を全員排除。そうすれば裏世界は何もかもを二倍にする事が出来る。土地も、自然も、エネルギーさえもね」



「……ッ!?」

初めは、よく分からなかった。

しかしだんだんと理解していくうちに、その恐ろしさに気付いていった。

同型真像(オリジナル)を……全員排除だって!?世界中全員か!?」

「さぁ、どうでしょうね。『組織』の力じゃ、せいぜい日本中くらいじゃないかしら」

「……それでも……全員、排除するって……!!」

「そうね。私だってそんな事させたくない。だからこそ、私はこうやって『組織』の事を探ってるワケなのよ」

彼女の態度は特に変わらない。きっと数年前からその事実を受け止めて、それを阻止するために動いているからだろう。

「だけど、それは三つの『能力』が合わさらなければ上手く機能しない。その中には――――――――」

彼女は、笑う。

そして、俺に告げる。



「あなたの存在が不可欠なのよ、透」



そろそろ物語の核心に近付いてますね。ていうか変に長くしすぎた感がありますね。ていうか感想欲しいです。物凄く。こんなのが変だと思う、みたいな。

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