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Brave of twin  作者: 鷺沼 黒
デスゲームへようこそ
5/12

正式サービス開始から3日


俺は始まりの街から初心者の草原、初心者の林、初心者の森を抜けた先にある第2の町に向かう途中に居た。


BOTオンラインは何故か初心者の~と続くフィールドが3カ所もあるため第2の町までの道程が無駄に長い。


未だ、第2の町到達者は0、だ。


そして、俺のフレンド登録数も0、である。


べ、別にぼっちな訳じゃないからな!

俺はMMORPGではある程度までソロでやるって決めてるだけだから!

初日のぼっちの呪いが掛かったとかじゃないから!


何はともあれ、俺は"ソロ"で初心者フィールドを突っ切っている訳である。


攻略を始めてから優に五時間は経っているが、全く着く気配がない。

寧ろ森の中で迷ってしまいそうだ。


「キェエエッ」


モンスターがポップしたようだ。

俺の自慢の片手剣(NPC装備)をゴブリンに向ける。


「さあ、来い。」


ゴブリンがナイフで切りかかってくる。

それを軽く避け、斜めに一刀。

その一撃だけでゴブリンはドロップ品を残して消滅した。


この3日でゴブリン程度ならスキルも何も使わずに一刀に伏す事が出来るようになっていた。


俺ドロップ品を拾い上げた。

ポーションだった。


「お、ラッキー。ミニポーションじゃなくてポーションとは」


ソロな上に、回復魔法どころか魔法系統のスキルを一切持っていない俺としてはポーションは嬉しい。

しかも、始まりの街で売ってるミニポーションの1ランク上のポーションだと尚更。

素材なんか拾っても装備を作ってくれる知り合いの生産者なんか居ないし……す、好きでソロやってるんだからな!


こほん、さあさ、攻略の続きを……って、なんか新着情報有りとか頭に流れてくるな。

レベルが上がった時も何も無かったのに。

とりあえずメニューを開いてみる。

どれどれ……、『新しい称号を獲得しました』……?


「称号……?」


今までのシリーズに称号なんてあったか……?

それとも、今作から実装されたのか。

称号か、どうせならかっこいいのが良いよな。

若干の期待を込めてメニューに新たに加わった称号のページを開く。


『新しい称号“双極の双子”を獲得しました』


「そうきょくのふたご……?」


俺がそう呟くと同時にゲーム内アナウンスが流れた――



*****


クウマがゴブリンを相手にしていた頃、現実世界では美和がBOTオンラインを作動させようとしていた……


後はログインするだけ、というところで私は止まっていた。


今手持ちにあるゲームは全てクリアしてしまった為、試しにやってみようか、と思い立ったのがついさっき。

スキルや職業は後回しにして容姿などの設定をし終えたのが二分前。

そして、ログインせず思考がフリーズしているのが現在。

よくよく考えてみたらMMO自体を全くしたことがない、という事に気がついた。

そして、自分は友達作りが大の苦手なのである。

加えて設定したアバターはなんというか目立つのだ、確実に。


「……うっ……」


まずい。色々考えた結果、更にログインしにくくなってしまった。


私はこんなに優柔不断だったのか。

こんなちっぽけな事で悩むほど……。


それに……自分にあわなければ、直ぐにログアウトすればいい。

一度手を付けたゲームを全クリせずにやめるというのは気が引けるが、そもそもMMOには終わりなど無いのだ。

別にこんな敵前逃亡みたいな事をしても私の自尊心は傷つかない――それでも、少しは傷つくけども――大丈夫だ。

そもそも、まだ始めても居ないのに何を言っているのだ、自分は。


ウジウジ悩んでいるのが馬鹿らしくなってきて、スタートボタンを押した。


意識が闇に包まれたと思った次の瞬間には再び視界が開けていた。


私は空中に浮いていた。

目の前には『ようこそ!Brave of twinへ』の文字。

眼下に見える景色は恐らくBOTの風景であろう。

まるで空を飛んでいるかのようだ。


私が眼下に広がる景色に見入っていると、ゲーム内アナウンスを知らせる音が流れた。


「何故、今、アナウンスが……。」


意味が分からない。私はまだスキル設定などを終えていない。

この状態でアナウンスはおかしい。


私は不審に思いつつもアナウンスに耳を傾けた。


『現ログインプレイヤー数1万人超確認。』


『双極の双子出現確認。』


『条件達成』


『これよりグランドクエスト"デスゲーム"を開始する。』


『尚、バージョンアップのため全プレイヤーを一時空間に移送する。』


『今グランドクエストについては一時空間で詳しい説明がある』


『冒険者諸君の健闘を祈る』


アナウンスが終わった瞬間、初期職業、スキル設定画面が現れた。

右上には設定に割ける残り時間が表示されている。


私は決意を込めた目でざっと一覧を見、アナウンスを聞いた瞬間に決めたスキルを次々と選び、残り時間がゼロを表すと同時に決定を選択した。



最近ようやく、お気に入り登録してくださる方が出てきて、作者は嬉しさで涙が止まりません!


本当に感謝の気持ちで一杯です!


感想もお待ちしてます。


また、誤字、脱字を発見した場合や補足が必要な場合も是非一言お願い致します。

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