二人でハッピーエンドへ!
「こんな展開になるとはな」
ブラッドハート様は囁いた。
こんな展開になって、私は心からほっとしています……
骨抜きになって体を預けたまま動けない。
私はもうブラッドハート様のもの――幸せ。
「さて、ここからは、そなたを手に入れて国に連れ帰るために動くとするか」
ブラッドハート様が動き出す――!
私もしっかりして、ついていかなくちゃ!
そうよ、えっと、まずは頭を働かせてこれからの事を考えるの。
これからブラッドハート様の国に行くにおいて。
そうだっ、フロンティアの両親に言わなきゃ!
でも、
「あのっ、私、先のことを何も考えずに屋敷を飛び出してきていて、お父様もお母様もこのことは知らなくて……!」
駆け落ちになるの? どうしよう。私はいいけど。
ブラッドハート様も少し驚いてから、すぐに冷静に思案しだした。
「フィル王子と結婚させようとした親だ。俺との結婚など許さないだろうな……それでも、これから屋敷に行って、認めてもらえるよう願おう」
ブラッドハート様が、私のためにお願いを?
私の両親に「結婚を認めてください!」って!?
そんな展開がくるなんて――ダメよ、ここで気絶したら。ちゃんと、その瞬間に立ち会わなきゃ!
「それで許されなければ、そなたのことは強引に連れて行くか。邪魔する者は蹴散らして、な」
不敵に笑った!
やっぱり、好戦的なのかもしれない。
邪魔する者は蹴散らして、私をつれていくのですか?
平和的に願うのもいいけど、それも素敵――ぜひ。
でも、
「もしも、引き離されたら?」
「不吉なことを聞くな」
「ごめんなさいっ」
ムッとした顔に慌てて頭を下げる。
だけど、やっぱり気になる。
ブラッドハート様と結ばれてすぐに離れ離れになるなんて耐えられない。そんなことにならないように……足手まといかもしれないけど、こうして、シャツを握ってしがみついていたい。
ギュッと想いを込めて掴んで、
「こうやって、しがみついてます。離れません!」
決意を伝えて見上げた瞳を見て。
ブラッドハート様は私の頭を大きな手で、優しく包んで胸に寄せてくれた。
「ああ、しがみついていろ……たとえ、誰に阻まれても死んでも離さない。女一人手に入れられないと笑い者になるなど御免だからな」
笑い交じりだけど力強い口調に、ブラッドハート様の誇り高さを感じる。
本来の展開でも、たった独りで最後まで戦って死んでしまう。そういうプライドの高いところが、今まで見せてくれた全部が、やっぱりたまらなく好きです。
私を連れていても変わらない、かっこよすぎる!
ブラッドハート様の胸に頬を寄せて、しっかりと抱きしめた。
ついて行きます、どこまでも、あなたが幸せになれる場所まで――!
想いが届いたのか、フッと嬉しそうな笑い声が聞こえた。もう、笑った顔を思い浮かべることもできる。
「誰が立ち塞がっても負ける気はしないが……」
声が穏やかになってる。
私を抱きしめ返してくれる手も優しい……
「そなたを無事に国に連れて行くためには、やはり戦わずに済む方法を探すとするか。二人で、いや……フィル王子と共にな」
「フィル王子様と?」
「ああ、そなたが、あんな風に会談を壊したことに腹を立てているだろうからな。どうなるかはわからないが、もう一度会って願おう。フロンティアのことが俺も心から欲しくなった、連れ帰るのを認めてくれと」
優しい、笑顔……私のために、フィル王子にまで向き合ってくれるなんて……
こんなブラッドハート様、もっと好きになっていく!
「そなたも、隣に居てくれ」
「はいっ、私も認めてもらえるまで願い続けます!」
運命を変えてハッピーエンドに導くまで!
私とブラッドハート様はしっかりと抱き合った。




