生きているという幸せ
5月に入りゴールデンウィークがやってきた。
俺は三咲希と出かける約束をした。
そしてその当日……
「少し早く着きすぎたか」
集合予定の15分前
最寄り駅に着いたが三咲希の姿は見えない。
少し張り切りすぎたかもしれないが遅れるよりはいいだろう。
その数分後のことだった。
「おまたせ〜」
声のした方を見ると……制服じゃない私服でなんとも可愛らしい服を着た三咲希が来た。
「おはようごめんね、待った?」
「おはよう、大丈夫ださっき着いたとこだからな」
「それなら良かった……嶺佐……そのどうかな?」
間違いなく服装のことを聞いてきている
正直言うのは恥ずかしい気がするが…女子がせっかくお洒落をしてきたので男としては答えておかないとな
「その……なんだ、似合ってるぞ……可愛いと思う」
「……えへへっやったね!」
可愛い笑顔で喜ぶ三咲希、俺も釣られて笑顔になる
「よっしゃ行くか?」
「うんっ!」
俺と三咲希は隣町に行くべく電車に乗りこんだ
そして電車に乗り隣町には1時間ほどで着く予定だ
「そうだ嶺佐、桜依君は上手くいったのかな?」
「あぁ、そうとめ坂ならもうこのゴールデンウィーク先輩たちと出かけるらしいぞ」
先輩との交流に悩んでいたそうとめ坂が上手くやったようだな
「そうなんだ、さすがだね」
「だなぁ」
それからもほのぼのした時間を過ごし隣町に着いた
「お昼にしよっか」
「そうだなぁそうしようか」
時間はちょうどお昼時駅前のお店で食事を済ますことに。
「何食べる?」
「いちばん困る答えなのはわかっているんだが……なんでもいいぞ?」
「わかってるのに言うの……?まぁ嶺佐優しいからね気持ちはわかるけど……じゃあパスタなんてどう?」
「いいじゃんそうしよう」
パスタを食べることになりお店に2人で入る
お互い注文をして……食事を済ませた。
そして……
「美味しかったねぇ、そろそろ行こっか」
「だなぁ、そうするか」
そしてお会計へ
「ご一緒ですか?」
「はい一緒で」
「え?いいの?嶺佐」
「いいよ気にすんな。」
こういう時は男が奢るもんだろう……決まりな訳では無いが……
「ふふ、君優しいね。彼女さん大事にしてね」
若い女性の店員さんに言われた。
「あいえ…別にそういう関係では……」
ありきたりな会話だなぁ……
「あらあら、それはごめんなさい。ありがとね」
「はいありがとうございました。ご馳走様でした」
「…………」
三咲希が顔を赤くして下を向いていた……
どうしたんだろうか?
「三咲希……?」
「あっごめんごめん……さっ行こっか!」
「お……おう」
そして近くのショッピングモールへ
2人で買い物をして
最後カフェでゆっくりして帰る予定だ
「何から見に行く?」
「ん〜服屋さんかなぁ」
「よしじゃそうしようか。」
三咲希の希望で服屋のコーナーへ
「ねぇ嶺佐これ可愛いと思うんだけど私に似合うかな……?」
「ん?どれどれ……」
三咲希が見ていたのは水色の黒いリボンの着いたブラウスだった
「なるほど……似合うんじゃないかなぁ?」
三咲希はあまり恥ずかしくて本人には言えないが正直ものすごく可愛い女の子だ
どのような服でも似合うだろう
「そ……そう?買っちゃおうかな……?」
このブラウスにスカートでも着たらめちゃくちゃ可愛いだろうな
値段だがあまり高くは無い……が中学生の俺らからは少し贅沢なものだな
「お小遣いあるのか?」
「うん普段使わないからね、それに今日お母さんが好きな服買ってきなさいって言ってたんだぁ」
なるほどそれはいい時に来たな
「いいじゃないか、ほんとに似合うと思うぞ」
「なら、買おうかな!お会計してくるね!」
「おう行ってらっしゃい。慌てんなよ〜」
三咲希がレジの方に向かっていった。
それから少し買い物をしたりして
カフェに行くことに。
「ん?」
三咲希と一緒に向かっているが少し三咲希の歩く速度が遅くなったな……三咲希の足は元々いい方では無いので少し心配になる
「少し休むか?」
「あっ……ごめん気づいてたんだ……ありがとう」
近くにベンチがあり少し休むことに
「ごめんな気づくの遅くて、お前足悪いんだから気なんて使わなくていいから言うんだそ?」
「うん……ごめんねありがとう……嶺佐ちゃんと私の事見てくれてるんだね。優しいし」
「そりゃなぁ……優しいのか分からないが……女の子のことはちゃんと見とかないとな?」
「それを優しいって言うんだよ」
「そうなのか?」
「うん。優しくない人は女の子のこと考えてないと思うもん」
自分はして当たり前のことをしているだけだが……
10分ほど休憩したところで……
「もう大丈夫だよ、行こっか」
「おう。無理すんなよ」
「ありがとう」
そしてまたカフェに向かう
無事到着し注文を済ませ
ゆっくりすることに
「それにしても2人で出かけるの久々だよね」
「まぁなぁ……」
2人きりで出かけるのは3年ぶりくらいだろうか?
それからは言うまでもなく俺も三咲希も大切な人を失ってしまった。あまり出かける機会はなかったな。
「楽しかったなぁー、また出かけようよ」
「もちろんだ」
「嶺佐はさ学校の放課後の時間事どう思う?」
「人助けの時間のことか?」
「うん」
「そうだなぁ……最初、小鳥遊先生に言われた時はびっくりしたが……ああいう時間も悪くないなと今は思ってるな人助け自体は嫌いじゃないしな」
「私も同じだな〜学級委員長になってよかったなって思うよ」
三咲希も同じようだな
それからも学校での話や友達の話をして時間を潰した……
そして電車に乗って帰ってきた
「ごめんね寝ちゃって……」
「気にするな疲れてたんだ」
帰りの電車三咲希は俺の肩に寄りかかり寝ていた。
そして2人で家に向かって歩き出す
「楽しかったなぁ〜」
「そうだなぁ……」
「私幸せだなぁ」
「え?」
俺は思わず声に出してしまったが……
「嶺佐みたいな友達が近くにいて……幸せ……お父さんが亡くなってからは、生きているのも辛かった……嶺佐はもっと大変だったと思うけど……嶺佐に支えられた……嶺佐見たいな人に出会えて幸せだよ」
「……そうか……俺もお前に助けられた。今は生きているだけで幸せと感じる時があるな……」
生きているという幸せ……生きているだけで幸せなんだと俺は思う。
「ごめんなんか暗い話しちゃったね……」
「気にするな」
そして三咲希の家に着いた。
すると三咲希のお母さんもちょうど玄関の前にいた
「お母さんー!ただいまぁー」
「あらおかえり。嶺佐くんもおかえりなさい」
「どうも。」
「嶺佐今日はありがとうまたね!」
「おうまたな〜」
「嶺佐くんありがとねこれからも三咲希のことよろしくね!」
春夏冬宅を後にし自分の家に向かう
「優しい……か」
三咲希に、優しいと言われてずっと考えていた
俺は自分を優しいとは思わないが…結構優しいと言われることが多い。当たり前のことをしているだけだがそれが優しい見られるようだ……
「誰もにも優しい訳じゃないんだけどなぁ……」
それと……
「俺と出会えて幸せ……か」
俺と同じだな……三咲希に出会わなかったら今の俺は居ないだろう……この出会いには感謝だな。
そんなことを考えていると自分の家に着いた
そして今日も……無事一日を終えられた。




